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いきなりプロポーズ
~王太子はひきこもり姫にご執心~
園内かな イラスト/鳩屋ユカリ
幼い頃に巻き込まれた事件で男性恐怖症になってしまったフィオナ。離宮での静かな暮らしは、隣国の王太子・クラヴィスからの求婚で一変した。「君以外を妃にすることは考えられない」クラヴィスは優しい言動でフィオナの心をほどき、さらに毎晩フィオナの部屋を訪れては甘い愛撫で快楽を教え、身体にもクラヴィスの存在を沁み込ませていく。濃密な愛に満たされ、次第に外にも出られるようになるが、それをよく思わない人物がいて――!? 配信日:2018年11月30日 


「ありがとう、クラヴィス……。本当に、ありがとう。貴方に求められて、嬉しい」
「フィオナ、愛している……」
 気持ちを確かめ合った後に抱き合うと、二人共に気持ちが逸る。衝動に衝き動かされ、二人は口付けを交わしながら互いの服を夢中で脱がせあった。
 生まれたままの姿になって、ベッドに倒れ込むようにもつれあう。
 肌を触れあわせ、濃厚なキスを繰り返す。舌同士を擦り合わせ、ぬるぬるとした感触に息が荒くなる。どうして口の中を触れあわせているだけで、こんなに気持ちがいいのだろう。二人の気持ちが一つになったから、今まで以上に快感も高まるのかもしれない。
 それに、クラヴィスの手が身体に触れると、どこを撫でられても感じてしまう。
「はぁっ、あん……っ」
「フィオナ、いつもより感じやすいな」
「やだぁ……」
 反応をつぶさに見られていると思うと、恥ずかしくて顔を背けてしまう。
 だが、クラヴィスは笑ってその晒された首筋に舌を這わせた。
「こういう反応も可愛い。それに、いやらしい身体もいい」
「やっ、いやらしくなんて……」
「どこもかしこも滑らかな肌をしていて、舐め回したくなる。大きな胸は柔らかくていつも触れていたい」
 その言葉通りに、クラヴィスはフィオナの胸をやわやわと揉み始めた。ウエストが細く引き締まっているのに胸のボリュームはあるので、クラヴィスの目を楽しませているのだがフィオナはそんなことを知らない。
「はっ、ぁぁ……っ」
 優しく胸を揉まれていると、胸の先端が疼いてくる。刺激が足りないのだ。
 クラヴィスはそれを分かったかのように、胸の先端に口付けた。
「あっ!」
 熱い唇の感触に、思わず声をあげてしまう。その反応の良さに、クラヴィスはやはり嬉しそうにするのだった。
「感じるとここが大きくなって、いやらしく尖るのもいい」
「そんなこと、ない……っ」
 フィオナが反論すると、クラヴィスはにんまりと笑った。
「では、確かめてみよう」
 クラヴィスは舌を出して、ねっとりと胸の先端を舐め上げた。それから、ぱくりと唇に含んで吸いついた。吸いながら、舌先で舐め回されると下腹部がじんとする。
 どうして胸の刺激が下腹部への反応になるのか、不思議だった。
 だがそんな思考はすぐに吹き飛んだ。舌で甘くじんわりとした刺激を与えた後、クラヴィスは胸の先端を軽く嚙んだのだ。
「きゃうっ!」
 突然の鋭い快感に、フィオナの身体はびくんと跳ねた。
 するとクラヴィスは舌先でくすぐるような愛撫に切り替える。また柔らかなもどかしい触れ方になると、胸の先端はじんじんと疼いた。
 さっきの強い刺激を、身体が求めているのだ。
 フィオナの足はじっとしていられなくて、膝を立てたり伸ばしたりと勝手に動いてしまう。蜜孔からはたっぷりと蜜が溢れていた。
 クラヴィスはちゅぷっ、と音を立てて唇を胸の先端から離した。彼が胸の先端をじっと見つめているので、フィオナもつられて見てしまった。
 大きな膨らみの中に、紅く色付いた突起がぷっくり立っていた。濡れててらてら光ったそれは、フィオナの目にも淫靡に映った。
「ほら、こんなにいやらしくなった」
「そんなの、クラヴィスがそうしたんじゃない」
「そうだな」
 同意してから、クラヴィスはもう一方の胸の先端にも同じことを始めた。
 ちゅうっと吸って、舐めてから甘く嚙まれる。今度は、その刺激を待ち望んでしまっていた。それと同時に、濡れた胸の先端を摘ままれ、ぬるぬると擦るように揉みこまれる。
「ふぁっ、あぁっ……!」
 下腹部が引き攣るようにきゅんと反応する。今までのクラヴィスの丁寧な愛撫によって、フィオナは快楽を覚え込まされていた。
 一番敏感な尖りも、蜜孔の中の刺激も既に知っているのだ。それが無いのが切なくて、太ももを擦り合わせてしまう。
「あっ、クラヴィス、気持ちいい……っ」
 触れられて感じたら、彼の名前を呼んでそう伝えるようにも教え込まれている。
 素直なフィオナの反応に、クラヴィスははぁっと熱い息を吐いた。
「フィオナ、もう我慢できない。俺は君を最後まで奪う」
「そ、それは駄目よ……っ、あっ、ん……っ」
 フィオナの理性が拒否の言葉を吐かせた。しかし、クラヴィスは最後まで言わせず蜜孔に指を侵入させた。既に蕩けていたそこは、クラヴィスの指をぬぷりと呑みこむ。
 胸の先端を舐められながら、中の媚肉を擦られるとたまらなかった。
「あっ、はぁん……っ、クラヴィス……っ」
「君と一つになりたい、フィオナ」
「わたくしも……っ、でも、それは駄目なの……、あぁっ」
 中の一番感じる所は、とっくにクラヴィスに知られている。その部分をくいっと指の腹で押され、重点的に擦られると弱かった。フィオナの腰は浮き上がり、勝手に揺れ動いてしまっていた。
 クラヴィスはわざと、一番敏感な突起には触れず決定的な快感を与えないのだ。
「やだ、やだぁ……っ、クラヴィス……」
 何が嫌なのか、フィオナにも分からない。しかし、うわ言のようにそう繰り返してしまう。
 中の指は二本に増え、媚肉を擦りながらぬぷぬぷと出し挿れされる。蜜に塗れた指はスムーズに抜き差しされ、一番感じる部分を掠めていく。その指を無意識のうちにきゅうきゅうと締め付けてしまうが、その感触もまた気持ち良かった。
「フィオナのここは、俺を欲しがっている」
「そんな……っ」
「もっとしてくれと縋り付いて、抜こうとしても引き留められるようだ」
「はぁっ、んっ……、でも……っ」
 素直に応じないフィオナに、クラヴィスはフッと微笑む。
 それは、仄暗い執着と欲望をふんだんに込めた笑みだった。
「だったら、許可を得られるようにもっと頑張ることにしよう」
「えっ、あっ!」
 クラヴィスは蜜孔から指を引き抜くと、フィオナの足を大きく開いて持ち上げてしまった。そして、秘所に顔を近付ける。フィオナが慌てて彼の頭を突っぱねようとしたが、逆に両手を摑まれて抵抗出来ないようにされてしまった。
「もっと素直になってくれると嬉しいのに」
「ご、ごめんなさい。でも……」
 本当はクラヴィスと全てを分かち合いたいのに、意地を張っているようで申し訳なく思う。そう思って抵抗する力を弱めるとその隙をつくように、クラヴィスはフィオナ自身の指で秘所を割り開くよう手を動かした。
「ほら、俺をすぐにでも受け入れようと蜜でとろとろだ」
「やっ、見ないで……っ」
「フィオナの一番感じるところも、膨らんで大きくなっている。少し舐めただけでイってしまいそうだな」
 その感覚を想像しただけで、新しい蜜がこぽりと零れ出た。
 恥ずかしいのに、フィオナは自ら襞を開いて見せている。
「やだ、こんなの……、ふぁっ! あっ、ん……」
 クラヴィスは一番敏感な突起をぱくりと唇で咥えた。そのまま、ちゅうっと啄むように吸い上げる。
 フィオナの身体はすぐさま反応し、腰を揺らしてしまう。
 すると、彼はすぐに口を離してしまった。フィオナの反応を見て、表情を確認するとにこっと笑ってまた啄む。
「はぁっ、あ……っ」
 ゆっくりともどかしい快感に、蜜孔がひくつく。中への刺激を求めてしまっていた。
 だが、クラヴィスはゆったりとした口淫を楽しむことにしたらしい。啄んでは離すを何度か繰り返した後は、舌の腹で全体的に柔らかく擦りだした。
「ふぁっ、あん……っ、ん……っ、クラヴィス、気持ちいい……っ」
 もっと鋭い刺激を与えられる筈なのに、包皮を剥かずに皮の上から舌を押し当てているのだ。中と外、どちらからでもいいからもっとして欲しいという期待から、フィオナの蜜はシーツに垂れるほど溢れている。
 やがて、包皮の上からかぷり、と歯が立てられた。クラヴィスが甘嚙みしたのだ。
「ひぁぁっ! んっ、はっ、それは……っ! あぁっ!」
 フィオナの身体はびくんと動き、一気に汗ばんだ。
 今にも達しそうな切羽詰まった感覚に、腰が揺れ動く。
 それでも、クラヴィスはフィオナの指と秘所から手を離さず、突起を舐め続けた。
 フィオナの腰は、彼の舌に己の突起を押しつけようとする動きになっていた。
 もう今にも達してしまいそうだ。フィオナは今までのように、素直に申告した。
「クラヴィス、もう、イきそうなの……」
 すると、彼は無言のままにまた突起を甘く嚙んだ。
 その刺激に、ぎりぎりまで耐えていた絶頂の淵から叩き落とされてしまった。
「あっ、あっー! イくっ、イっちゃう……っ! あ――っ!」
 身体がガクガクと震え、腰を反らしながら達してしまう。
 それなのに、クラヴィスはまだ突起から口を離さなかった。達したばかりで敏感な突起をまた吸い上げては舌で舐めている。
 更には、今までそのままにしていた包皮を剥き上げてしまった。敏感な真珠は、露出しただけで空気に触れるのが感じられる。
 クラヴィスはその真珠にも、舌の腹全体で愛撫を始めた。
「ひぁっ、もっ、イってるから……っ、クラヴィス……っ、んぁっ! きゃぅっ! やぁぁ……っ」
 達したばかりで感じやすい真珠は、触れられ続けるのが辛い。それなのに、クラヴィスは先ほどと同じように歯を当てて甘く嚙んでは舐めるという愛撫を続けた。
 執拗な弄りように、フィオナは涙とよだれを零しながら喘いでいた。
「もっ、ダメぇ……っ、あっ、またきちゃう……っ、あっ、あぁっ! やだぁっイくっ、イく……っ! あーっ!」
 また仰け反ってフィオナが達した。
 それでも、クラヴィスは愛撫を止めない。もう真珠は大きく膨れ、包皮の中に収まらないほどにぷっくりと紅く色付いていた。クラヴィスは襞から手を離し、蜜孔に指を挿れる。そしてもう片方の手で剝き出しの真珠を押し潰し、小刻みに動かした。
「あぁっ! あーーっ!」
「硬く大きくなって、こりこりしている」
「ひぁっ、あぁっ! あーっ! もっ、だめぇ……っ」
 フィオナにはそれどころではない感覚だった。剝き出しにされた真珠は強烈な快感と疼きを下腹部に与えるのだ。
「もっと感じさせて、イかせたい」
 中の感じる所を擦られながら、真珠を摘まんで上下に扱かれる。
 フィオナは大声で喘ぎ、身悶えて感じるばかりだった。
 もうクラヴィスに抵抗など出来ず、足を大きく開いたまま仰向けになっていた。
「もう、止めてぇ……っ」
 身体をひくひくと震わせながら懇願する。足が空をかいていた。
 このままだと、快楽でおかしくなってしまいそうだ。
 だが、クラヴィスは無慈悲に愛撫を続けようとした。
「君が嫌がるなら、せめて朝まで味わっていたい」
 また中の指を動かされて、いい所を擦られながら真珠を舐め上げられる。
 このまま朝まで感じさせられるなんて、無理だ。
 それに、中の媚肉がひくひくと震え、指じゃ足りないと訴えている。この先の奥まで、太いもので満たして欲しい。もっと、彼を直接感じたかった。
 フィオナの目にも、クラヴィスの雄が猛っているのが分かっていた。あれが、欲しい。
 一度そう思ってしまえば、フィオナの思考は欲望で塗りつぶされてしまう。
 彼も自分も願っているのだから、拒む理由などないように思えた。
 世間体や常識より、クラヴィスと一つになりたい。
「お願い、クラヴィス。最後まで、して……」