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悪戯いたずらなお義兄にい
~公爵の淫靡なメイドごっこ~
立夏さとみ イラスト/綺羅かぼす

キーワード: 西洋 禁断の恋 お仕置き

メイドが産んだ娘・ジェシカを、妹として引き取ったラドモント公爵アリステア。それまで施設で育ったジェシカは、アリステアから淑女になるための教育を受ける。彼の「妹」への愛は、やや行き過ぎているところがあって…!? 発売日:2014年8月1日 


「ふ、あんっ……、やっ……!」
「気持ちよさそうな声。胸を弄られるのが大好きなんだ」
「あ、はぁ……ち、違います……。そんなふしだらなこと……」
「ふしだら? だったら、きみにこんなことをしているわたしは、凶悪犯だ」
 自嘲に笑んだ口から覗いた赤い舌が、ジェシカの乳房の頂のまだやわらかな先端を、ちろりと嘗める。出会ったそのときからやさしい言葉をくれていた唇が、いまはどこか意地悪そうに口角をあげて、ねっとりと濡れる舌先で じょじょに堅くなっていく粒を転がしている。
 唇で食んだり、音を立てて吸ったり、淫蕩な愛撫をほどこされて、一気に膨らんでいく乳首から、何ともわからぬ火照りが、肌を嘗めながら広がっていく。
「ひ、んあっ……!? い、いけません、アリステア様ぁ……」
 訴えとは裏腹に、胸が汗ばんでいくにつれて身体の強張りもほどけて、下腹部の奥に溜まっていた熱といっしょに、淫らな蜜がじわりと割れ目から滲みだしたような気がした。
 濡れる……その理由を教わったのは、つい最近のことなのに。
 すでに彼女の蜜壺は、甘やかに香りたつ淫液を惜しげもなく溢れさせている――つまりは、そこが男を受け入れることを欲しているのだ。
「あ、ああ……!?」
 そのことを自覚したジェシカの口から漏れたのは、失望の吐息か、期待の喘ぎか。
「ふふ、ドロワーズの中、もう濡れてるんだろう?」
 違うとは言えず、黙しているしかないジェシカの態度は、肯定以外のなにものでなく、いい口実ができたとばかりに、力強い手がドロワーズを引きずりおろしていく。
「では、見せてごらん。使用人(サーヴァント)の真偽を確かめるのは、主人の役目」
「あっ!? や、やめてっ……! そ、それだけはっ……!」
 必死に腰を捩って抵抗するが、それは、かえって男を誘っているような仕草に見えてしまい、アリステアの手に容赦のない力がこもる。
 局部にぬるい夜気が触れてきて、そこがアリステアの瞳にさらされたことがわかる。いまやドロワーズは足首に絡みついて、ジェシカの動きを阻んでいる。
「そらみろ。もう糸を引いてるじゃないか」
 粘性の高い体液が両膝を割られたときに、左右の内腿を銀糸で繋いで、ぷつりと切れた。
 同時に、ジェシカはがくりと脱力し、最後の抵抗を手放したのだ。
 凝った尖りで飾られたふたつの胸の膨らみも、淡い下生えに覆われた恥丘の奥の女の秘所も、もう隠す術さえないない。
肌はひどく敏感になって、何かの反動でアリステアの金髪や吐息が落ちてくるだけで、甘怠い痺れに身悶えるのだ。皮膚の表面はむろんのこと、身のうちにもまた淫らな熱がわだかまり、出口を求めて渦巻いては、ジェシカの心までも千々に乱していく。
 そんなジェシカの懊悩を知ってか知らずか、アリステアは平然と告げる。
「主人がメイドに手を出すなんて、ありきたりすぎておもしろみはないが、処女というあたりは楽しそうだ。ああ、けど、こんなにとろとろになっているからには、それも怪しいか」
「そんな……、わたしは絶対に、不貞など……」
 すでに、処女の証明はなされたはずなのに。
 口づけすら、アリステアと交わしたのが、初めてなのに。
 十歳までは母親の不遇を見て育ち、この三年間はクラーク牧師の説教を聞いてすごした。
 清らかな心で守るべきものを守って生きていれば、きっとそこに救いは訪れると──そう信じてきたジェシカである。
 対照的に、言葉には常に偽りが潜んでいるとアリステアが思っているなら、自分の真実を伝えるには、身体に聞いてもらうしか、もう方法がない。
 なのに、過敏すぎる反応は処女のそれではないと疑われたことが、ひどく哀しい。