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皇太子のフィアンセ
~愛欲の檻に囚われて~
京極れな イラスト/周防佑未

キーワード: 西洋 監禁

親が決めた、皇太子との婚約を受け入れていた公爵令嬢エリーゼ。だが遠征から戻った皇太子の弟、オスヴァルトは「おまえを兄上から奪ってやる」と言い、情熱的にエリーゼに言い寄り…!? 発売日:2014年4月3日 


「あなたのことなら大きらいよ、オスヴァルト殿下!」
その感情ならもうとっくに認めている。二年前、強引に唇を奪われたあのときから。
「おまえのその大きらいは大好きって意味だろうが。まだ気づかないのか」
 オスヴァルトはふっと笑った。むきになっているエリーゼを愛おしんでいるような目だった。
 エリーゼはますます頬が紅潮するのを感じた。
「勘違いもはなはだしいわ。それだけ曲解できる才能があればさぞかし毎日が楽しいでしょうね」
「おかげさまで上々の人生だ。あとはおまえが俺の子を孕んでくれれば完璧だな」
 エリーゼは耳を疑った。
「いまなんて?」
「俺の子を孕め、エリーゼ」
 オスヴァルトが、しっかりと目線をあわせ、冗談とは思えないほどに情熱的な声でくりかえす。
「恐ろしいこと言わないで!」
 結婚前に身籠るなんてありえない。しかもオスヴァルトの子を!
 しかしオスヴァルトは紐をゆるめたコルセットの中におもむろに右手をつっこんで、乳房のふくらみをまさぐりだす。
エリーゼは思わず息をのんだ。男の人にじかに胸にふれられるなんて信じられない。
「さ、さわらないで……」
素肌に、大きくて力強いオスヴァルトの手のひらの熱を感じて、エリーゼの鼓動は彼の言うとおり早鐘のようになる。
「こんな白くてやわらかな美乳はさわらずにいられないな」
彼は抗うエリーゼを無視して荒々しくコルセットをずり下げ、つかんだかたちのよい乳房を下から上にむかってゆっくりと揉みたててくる。
手のひらから伝わる熱が、悩ましげな動きとあいまって、いやおうなしにエリーゼの官能をゆさぶる。弧を描いて押しまわすような思わせぶりな愛撫には妙な気分になってしまう。
「や……」
 だれかにさわられるのははじめてのことなのに、エリーゼは感じてしまう自分に動揺して身をこわばらせる。
 けれど、そうして緊張しているのは、はじめのうちだけだった。
 漫然とふくらみを揉みしだいていた彼の指が尖端を局部的にくすぐりだすと、いままで経験したことのない快感がこみあげ、そこが徐々に硬くなっていた。
「ん……ぁ……」
 指の腹でころがされれば、じわりと痺れるような感覚とともにますますそこがしこってゆく。
「かわいらしく勃ってきたな」
 薄闇で、オスヴァルトがにやりと笑うのがわかった。
「舐めさせろ。舌を遣って楽しみたい」
オスヴァルトは、エリーゼの腰を支えていたもう一方の手を背中にすべらせて彼女を抱きあげると、そのままそばにあった花台の上に座らせた。彼の腰丈ほどの、比較的高さのあるオーク材の花台だ。後ろ手にさせられているから、まるで彼に愛撫されるために乳房を突きだしているかのような状態になる。
 拒むまもなく、彼が尖端に精悍な美貌をよせて吸いついてきた。
「あっ」
オスヴァルトは、ちゅっと卑猥な音をたててひと吸いすると、舌をのばして乳首を弾き、唇も遣ってやんわりとしごきはじめる。
「や……、あ……、やめて」
エリーゼはくすぐったさと羞恥にかられて肩をゆする。手が縛られていて使えないのがもどかしくてしょうがない。
「じっとして、素直に俺を感じてみろ」
 オスヴァルトはあやすような声音で命じると、五指でもってふくらみを揉みたてながら、くりかえし淫らな舌遣いで尖端を舐めたおす。
「あ、あ……、ん、はぁ、んっ……」
 熱い舌が頂を這いまわるたびに、甘い痺れが走って、エリーゼは感じまいとしてこらえていた甘い溜め息をつい洩らしてしまう。緊張にこわばっていたからだは、乳房を弄られる快感によってすっかりとほどけていた。
「や……も……、舐め……ないで……」
 下肢の奥にまでじわじわと響くものがあって、彼女は何度も身じろぎする。淫靡な舌の動きにつられてぴくぴくと肩をふるわせてしまう。
「気持ちよさそうだな、エリーゼ。下もいってみるか?」
 オスヴァルトは返事をまたずに、ドレスとペチコートをばさりと大胆に捲りあげて下肢をあらわにしてしまう。
「あ」
薄闇のなか、レースの縁取りの可憐なシルクのドロワーズと、エリーゼの白い太腿の輪郭があらわになった。
「いや」
 エリーゼは羞恥にかられて、あわてて花台からおりようとするけれど、彼に腰をおさえられてしまってかなわない。
「もっと気持ちよくしてやるから動くんじゃない」
 オスヴァルトは、抗う彼女を封じ込めるかのように、強引に唇をふさぐ。
「んうぅ……」
 噛みつくような、息さえも奪う激しい口づけだ。ぬるりと舌をさぐられ、その先をとらえて甘く吸いたてられる。唾液と呼気が互いの熱の中でまざりあって、いやらしくひとつに蕩けているのがわかる。
「は……ふ……っ……」
エリーゼは欲情した男の気配に?まれて抗えなくなり、そのままどんどん流されてしまう。
オスヴァルトは角度を入れかえて口づけをくりかえしながら、ドレスとかさのあるペチコートをよけて、彼女の内腿をおもむろにまさぐりだした。
「ん……」
いつのまにか敏感になった素肌が、ただからだの線をなぞられるだけなのにビクビクと反応してしまう。
けれどオスヴァルトの手が下肢の付け根に到達すると、エリーゼはさすがに得体の知れない不安にかられた。
「やめて」
強い抵抗を感じて脚をとじようとすると、
「大丈夫だ。少しだけさわらせろ」
 あらかじめ釘をさしておいて、ドロワーズ越しに敏感なところにそっとふれてくる。
「あ……」
あらたな刺激にびくりと腰がはねる。そこはさきほどから熱をもって疼いているところだ。
「ここはどうだ」
 中指の腹で布越しに秘裂のかたちをなぞるように動かされると、下肢が焦れて蕩けるような感覚が生まれた。
「ん………」
「こんなことをされるのははじめてだろう。感じるか……?」
オスヴァルトはもちろん、感じるのをわかっていてやっているのだ。
ドロワーズ越しに彼の指が行き来するたびに、エリーゼの内腿は敏感に反応してふるふるとふるえる。内奥はじりじりと熱くなって、しだいに意志とは無関係になにかが溢れそうな感覚がせりあがってくる。
「あ、こ、こんなところ……さわってたら……」
 エリーゼは自分のからだがどうにかなってしまう不安にかられ、はぁはぁと乱れた息をしながら彼を咎める。
「こんなところさわっていたら、ここに俺がほしくなってしまうな」
 オスヴァルトは、やにわにドロワーズの中に手をさしいれてくる。
「や、やめて……、手、入れないで」
 彼の指が、やわらかな下生えを愛でるようになぞったかと思うと、抵抗するまもなく、秘裂までおりてきた。
「あんっ」
 そこは潤みをたたえていて、ぬるりとした感覚とともに、強い快感が走った。
「ああ、もう濡らしていたのか。つんけんしているわりにここは従順でいいな」
 オスヴァルトが、ふっと笑いながら指先で陰唇のあわいをゆっくりとくすぐる。
 ここちよい感覚がひろがり、蜜口から溢れていた愛液が、彼の指先をねっとりと濡らす。
「どう……して……」
 こみあげる快感に翻弄されながら、エリーゼは秘所に起きている現象に戸惑う。
「俺をほしがってる証だろうが。ほら、このいやらしくふくらんだところをさわられると最高に気持ちいいだろう?」
 オスヴァルトは、熱をもって疼いている花芯のほうにするりと濡れた指をすべらせた。
「んぁっ」
 そこはいつのまにか硬くたちあがっていて、指先のわずかな刺激に敏感に反応した。
「はぁ、んぁ……」
 花芯を指の腹で押さえるようにくりくりと捏ねまわされれば、痛いほどの快感がびりびりと走る。
「ん……っ、はぁ……はぁ……、あ……、あぁんっ……」
 エリーゼは気持ちのよい指遣いに翻弄されて、熱く甘い息を吐きだす。薄闇に閉ざされた部屋のなかで、ふたりのあいだの密度がどんどん濃く官能的なものに変わってゆく。