TOP>文庫一覧>復讐の花園皇妃は凌辱の夜に喘ぐ
復讐の花園
皇妃は凌辱の夜に喘ぐ
木ノ咲もか イラスト/椎名咲月

キーワード: 中華 媚薬

銀麗(ぎんれい)は晟国の公主だ。しかし、母の身分が低いため、後宮のかたすみで熱心に勉学に励む毎日。仲良しの異母姉の病気を治したいのだ。ある日、豺牙(さいが)が率いる軍に攻めこまれ、国が滅びる。銀麗は豺牙を憎むが、実は豺牙にも、銀麗を憎むある理由があるのだ…。銀麗は夜伽を命じられ、強い媚薬を飲まされる。力ずくで純潔を奪われようとする銀麗だが、苦痛だけではない感覚を覚えはじめて…? 発売日:2015年1月30日 


(……熱い……)
 肌を焼かれるような熱を感じ、銀麗は重い瞼を上げた。艶めかしい深紅の宮灯がぼんやりと視界を照らしている。身じろぎしようとしたら、縛られていることに気づいた。
 両腕を後ろに回され、手首を固定されている。肩ごと縄で縛られていて身動きできない。
 裸だった。太い縄が乳房の上部と下部を通る形で巻きつけられている。汗で湿った大きなふくらみが滑稽なほど前に突き出し、淡い桃色の先端がぷっくりと膨らんでいた。
(……なんで、こんな恰好……)
 身体が宙に浮いている。縄が頭上の梁に括りつけられ、銀麗を吊るしているからだ。
なおひどいことに、両脚を開かれている。太腿の膝に近い部分に巻きつけられた縄が同じく梁に括りつけられており、秘部(ひぶ)を見せつけるように銀麗の下半身を吊り上げていた。
「お目覚めかな、皇妃様」
 低い男の声が降る。聞き覚えのある声音に、銀麗はぱっと顔を上げた。
 ぼやけた瞳に男が映った。武人らしい広い肩に勇ましい黒龍が縫い取られた上衣を羽織り、長い髪を頭頂で一つに括っている精悍な青年。
(張豺牙……!)
 憎らしいほど整った容貌には、嘲りの笑みが刻まれていた。
「ああ、もと皇妃様だったな。今はただの官婢だ」
「……今頃になってわたくしを辱めようというわけ!? この下種が……はっ」
「口のきき方に気をつけろ」
 乱暴に首を掴まれた。豺牙の手は銀麗の首を易々とへし折れるくらい大きい。
「官婢が皇帝の逆鱗に触れればどうなるか分かるな?」
 言い返そうとしたが、かろうじて怒声をのみこんだ。
(殺すのはおまえじゃないわ。わたくしよ)
 暴言を吐くのを我慢して、憎悪をこめた視線で豺牙に噛みつく。
「……お許しください、主上」
「殊勝な物言いが似合わない女だ」
 豺牙は銀麗の首から荒っぽく手を離す。
「辱めに怯えているのなら杞憂だぞ。おまえには辱められて落ちるほどの値打ちがない」
「……だったら、なぜわたくしに酔濫愛を……っ、んぁ……」
 いきなり秘処(ひしょ)を触られてびくっとした。薄い茂みに覆われたそこを武骨な指が無遠慮にまさぐる。あられもなく開かれた女の部分は媚薬の作用で潤んでいた。
「さすが妖婦だ。淫らな身体をしている」
 豺牙はぐっしょりと濡れた手を銀麗の鼻先にかざした。ぬらぬらと淫靡な光を帯びた指から蜜(みつ)液(えき)の匂いが漂ってくる。銀麗は豺牙を睨みつけた。
「媚薬のせいよ……はぁ……んあぁっ」
 銀麗の意思を無視して欲情した牝(め)芯(しん)は、男の指を待ちかねていたかのように官能の滴りを吐き出している。秘密の谷間を擦られるたび、内腿が偽りの悦びで痺れた。
「……いやっ……。はっ、入って、こないで……!」
 火照った花弁を弄っていた指が蜜(みつ)口(くち)に侵入してくる。逃げようにも逃げられない。
奇妙な異物感に怯えて反射的にもがくと細腰が左右に揺れた。まるで早く早くと指を急かしているかのようだ。羞恥がこみ上げ、銀麗は頬に朱をのぼらせた。
「や、やめ……っ、ふぁ……あぁん……」
「使いこんでる割には狭いな。これで締め上げたんなら、阿妄帝はすぐに果てただろ」
 指がじわりじわりと媚(び)肉(にく)に埋まっていく。同時に掌で恥(ち)丘(きゅう)を包まれ、揺すられた。硬い皮膚が敏感な花(はな)芽(め)を探り当て、狙いを定めたように押し回す。
「ああっ、ぁんん……はぅ……っ」
「ずいぶん感じてるな。まだ指一本しか挿れていないのに」
「ちが……んっ、ぁ……ああ……感じて、なんか……」
 酔濫愛が苦痛を快楽とすり替えているだけだ。気持ちよくなんかない。
まだ誰も受け入れたことがない未熟な隘路が徐々に開かれていくのを感じる。酔濫愛に支配された身体は愛(あい)蜜(みつ)を滴らせながら、ぬぷぬぷと男の指をのみこんでいった。
「気持ちいいならそう言え。好きなだけ喘がせてやる」
 豺牙が空いた手で太腿の裏を撫でた。感じやすくなっている肌を擦られると、下肢が甘美な感覚に痺れてぴくぴく震える。
「俺の指を食いちぎりそうだな」
 蜜(みつ)路(ろ)に埋めた指をゆっくり抜き差ししながら豺牙が笑う。怒りが込み上げてきたが、ぬちゃぬちゃと響く卑猥な水音が何もかもをうやむやにしてしまう。
「これじゃ物足りないだろう。もっと太いのを挿れてやろうか」
 熱っぽい囁きが耳元をくすぐった。
「いっ……いらない……あっ、あぁ……」
 尖った乳首が豺牙の上衣に触れたとたん、愉悦が頭まで突き抜けた。
 酔濫愛が効きすぎている。今この瞬間も香炉が甘ったるい匂いを吐き出しているのだ。全身が性感帯になってしまったみたいに、ささやかな接触が快感をもたらす。
「指、……抜いて……んっ……んぁ……だめ……」
「生娘のふりなどするな。さんざん男をくわえこんできたんだろうが」
「……わたくしは、男、なんか……ふ、はぁ……あぁんっ」
右の乳房を揉まれ、桃色の先端を指先できゅっと摘ままれる。
「おまえが阿妄帝に胸を揉ませて妃嬪の位を手に入れたことは知ってる。皇后に見つからないように、上の口と下の口であの老いぼれを満足させたこともな」
「……そんな……ああ……ひ……ぁ、してない……」
 濡れそぼった秘裂(ひれつ)が豺牙の指でぬちゅぬちゅと擦りたてられる。
「別に非難してるわけじゃない」
 二本目の指が蜜(みつ)口(くち)に入りこんできた。心地よい圧迫感が不格好に開いた下肢を淫猥に痺れさせるから、銀麗は切れ切れに溜息をもらした。
「おまえは天女のような美貌と男を虜にする見事な身体を持ってる。それを使ってのし上がろうとしたんだろう。腕っ節の強い男が武功をあげて出世するのと同じことだ」
「ああ……なっ、何が、言いたいの……あぁぁっ、んぅ……っ!」
 淫蕩な肉粒(にくつぶ)を親指の腹で転がされる。快感が迸り、銀麗はびくびくと腰を震わせた。
「兄の居場所を吐け」
 乳首を指と指の間に挟まれて、やわやわと白いふくらみを揉まれる。
「……はぁ、はぁ……兄? 誰の……ぁ、ああっ」
「とぼけるな。おまえの兄、呂栄飛だ」
 豺牙は懲らしめるように乳首をきつく摘まみ上げた。不埒な悦びが背骨を駆け巡る。
「やぁっ……あん……だめ……摘ままないで……ぁあっん」
 指先で挟まれた桃色の頂はすっかり硬くなっている。上下の縄で歪に押しつぶされた乳房を揉みしだかれ、乳首を指で弾くように弄られると、ますます息が荒くなった。
「栄飛の潜伏先を吐けば、妃嬪に戻してやる」
 豺牙は二本の指でねっとりと蜜(みつ)襞(ひだ)を解しながら、銀麗の首筋に口づけした。
「官婢暮らしにも疲れただろう? 妃嬪になればあくせく働かなくていいぞ。使用人をつけてやるし、宝飾品も衣装も欲しいだけくれてやる」
 耳朶を甘噛みされた。ささいな刺激で全身が溶けそうになる。
「自分を賢く使え。俺に刃向うより、媚を売るほうがいい思いができるぞ」
「……し、知らないわ……」
 銀麗は首を横に振った。乱れた髪が背中をくすぐる。
「あ……あいつの、ことなんか……」
 蜜の匂いが酔濫愛と混ざってくらくらした。
「……三年前、浪軍を迎え討つために出征したのを、見たのが最後よ……ぁっ」
 花(か)芯(しん)を掌で押し回され、脳髄が痺れるような快感に全身を刺し貫かれた。
「それ以来、連絡を取っていないと?」
淫楽の責苦から逃れたいばかりに、銀麗はこくこくとうなずく。
「とっくに、野垂れ死にしてるんじゃないの……? あっ……やぁっ」
 尖りきった乳首を指先で弾かれ、肩が跳ねた。
「なるほどな。あくまで白を切るつもりか」
「っ……んんぅ……ふあぁっ、はぁ……」
 濡(ぬれ)襞(ひだ)を擦る指の動きが一気に激しくなった。責め立てるような抽挿(ちゅうそう)に翻弄され、細い喉をのけぞらせて甲高く啼く。