TOP>文庫一覧>花は後宮に燃ゆる龍王は貴妃を濡らす
花は後宮に燃ゆる
龍王は貴妃を濡らす
立夏さとみ イラスト/田中 琳
豪商の一族の娘、朱花は、いとこの身代わりとなって男装して皇城へ出仕する。 囚われの廃帝・絳牙の見張り番となるが、一目で女だと見破られてしまい、夜毎抱かれることに。暗愚を装いながら復権を狙う絳牙は、おれの貴妃になるか、と朱花を甘く誘ってきて…!?
めくるめく愛と陰謀の中華後宮ロマン!
発売日:2013年3月5日 


 ぬるつく感触を、とんでもない場所に受けたとたん、朱花は全身を大きく震わせた。
「やぁっ……! そんっ、な、嘗めるなん、てっ……。あふぅっ……」
 窄めて尖らせた舌先は、思った以上に強靱な力で、秘肉を割って入りこんでくる。
 ねとねと、と自分のなかが嘗められる。うごめく舌の感触は、指とも陽根とも違う。体液に身を浸しているぶん、なにか別の生きもののような気がする。それが、朱花の身のうちを探っている。這い回っている。濡らしている。うっとうしいほどの熱を散らしている。
「う……ふぅっ……。ああ、そんなぁ……」
 ぞぞ、と皮膚は怖気に粟立つのに、内部は悦びに打ち震えている。
 愛撫を待ち望んでいた膣壁は、どこもかしこも歓喜の伸縮に身悶えて、恥ずかしい。
 やめてほしいのか、続けてほしいのか、それすらわからず、夢中で絳牙の髪をつかんだ手は、意味なくもとどり髻を掻き乱すだけ。
「あふっ……、や、ぁんっ……」
 言い訳のしようのない甘ったるい喘ぎが、朱花の唇を震わせる。
 はんぱではない羞恥に、身のうちが灼ける。冷えた空気が心地よいほどに、肌が熱い。
 絳牙の唇と、朱花の陰唇が、まるで口づけるように深く食みあって、その中心で強靱にうごめく舌は、花筒の粘膜をこそぐように嘗めまわしながら、入っては引いて、引いては押し入り、徐々に深くまで侵入して、到達したさきを濡らしていく。
「あっ、んうっ……、なか、熱いっ……。絳牙の舌が……」
 淫靡な音が、ぬめった感触と同時に響く。ぬちゃぬちゃと……それほど大きくもない音が、どうしてこんなにも耳に鋭くとどくのだろう。そうしながら、割れ目の行きつくさきですっかり膨らんだ紅玉を、前歯で器用にかりかりと刺激されて、朱花は甲高い声をあげる。
「や、それっ、あっ! か、囓っちゃ、だめ……」
「いちいち、要求の多いやつだ」
 こもった絳牙の声が聞こえて、なにかが花芽を摘む。口はなかを嘗めることだけに専念し、すっかり包皮から顔を出した粒は、指で押し潰しながら、もう一方の手を朱花の尻の割れ目に滑らせて、小さな菊門の周囲の柔肌までくすぐっている。
「あっ!? なに? や、やだっ、変なとこ……触っちゃ……ん、んんっ!」
 爪の先で、窄まりをくりくりとなぞられると、嫌悪と快感が紙一重になった疼きが湧きあがってくる。恥ずかしいことをされている。とても恥ずかしいのに、でも、それが奇妙に心地いいと、たくしあげた裙を胸に抱えて、荒くなっていくばかりの喘ぎを必死でこらえる。
 素直じゃないな、と花芽を根元から摘みあげるようにように引っぱられて、激しすぎる快感に、朱花は、いやいや、と首を振りまわす。
「そ、それ、だめ……変になっちゃうからっ……く、んっ!」
 くっ、とくぐもった笑いが響いて、内部を濡らしていたものが引いていく。
「その裙、持ってるだけじゃ暇だろう。自分で胸を弄ってみろ」
「え? な、なんで……」
 べつに暇だから持っているわけではない。なにかすがるものがないと、心許ないだけなのに、絳牙は、それならもっと有意義なことに両手を使えと言うのだ。
「おれはこっちをかわいがってやる。その代わり、おまえは自分で乳房を揉んでみせろ」
 その代わり、とは言うが、まったく対等ではない取引だ。
 それでも、胸がうずうずするのもたしかで、そっとはんぴ半臂の上から探ってみれば、凝った粒を感じることに驚く。上目遣いに朱花の反応を楽しげに見ている絳牙が、ほらな? と笑う。
 絳牙は延々、内部を嘗めたり花芽を弄ったりしているから、下半身だけがひどく熱く、それが焦れったくて、朱花はおずおずと自らの胸元をくつろげる。
 重なる襟の奥から、ほろりと豊かな乳房がこぼれでる。だが、乳首が見えるか見えないかのぎりぎりのところで、どうしても手が止まる。
「こ、これでいい? ……ッ……や、あうっ――…!」
 だめだ、という返事の代わりに、すさまじい勢いで蜜口を吸われて、朱花は悲鳴じみた声をあげて、背をのけ反らせる。なにかがもれ出ていく感覚が、たまらなく恥ずかしい。
「あぅっ……! や、なか、そんな吸っちゃ……、う、んんっ!」
 すすっているのは、絳牙の唇なのか、自分の蜜口なのか、濃厚な接吻のように絡みあう粘膜が立てる音は、もうはんぱではない。ちゅぶちゅぶと、くちゅくちゅと、耳にうるさいほどに響くのは、膣襞からにじみだす淫液なのか、それとも絳牙の唾液なのか。
「あっ……! む、胸、揉むから、吸わないで……は、やぁあんっ……」
 すさまじい羞恥にあおられて、朱花は両手で自分の胸を下からすくいよせるようにして、揉みたてはじめる。絳牙と身体を重ねるようになってから、よりふっくらとまろやかになった感のある両の房の谷間が、深くなったり浅くなったりするさまが、すっかり鏡に映っている。
 揺するごとに自然と襟元は乱れてきて、窮屈な重ね着のなかに押しこまれているのに飽いた乳房が、つんと凝って卑猥な形に立ちあがった先端までもいっしょに、ふるんと弾けでる。
 直に触れる夜気に、さらに身を堅くしたそれが、もっと気持ちいいことを望んでいるようで、朱花は知らず知らずに乳首にまで指を這わせていた。
 ――ああ……こんな感触だったんだ……。
 こりこり、と転がすと、むずがゆいような感覚が広がっていく。
「う……ふうぅっ……。ああ、こ、こんなのぉ……」
 自分でこんなことをするなんてと思いつつ、指は止まらない。ぎゅっと左右から谷間を寄せるようにして揉みながら、親指の腹でいっぺんに両方の乳首を押し潰す。
「ああ……いいながめだ。おまえも、ちゃんと自分の姿を見ておけよ」
 慣れない行為に夢中になって、忘れかけていたのに、絳牙の言葉に誘われて、ついつい正面の鏡に目が向いてしまった。やはりこんなときに好奇心を発揮するものじゃないと、朱花はそこに映るあられもない姿を見て、全身を羞恥に戦慄かせた。
 なんという痴態だろう。みっともないほど開いた両脚のあいだに男の頭を埋めて、まろやかな両の乳房までも剥きだしにして、自ら揺さぶってはよがっている。
 それは、誰が見ても、楽しんでやっているとしか思えない図だ。
「は、あっ……やだっ、あんなの、わたしじゃないっ……あっ、あっ……」
 違う違う、と言いながら、弄る手は止まらない。下肢から濡れた音が響くたびに、さらなる刺激が欲しくて、感じやすい先端を摘むどころか、引っぱったり、抓ったりしてしまう。
「いいぞ。もっと喘げ。すごくきれいだ」
 熱い吐息で、濡れた茂りを揺らされて、それだけでじんわり感じてしまう。
「う、嘘……、こんなの、ちっともきれいじゃない……あ、あんっ!」
「おれは好きだ。そうでなくてもかわいいが、感じているときの表情が、すさまじく色っぽくてぞくぞくする」