TOP>文庫一覧>没落令嬢の子作り婚~夜着は緋色の首飾り~
没落令嬢の子作り婚
~夜着は緋色の首飾り~
京極れな イラスト/芦原モカ

キーワード: 西洋 初恋 淫具 緊縛

【挿絵全点フルカラー】貴族とは名ばかりの貧乏子爵家の娘アネットは、舞踏会のドレスも作れず困っていた。そこへ匿名の人物からドレスが届く。贈り主は、初対面のはずの若手実業家クラウス。その場でプロポーズされたアネットは戸惑う。クラウスの正体とは? そして、すぐにでも子供がほしいというクラウスは「婚前交渉」推進派で…!? 初恋シンデレラロマンス! 配信日:2018年1月26日 


「たしかめてみようか」
 問いながら、クラウスが指先をドロワーズの隙間に忍ばせてくる。
「い……いやよ……」
 アネットは脚を閉ざそうと、内腿に力を入れた。
 しかし、クラウスの手があるから閉じきれない。彼はそのまま指先で、じかに秘所にふれてきた。
「ンっ……」
 敏感な花芽から蜜口までを一気になぞられ、アネットはびくりと腰を撥ねさせた。
「ほら、もうたっぷり濡れてる……準備が整っている証拠だ」
 彼の指の腹が、まるで蜜を塗ったかのようにぬるぬると滑っていた。
「いつからこんなに濡らしてたんだ? キスで感じた? それとも、乳房を弄られたときから?」
 くりかえし、柔襞のあいだを縦になぞられる。
「ん……ぁ……」
 蜜を掬うような動きに、内腿が震える。指先に、花芽を下から何度も刺激されて――、
「答えられないほどに気持ちいい?」
 クラウスはしたり顔でそこを擦り、小刻みに振動を与えてくる。
「ち、ちが……、あ、あっ、あぁっ……」
 花芽は何度も揺さぶられ、快感を募らせて固く張りつめる。
「そうか、ここを弄られるのがいいのか。あなたがこんなに敏感で淫らな身体をしているとは知らなかったな」
 尖りきった花芽をぐりぐりと押しまわされ、アネットはただ快感に喘ぐしかなくなる。
「はあぁ、あぁっ、ン、あん、ああ……っ」
 理性を奪う、痺れるような快感にうち震える。指戯がもたらす愉悦に、すっかりととりこになってしまった。
「あ……」
 ふと、花芽を愛撫していた彼の指が、陰唇をなぞって蜜口にまで下りた。
 そこは、さきほどから熱をもって疼いていたところだ。
「俺の指……、挿れてみようか?」
 クラウスがじっとこちらを見ながら誘ってくる。
 快感に溺れそうになっていたアネットは、はたと我に返る。
「ゆ、指を……?」
「もっと気持ちよくなれるよ?」
 言いながら、クラウスが指先を沈めてくる。
 暗がりで見る、欲情をたたえた彼の瞳は、濡れた艶を放って恐ろしいほどに美しい。
「ン……」
 軽い異物感と圧迫を伴って、指が入ってきた。
 はじめのうちは痛みが気になっていたが、指先が柔襞になじむと、じきに快感が戻ってきた。
「あ、そんな……動かしちゃ……」
「馬車が揺れるから仕方ないな。嫌か?」
「い、嫌よ……」
「そのわりに、あなたのここは嬉しそうに俺の指を咥えこんでるが」
「咥えこむ、だなんて……」
 そんな卑猥な言葉にも、妙な昂りを覚えてしまう。
「ほら、どんどん濡れてくる。意地を張っても、いやらしいあなたの身体はこうやって感じて反応してしまうんだな」
 クラウスは、勢いをつけて大胆に抜き差しをはじめる。
「あ、あっ、あぁっ、ああっ」
 車輪の音が、急かすように耳に響いてくる。
「俺の指が、気持ちいい?」
「よ……、よくなんか、ないわ……」
 アネットはかぶりをふって否定する。
「本当は気持ちいいんだろう。意地っ張りのあなたは、昔からそうやって反対のことばかり」
「あ、や……、もう……やめて……」
 アネットははぁはぁと喘ぎながら、クラウスの淫らな指遣いに耐える。
「まだまだこれからだよ?」
「だって……もう、だめ……なの……、おかしく、なりそうなの……」
 内腿と内奥が甘く痺れたように震えて、なにかが溢れてきそうだ。
「なればいい。……たくさん乱れて、あなたの欲望を暴いてあげるよ」
 彼は指の付け根で押しあげるようにして花芯を刺激しながら、同時に抜き差しをくりかえす。
「あ……ぁ……、だめ……、それ……だめ……」
 淫らすぎる指遣いに、アネットの性感は翻弄されっぱなしだ。
「だめなのか? でも身体は反応してるよ。もっとして欲しいって」
「そんなことな……ぁっ……」
「ほら、こんなに濡らして……、そろそろ指を増やしてほしくなってきたんじゃないか?」
 言いながら、クラウスが別の指で蜜口をまさぐりだす。
「や……」
 刺激がより大きくなって、アネットは下肢をこわばらせた。新たな快感にひきずられて、下腹部に勝手に力が入ってしまう。
「ああ、たくさん濡れてるから、勝手に入っていってしまうな……」
 もう一本の指先が、濡れた柔襞にめり込んでくる。
「……ンぁ……」
 圧迫が増して、蜜口に甘い痛みが走る。
「ほら、あなたの中に呑み込まれるようにして……、二本も入った……」
 クラウスが、ぬぷりと指の付け根までを沈めてから告げる。
 蜜口には、痛みと快感が混ざり合った奇妙な感覚がある。
 彼がそのまま、指先だけをゆるやかに動かしだした。
「あ、あぁっ……はぁ……ンっ……」
 媚壁を大きくこすられて、ぬるい快感が下腹部の奥深くに押し寄せる。
「二本のほうが、気持ちいい……?」
 クラウスは、愛液まみれの指をゆっくりと入れたり抜いたりしだす。
「ん……よくなんか、な……、ン、あ……ん……っ」
 アネットは無意識のうちに、はしたなく両脚を開いていってしまう。もっとしてほしいと言わんばかりに。
「……すごく締まってる。……あなたの中が……絡んで……俺の指に吸いついてくるみたいなんだ……」
 クラウスはわざわざ耳元で告げてくる。
「や……やめて……」
 羞恥が増して身体がいっそう熱くなる。
「はやくあなたを抱きたいな……、この濡れたあなたの中に、俺のアレを挿れて……奥までたくさん突きたい……」
 クラウスが、指の動きを少し荒めながら、欲情もあらわに囁いてくる。
「クラウスの、ばかっ……、なにを……言ってるの……っ」
 媚壁をこすられる快感にとらわれたアネットは、うわの空でつぶやく。経験のない彼女には、クラウスの言っていることがおぼろげにしかわからない。
「今すぐに、セックスしたいってことだよ」
 彼が指の腹を上向けて、恥骨の裏奥あたりをさわりだした。
「あっ」
 びくりと腰が撥ねた。
「ここか」
「あ……んっ」
 甘い感覚が濃くなって、アネットは思わず高い声を洩らした。
 クラウスが、執拗にそこを愛撫しだした。
「あ、あ、そこ……だめ……、なんだか……違うの……」
 指でこすられているところから、快感が溢れてくるような。
「どう違うんだ?」
 クラウスが指先をばらして躍らせ、大胆な刺激を与えてくる。
「ン……いっぱい……気持ちよくて……」
 アネットは乱れたドレスを握りしめ、思わず正直に言ってしまう。
「それはいいことだ。もしあなたとひとつになれたら、攻めるのはここだな」
 クラウスは心得た様子でにやにやしながら指攻めを続ける。
「あ、あぁっ、はぁっ、だめっ……そんなに……しちゃ……」
 アネットはますます気持ちよくなってしまって焦る。本当になにかが溢れてしまいそうだ。
「このまま達ってみる?」
「はっ、はぁっ、行くってどこへ……」
 アネットは羞恥をかき消すほどの快感に揺らされ、混乱のうちに問いかえす。
「すぐにわかるよ。このまま俺に身を委ねていればね」