新妻の、けなげにして淫らな献身
あまおう紅 イラスト/駒田ハチ
男爵令嬢プリムローズは、七つ年上の幼なじみ・ジュリアンに恋をしている。彼は伯爵家の三男で、いくつも特許を持つ気鋭の発明家だ。しかし、プリムローズの父が侯爵家からの縁談を勝手に受けてしまう。縁談を拒むプリムローズはジュリアンと駆け落ちし、一旦、彼の祖母の城へ落ち着いた。ジュリアンは王妃の後ろ盾を得るべく、欲求不満な彼女のために淫具を開発し、売り込もうと画策する。淫具の試用に協力することになったプリムローズは…? 配信日:2017年11月24日
あまおう
男爵令嬢プリムローズは、七つ年上の幼なじみ・ジュリアンに恋をしている。彼は伯爵家の三男で、いくつも特許を持つ気鋭の発明家だ。しかし、プリムローズの父が侯爵家からの縁談を勝手に受けてしまう。縁談を拒むプリムローズはジュリアンと駆け落ちし、一旦、彼の祖母の城へ落ち着いた。ジュリアンは王妃の後ろ盾を得るべく、欲求不満な彼女のために淫具を開発し、売り込もうと画策する。淫具の試用に協力することになったプリムローズは…? 配信日:2017年11月24日
ジュリアンは、書斎に連れ込んだプリムローズを執務机の上に座らせた。
大きな窓の前にある、オーク材の重厚な机である。脚は椅子の座面に下ろすよう言われる。
「なんだか……行儀が悪いわ……」
地球儀や、羽根ペンやインク壺、封蝋を収める木製のケースなど、仕事に必要な道具が整然と置かれている周囲を見まわして、居心地の悪い気分で言うと、ジュリアンは軽い口調で応じた。
「主の僕がそうさせているんだから、気にしないで」
そして新たに置いたビロウド張りのケースの中から、何かを取り出す。
「まだ試作品の段階で、これから改良を加えていくつもりなんだけど……」
彼が手にしているのは陶器の燭台のような器具だった。
燭台とちがうのは、上の部分が蝋燭をはめ込む形になっておらず、逆につるりと丸みを帯びた凸型をしていることだ。
持ち手と思しき部分からはコードが長くのび、電源へとつながっている。
しげしげと眺めていると、彼はコードの途中にあるスイッチをたぐり寄せた。
「よく見てて」
スイッチを入れると、丸みを帯びた先端がヴィィン……っと細かくふるえ出す。
「まぁ……」
――――としか言いようがない。
プリムローズは、これまで漠然と考えていた事実を、今になってきちんと察した。
試作品を試す手伝いとは、彼が作った淫らな道具を使って『性的に満足』することなのだ。
(それってつまり――)
想像したとたん、カァ……ッと頬が熱くなる。
「ジュリアン。それ……その、わたしも……?」
「使ってみてくれるね? そしてどんな具合か聞かせてほしい。自分でできることなら自分でやるけど……、さすがにこればかりはね」
「使うって……」
プリムローズは困惑しきりに口を開いた。
「どうやって?」
素朴な疑問に、ジュリアンがフッと笑う。
そしてつるりとした陶器の先端に指先でふれた。
「ここを、君のでぬらすことができたら、まずは成功だ」
「ぬらすって……」
「まぁ、まずは試してみようよ」
言うや、彼は妻のデイドレスに手をかけ、手早く胸元のリボンを外しにかかる。
「ジュリアン……っ」
リボンで押さえられていた襟ぐりを開かれ、ぐっと大きく広げられてしまうと、形よく丸いふくらみがこぼれ出た。
真っ昼間の書斎で胸を露わにされ、プリムローズは真っ赤になる。
瑞々しく盛り上がるふくらみを、手のひらで大切そうに包み込んだジュリアンは、早速、まだ平らかなままの先端を親指でうにうにと刺激し始める。
「……ぁ、……」
たちまちつんと尖ってきたそこへ、ごく自然に口づけかけ――、そこでハッとしたように顔を離した。
「いやちがった。……そうじゃなかった」
自分を叱咤するように頭をふる。
「実験。……これは実験だ」
ぶつぶつとつぶやき、彼は手に取った陶器の器具のスイッチを入れる。
ヴィィン……っとふるえ出したそれを見つめて、プリムローズは、まさか……という思いに小さく首をふった。
「……ジュリアン…………」
「これ、どんな心地か教えてくれる?」
秘密めいたささやきの後、彼はヴィィン……っとふるえる器具の先端を、硬くそそり立つふくらみの粒に押し当ててくる。
「や……っ」
無機質な陶器の微細動は、初めのうちはただ、何やらムズムズとした奇妙な心地だった。
器具の感触よりも、興味津々の夫にそんな姿を見つめられていることへの羞恥が募る。
しかし羞恥は五感を研ぎ澄ませていくものだ。
しばらくすると、芯まで響くジリジリとした振動に柔肉が熱を持ち始め、その頂でつんと頭をもたげる粒も、少しずつ硬くなっていった。
「……ぁ、……っ……ん――」
ぷっくりと凝った粒は、淫具の振動をさらに鋭敏に感じ取る。
ジンジンと痺れるような愉悦が、プリムローズの官能に小さな火をつける。すると後はあっという間だった。
「……なんだか……むずむずする……っ」
「悦くなってきた?」
「し、しびれちゃう……っ」
ヴィィィン……という振動は、乳首を悩ましく疼かせ、ふくらみ全体に快美な心地を染み渡らせていく。
羞恥に粟立つ肌は張り詰め、薄紅色に染まっていった。
「……ゃ、……もうやめて……」
「どうして?」
「……さっきより、……くすぐったい……っ」
「だんだん、くすぐったいのが我慢できなくなってきた?」
「んっ……そう、……くすぐったい――もう、……ん、……ぁ、……ぁっ……」
胸をよじって逃げようとするものの、ジュリアンはそれを許さない。
淫具を押し当てられた胸の先端は、いつの間にか茱萸の実のように真っ赤に色づいて勃ち上がっていた。
充血して硬く尖り、ひどくなまめかしい。
と、プリムローズはふいに情けない声を上げる。
「ひぁん……!」
陶器の振動ですっかり痺れてしまったそこに、ジュリアンが吸いついてきたのだ。
熱い口内にふくまれ、ぬるつく舌で舐められると、それまでと比べようもない、ぞくぞくとした愉悦がうなじを這いまわる。
「じゅ、ジュリアン……っ」
たまらず呼びかけたものの、夫は硬くなったそこを舌の上で飽きずに転がすばかり。
あげく、ちゅぅぅっと強く吸い上げる。
「は、ぁ、ぁァン……!」
背筋がぶわりと粟立ち、こみ上げる淫悦が身の内を駆け抜ける。
プリムローズは思わず、頤をあげて身ぶるいをした。
ハッとした様子のジュリアンが、我に返ったように顔を上げる。
「……ごめん。あまりにも美味しそうだったから、つい……」
自分でも頭を振りながら、彼は名残惜しげにぷっくりと勃つ乳首から身を離した。
そして気を取り直すように、淫具をドレスの上からお臍に当ててくる。
「ここは?」
「ひゃっ……」
新たな刺激にびくりと身をすくませた――ものの……
「く、くすぐったい……けど、気持ちいいのとは……ちがうわ……」
「じゃあ……ここは?」
ジュリアン、ヴィィィ……ンと微細にふるえる陶器製の淫具を、少しずつ内股に移動させてくる。
「ぁっ、そこは……っ」
それは、くすぐったいというよりも気持ちがよかった。
じっとしてられなくて、もじもじしてしまう。
そんなプリムローズを見つめ、彼が訳知り顔で言う。
「ここ、君の弱いところだよ」
「……ふっ、……」
「ここを舐められると、いつもへなへなになってしまうものね」
「……いわない、で……っ」
内股はプリムローズにとって、なでられるだけでぞくぞくと震えが走り、力が抜けてしまう恥ずかしい弱点だった。
そこを無機質に震える器具で責められると、乳首と同じくらい感じてしまう。――むずむずとした疼きが、下腹の奥を刺激してくる。
プリムローズは何とか隠そうとしたが、無駄だった。
「腰がもぞもぞしてるね」
見透かすように言われ、顔がカァ……っと熱くなる。
「もうそれどけて……」
「まだまだ。大事なところが残ってるもの」
無情に言うや、彼は何と、内股をするりとすべらせて、淫具の先端を秘処にそっと押し当ててくる。
「ひぁっ……!」
思わず膝が跳ね上がった。
大きな窓の前にある、オーク材の重厚な机である。脚は椅子の座面に下ろすよう言われる。
「なんだか……行儀が悪いわ……」
地球儀や、羽根ペンやインク壺、封蝋を収める木製のケースなど、仕事に必要な道具が整然と置かれている周囲を見まわして、居心地の悪い気分で言うと、ジュリアンは軽い口調で応じた。
「主の僕がそうさせているんだから、気にしないで」
そして新たに置いたビロウド張りのケースの中から、何かを取り出す。
「まだ試作品の段階で、これから改良を加えていくつもりなんだけど……」
彼が手にしているのは陶器の燭台のような器具だった。
燭台とちがうのは、上の部分が蝋燭をはめ込む形になっておらず、逆につるりと丸みを帯びた凸型をしていることだ。
持ち手と思しき部分からはコードが長くのび、電源へとつながっている。
しげしげと眺めていると、彼はコードの途中にあるスイッチをたぐり寄せた。
「よく見てて」
スイッチを入れると、丸みを帯びた先端がヴィィン……っと細かくふるえ出す。
「まぁ……」
――――としか言いようがない。
プリムローズは、これまで漠然と考えていた事実を、今になってきちんと察した。
試作品を試す手伝いとは、彼が作った淫らな道具を使って『性的に満足』することなのだ。
(それってつまり――)
想像したとたん、カァ……ッと頬が熱くなる。
「ジュリアン。それ……その、わたしも……?」
「使ってみてくれるね? そしてどんな具合か聞かせてほしい。自分でできることなら自分でやるけど……、さすがにこればかりはね」
「使うって……」
プリムローズは困惑しきりに口を開いた。
「どうやって?」
素朴な疑問に、ジュリアンがフッと笑う。
そしてつるりとした陶器の先端に指先でふれた。
「ここを、君のでぬらすことができたら、まずは成功だ」
「ぬらすって……」
「まぁ、まずは試してみようよ」
言うや、彼は妻のデイドレスに手をかけ、手早く胸元のリボンを外しにかかる。
「ジュリアン……っ」
リボンで押さえられていた襟ぐりを開かれ、ぐっと大きく広げられてしまうと、形よく丸いふくらみがこぼれ出た。
真っ昼間の書斎で胸を露わにされ、プリムローズは真っ赤になる。
瑞々しく盛り上がるふくらみを、手のひらで大切そうに包み込んだジュリアンは、早速、まだ平らかなままの先端を親指でうにうにと刺激し始める。
「……ぁ、……」
たちまちつんと尖ってきたそこへ、ごく自然に口づけかけ――、そこでハッとしたように顔を離した。
「いやちがった。……そうじゃなかった」
自分を叱咤するように頭をふる。
「実験。……これは実験だ」
ぶつぶつとつぶやき、彼は手に取った陶器の器具のスイッチを入れる。
ヴィィン……っとふるえ出したそれを見つめて、プリムローズは、まさか……という思いに小さく首をふった。
「……ジュリアン…………」
「これ、どんな心地か教えてくれる?」
秘密めいたささやきの後、彼はヴィィン……っとふるえる器具の先端を、硬くそそり立つふくらみの粒に押し当ててくる。
「や……っ」
無機質な陶器の微細動は、初めのうちはただ、何やらムズムズとした奇妙な心地だった。
器具の感触よりも、興味津々の夫にそんな姿を見つめられていることへの羞恥が募る。
しかし羞恥は五感を研ぎ澄ませていくものだ。
しばらくすると、芯まで響くジリジリとした振動に柔肉が熱を持ち始め、その頂でつんと頭をもたげる粒も、少しずつ硬くなっていった。
「……ぁ、……っ……ん――」
ぷっくりと凝った粒は、淫具の振動をさらに鋭敏に感じ取る。
ジンジンと痺れるような愉悦が、プリムローズの官能に小さな火をつける。すると後はあっという間だった。
「……なんだか……むずむずする……っ」
「悦くなってきた?」
「し、しびれちゃう……っ」
ヴィィィン……という振動は、乳首を悩ましく疼かせ、ふくらみ全体に快美な心地を染み渡らせていく。
羞恥に粟立つ肌は張り詰め、薄紅色に染まっていった。
「……ゃ、……もうやめて……」
「どうして?」
「……さっきより、……くすぐったい……っ」
「だんだん、くすぐったいのが我慢できなくなってきた?」
「んっ……そう、……くすぐったい――もう、……ん、……ぁ、……ぁっ……」
胸をよじって逃げようとするものの、ジュリアンはそれを許さない。
淫具を押し当てられた胸の先端は、いつの間にか茱萸の実のように真っ赤に色づいて勃ち上がっていた。
充血して硬く尖り、ひどくなまめかしい。
と、プリムローズはふいに情けない声を上げる。
「ひぁん……!」
陶器の振動ですっかり痺れてしまったそこに、ジュリアンが吸いついてきたのだ。
熱い口内にふくまれ、ぬるつく舌で舐められると、それまでと比べようもない、ぞくぞくとした愉悦がうなじを這いまわる。
「じゅ、ジュリアン……っ」
たまらず呼びかけたものの、夫は硬くなったそこを舌の上で飽きずに転がすばかり。
あげく、ちゅぅぅっと強く吸い上げる。
「は、ぁ、ぁァン……!」
背筋がぶわりと粟立ち、こみ上げる淫悦が身の内を駆け抜ける。
プリムローズは思わず、頤をあげて身ぶるいをした。
ハッとした様子のジュリアンが、我に返ったように顔を上げる。
「……ごめん。あまりにも美味しそうだったから、つい……」
自分でも頭を振りながら、彼は名残惜しげにぷっくりと勃つ乳首から身を離した。
そして気を取り直すように、淫具をドレスの上からお臍に当ててくる。
「ここは?」
「ひゃっ……」
新たな刺激にびくりと身をすくませた――ものの……
「く、くすぐったい……けど、気持ちいいのとは……ちがうわ……」
「じゃあ……ここは?」
ジュリアン、ヴィィィ……ンと微細にふるえる陶器製の淫具を、少しずつ内股に移動させてくる。
「ぁっ、そこは……っ」
それは、くすぐったいというよりも気持ちがよかった。
じっとしてられなくて、もじもじしてしまう。
そんなプリムローズを見つめ、彼が訳知り顔で言う。
「ここ、君の弱いところだよ」
「……ふっ、……」
「ここを舐められると、いつもへなへなになってしまうものね」
「……いわない、で……っ」
内股はプリムローズにとって、なでられるだけでぞくぞくと震えが走り、力が抜けてしまう恥ずかしい弱点だった。
そこを無機質に震える器具で責められると、乳首と同じくらい感じてしまう。――むずむずとした疼きが、下腹の奥を刺激してくる。
プリムローズは何とか隠そうとしたが、無駄だった。
「腰がもぞもぞしてるね」
見透かすように言われ、顔がカァ……っと熱くなる。
「もうそれどけて……」
「まだまだ。大事なところが残ってるもの」
無情に言うや、彼は何と、内股をするりとすべらせて、淫具の先端を秘処にそっと押し当ててくる。
「ひぁっ……!」
思わず膝が跳ね上がった。