TOP>文庫一覧>執愛のアリア歌姫は溺愛に甘く啼く
執愛のアリア
歌姫は溺愛に甘く啼く
ハルノヤヨイ イラスト/緒花
歌劇場の雑用係リリアは、行方不明の初恋相手ヴィントに似たアルトナー伯爵の計らいで歌のレッスンを受けられることに。先生は仮面をつけた謎の男。彼から甘く淫らな指導を受けたリリアは…? 発売日:2014年10月1日 


 ふいに男がピアノから手を離した。
「どうしたのだ? 声の伸びが悪い」
「い、いえ、なんでもありません……その……新しいコルセットが少しきつくて……」
 リリアがあわてて言い訳をすると、すっと男が立ち上がった。
「それは良くない。ここにお座り」 
 ピアノ椅子にうながされてそっと腰を下ろす。
 仮面の男に見下ろされる形になり、リリアはなぜか頬が上気してしまう。
「では、楽にして上げよう」
 男はそう言うや手を伸ばして、リリアの上衣のメタル釦をひとつひとつ外し始める。
「先生……だめ、です」
 リリアは声を震わせるが、なぜか身体が魅入られたように動かない。はらりと上衣が開き、繊細なレースに縁取られたコルセットが露わになる。仮面の男はリリアの背後に回り、コルセットの複雑な組み合わせの紐を、手早くほどいていく。秘密の扉が開くようにぱかっとコルセットが外れ、ふっと身体の締め付けが消えると、白桃のようなたわわな乳房がふるんと解放される。
「どうだ? 楽になったか?」
 仮面の男の手が、背後から抱きしめるようにリリアの乳房を両手で包んだ。その大きく温かい手で触れられるだけで、甘い疼きが湧き上がり、乳首がぴくんと頭をもたげてくる。
「は、はい……」
 なぜか声が震えてしまう。
「私の可愛い教え子よ」
 仮面の男がリリアの耳朶に唇を寄せ、そこから白いうなじに軽くキスをする。
「あっ……」
 男の唇が触れた箇所が、かぁっと火が付いたように熱くなる。
「せ、先生……」 
 リリアがもじもじと腰を動かす。
「動くな」
 男は乳房を捏ねるように揉みほぐしながら、細い首筋に何度もキスを繰り返した。
「ぁ……やだ……あぁ……!」
 尖った乳首を男が爪を立てるように弾くと、鋭い快美感にリリアは思わず声を上げてしまう。乳首などついこの間まで、なにも意識しない箇所だったのに、今は軽く指でさすられるだけで、甘く蕩けそうな悦楽を生み出す。
「いい子だ、こんなに感じやすくなって」
 仮面の男の指が、紅く凝った乳首をくりくりといじると、下腹部がじくんと疼き、奥の方からとろりとなにか熱いものが流れ出すような気がした。
「や……先生……そこ、もう……そんなに、しないで……」
 リリアが息を弾ませて、切れ切れに懇願すると、男はさっと前に回って、膝をついた。仮面の男は、うつむいて恥じらっているリリアの細い顎を指で持ち上げて上向かせ、その紅唇にそっとキスした。
「ん……んんっ……ん」
 先日の熱いキスの感覚が蘇り、リリアは思わず自ら唇を開いてしまう。そこへ、男の舌がするりと忍び込み、舌を絡めとって吸い上げてくる。
「ふぅ……んっ……んんんっ……ふぁあ……」
 それだけでリリアの媚肉がせつないほどひくつき、じゅくんと潤ってくる。
「は……ぁ、も、もう……やめて、ください……」
 これ以上キスを続けられると気が遠くなりそうで、顔をよじって訴えた。
「身体が熱いぞ――ここはどうかな?」
 仮面の男は、長いドレープのスカートを大きくめくり上げ、真新しい絹のドロワースをすっとかかとまで引き下ろしてしまう。
「あ……やっ」
 白い膝を割られると、蜜口に溜まっていた愛液が、とろりと垂れ落ちるのがわかった。リリアの秘所を覗き込んだ仮面の男は、
「ほら、もうこんなに濡らして――いけない花びらだ」
 と言いながら、しなやかな指でつつーっと花唇をなぞった。
「っ……くぅ……っ」
 ぞくぞくする淫猥な快感に、リリアは肩をぴくりと震わせる。
「もう、こんなに蜜を溢れさせて」
 仮面の男がつぶやいたかと思うと、ふいにその顔が股間に潜り込んできた。
「ぁっ……きゃ……なに……を……だ、め……!」
 秘部に男の熱い息づかいを感じたリリアは、驚愕して思わず両膝を閉じようとした。が、そのより一瞬早く、男の力強い両手が滑らかな太腿を押し広げた。そして、男はなんのためらいもなく、リリアの秘裂を舐め上げてきたのだ。
「はぁっ、あんっ……やっ……っ、そんな……!」
 まさかそんな淫らな行為があるとは、露とも知らないリリアは、ショックのあまり硬直してしまう。しかし、もっとショックだったのは、舐め上げられたとたん、痺れるような悦楽が走り、思わず熱い吐息が漏れてしまったことだった。
「美味だ――リリアの甘露は、命の泉のようだ」
 仮面の男は、舌先を伸ばすと、慎ましく閉じ合わさっていた柔襞をめくり上げるようにして、一枚一枚丁寧に舐り始めた。
「だ……だめぇ……そんなとこ……だめぇ……あっ……はぁっ……んんっ……っ」
 恥ずかしくてたまらないのに、極上の快感が全身を満たし、リリアは思わず甘い喘ぎ声を漏らしてしまう。男の生暖かく柔らかい舌は、まるで別の生き物のように花襞を這い回り、舐め回す。そうしながら、肉腔から溢れ出てくる愛蜜を、ちゅっちゅっと音をたてて吸い上げる。
「あぁっ……はぁあっ……はっ……ふぁっ……ぁんん……」
 リリアは、はだけた乳房をぷるぷる震わせながら、喘いだ。
 ふいに、男の舌先が、花襞の上部にたたずんでいた紅い花芽を探り当て、そこをくりくりと舐った。びりびりと雷に打たれたような鋭い悦楽に腰がびくんと跳ねた。
「はっ……ひぁっ……あぁああっ」
 リリアは白い喉を仰け反らせて、悲鳴のようなよがり声を上げた。
「だ、め……ああ、だめ……です……そこだめ……はぁあっ……っ」
 男の舌先がひらめくたびに、次から次へと快感が背筋を抜けて脳裏を直撃し、自分でも信じられないほど甘い呻き声を上げ続けた。ひくつく媚腔の奥から、熱い蜜液がどんどん溢れてくるのが分かる。
「あぁっ……ふぁうん……んんっ……だ、め、ああもう、やめ……てぇ……っ」
 あまりに深い悦楽に耐えきれず、男の柔らかく長い銀髪に両手を埋めて頭を押し離そうとしたが、男は逆にさらに強く唇を押し付けてきた。充血しきった花芽を、口に含み、ちゅうっと強く吸い上げた。
「ひ……いやぁああ……! あ、あ、だ、め、それだめ、あ、や、やぁあっ……」
 息が止まるかと思うほどの激しい媚悦に、ちかちかと眩しい光が頭の中で点滅する。
「あぁあぁぁ……あっ、だ、め……だめぇえ……だめ……っ」