アラビアン・ラヴァーズ
後宮に響くは執愛の調べ
あまおう紅 イラスト/綺羅かぼす
ルアディエは、獄中にいる兄ラフマンの命を盾にした総督アズドの求婚を受け入れ、彼の宮殿に滞在している。ただし彼は急な王命により戦へ出ているため、婚礼はまだ行われておらず、純潔も守られている。そんなある日、宮殿に吟遊詩人がやってくる。彼は、ルアディエの初恋の人――皇太子ザフィルにそっくりだった。それを知った彼はザフィルを名乗るようになる。孤独とさみしさを抱えたルアディエは、「僕は貴女のザフィルだ」と抱かれてしまい…? 配信日:2018年6月29日
後宮に響くは執愛の調べ
あまおう
ルアディエは、獄中にいる兄ラフマンの命を盾にした総督アズドの求婚を受け入れ、彼の宮殿に滞在している。ただし彼は急な王命により戦へ出ているため、婚礼はまだ行われておらず、純潔も守られている。そんなある日、宮殿に吟遊詩人がやってくる。彼は、ルアディエの初恋の人――皇太子ザフィルにそっくりだった。それを知った彼はザフィルを名乗るようになる。孤独とさみしさを抱えたルアディエは、「僕は貴女のザフィルだ」と抱かれてしまい…? 配信日:2018年6月29日
「は、んっ…ん…っ」
ふたたび甘くくちびるをふさがれ、舌で舌を捕らわれる淫靡な感触を得たルアディエは、深い陶酔に浸る。
濃厚な口づけにわななくルアディエの背中から手をすべらせ、彼は腰や脇腹をなでまわした末に、胸元へ這わせてきた。
衣服のはだけた双丘に直にふれ、火照った肌を手のひら全体でねっとりと愛撫してくる。
「…んっ、…っ」
キスに夢中になっていたルアディエは、繊細な部分への不意打ちに、肩をふるわせた。
(そんなことまでするの…?)
目尻に涙をにじませ、喘ぐようにそう考えたとき、くちびるがようやく解放される。
「口づけだけですっかり食べ頃になってますね」
ふくらみの先端の硬さを計るかのように、彼はそこを指先で軽く転がしてくる。むずむずとした甘痒い刺激に、先端はきゅっと凝っていった。
「…や…っ」
異性にそんなところをさわられ、あまつさえ間近から見つめられる羞恥に思わず目をつぶる。やがて薄目を開けてそぉっと見れば、自分のふくらみは、彼の手のひらに包まれて少し余るくらいだった。
指の形にたわむ柔肉がなまめかしい。
指先でくにくにと敏感な先端を押しつぶしながら、彼はしみじみつぶやいた。
「たわわに実っていると、服の上から見ていてもわかりました。――脱がせて、思うさま揉んでみたいって、心の中でずっと考えていたんですよ」
「い、いつ…?」
「初めて会ったときから、ずっと」
ふくらみを両手で寄せて必要以上に谷間を作り、彼はそれを満足そうに見下ろしてくる。
指先ではあいかわらず凝りを転がされ、じんじんと生じる愉悦に、ルアディエは息を乱した。
「そんな…いやらしい目で…見ていたの…?」
「いやらしいのは、あなたの身体です」
「そんなこと…っ」
「ないですか? それでは試してみましょう」
言うや、彼は指先で遊んでいた突起にしゃぶりつく。
ぬるりとした熱い口腔に包まれ、ハッとしたのもつかのま、ずきずきと脈打つそこを甘く吸い上げられ、汗ばんだ肢体をびくびくとふるわせた。
「やぁっ…」
ぬちゅぬちゅとした、あまりにも甘美な感触に、のけぞった喉から蕩けた声が上がる。
彼は我が意を得たりとばかり、うれしそうに含み笑いをした。
「いいですね…。想像していた通り、ふるえがくるほどはしたない声だ」
そして寄せ上げた乳房に顔を寄せ、今度は反対側のふくらみの乳暈ごと柔肉を食むと、硬く尖った粒の弾力を愉しむようにぬれた舌で捏ねてくる。
熱く弾力のある感触がひらめくたび、そこはじんじんと痺れ、悩ましく甘く疼いた。
「ぁっ、…は、…はぁ、…アッ…いやぁ…っ」
いやらしく舐め上げ、あるいはぬるりと根本からからめるようにして引っ張り、ルアディエをじっとしていられない気分に追い立ててくる。
愉悦のぬるま湯にひたし、さんざん喘がせてから、彼はふいをついてまたしても強く吸い上げてきた。
「ひぁン…っ」
湧き出す快感を吸い出されるような心地に、ルアディエは汗ばんだ身体をしならせて、あられもない声を張り上げる。
彼は口淫でルアディエの声を引き出すことに夢中になっているようだった。
「初めてとは思えないな。僕のすることに、こうも感じてくださるとは」
低い声でからかうようにささやかれ、悩ましく身をよじる。
「だっ…て、お酒、…が…」
「あぁ、最初から酔ってるから? 本当にそれだけ?」
「あぁっ…」
胸を揉みしだかれ、舐めしゃぶられ、酩酊した身体はそのたび、おもしろいほどにビクビクと反応してしまう。
ねとねととした舌の感触の気持ちよさに、どうにかなってしまいそうだった。
静かな寝間に、夢中で快楽を追う熱い吐息が、ふたりぶん重なって響く。いつも澄ました顔をしている彼が、自分と同じようにこの行為に没頭していることを感じ、いっそう陶酔が深まっていく。
それだけではない。
熱心に自分の胸をしゃぶる男の顔を見つめていると、どうしていいのかわからなくなってしまう、もうひとつの理由がルアディエにはあった。
「…ぁ…はぁ、…ザフィル…っ」
呼んだ名前が目の前の楽士のものなのか、それとも遠い記憶の中にいる初恋の相手のものなのか、わからない。――わからないものの、重ねて見てしまっている気持ちが、どこかにある。
ひそかな罪の意識から目をそらし、ルアディエは甘えるように口を開く。
「…ザフィル…」
と、彼はまろやかな乳房を貪るのを止めて、ふと顔を上げた。
そして唾液にぬれたくちびるでキスをしてくる。
「なんです?」
ルアディエが何か注文しようとしたと考えたのか。彼は彫刻のように整った顔に、真摯な表情を浮かべていた。
何でもかなえると言わんばかりの青い眼に間近から見下ろされ、恥じ入ってかぶりを振る。
「…なんでもないわ」
「本当に? 何かしてほしいことがあったら、言ってください」
「してほしいことなんか…」
「どんなおねだりをすればいいのか、まだわからないかもしれませんね。教えてあげましょう。こんなこととか――」
ぺろりとくちびるを舐め、彼は、大きく波打つ下腹をたどって下肢へと手をのばしてくる。
その指がふれた場所に、ルアディエは泣きぬれた榛色の瞳を開いた。
「あ…っ」
楽器をつま弾く細く長い指が、様子を探るように恥丘の中に潜り込み、溝をなぞり上げる。
その際、ちゅく…とぬれた音が響き、恥ずかしさにもじもじと膝をこすり合わせた。と、ザフィルが優しくささやいてくる。
「そんなに固く閉じてはさわれません」
「でも…っ」
「まぁ、どうせここをさわれば力も抜けてしまうでしょうけど…」
軽く言い、彼は溝の上部にあった突起にやんわりとふれる。とたん。
「はんっ…」
襲いかかってきた新たな衝撃に、ルアディエの膝が跳ね上がった。
「や、ぁぁ、ぁっ…ぁ、なに、それ…っ」
下腹の奥がずくんと疼く。蜜口から新たににじんだ蜜を指にまとわせて、彼は円を描くようにその尖った芯を転がしてくる。
「やぁっ、ぁ、それぇっ、ぁっあぁっ…っ」
ぬめる指にこりこりと柔らかく押しつぶされると、爪先まで貫くような鋭い快感が弾け、大きく背を仰け反らせた。
「貴女の官能の源です。たっぷりいじってあげましょう」
「いっ、ゃあっ、さわっちゃ、ダメ…はんっ、ぁっ…あっ、…っ」
「いやらしい身体でないというのなら、あまり感じてはダメですよ」
そうは言いつつ、おそらく彼は敏感すぎる突起が、何をされても途方もなく感じてしまうことを知っているにちがいない。
からかい混じりの笑みを浮かべつつ、いじわるな指でくちゅくちゅとそこをくすぐってくる。
髪を振り乱して啼き声を張り上げるルアディエの反応を愉しんでいるのか、二本の指ではさんでしごき上げてきたりもする。
頤を上げた喉から、はしたない声がとめどなく響いた。
「やぁっ、そんなに、ひっぱっちゃ、あぁっ…ぁっ、ぁあぁっ…っ」
熱く濃密な快感が、次から次へと弾けて目の前がちかちかする。
宙を浮遊しているようにすら感じられたが、その実、褥の上で淫らに腰を振っているばかりだった。
「ザっ、ザフィル…っ」
涙目ですがるように見上げると、彼は「ふふ…」と青い目を細めた。
「かわいい、いやらしいご主人様。素直に、その官能に身をまかせてください。そうすれば天国へ達けますよ」
言うや、彼は膨らんで硬くなった花芯を、ぬちゅぬちゅと小刻みに擦りたててくる。
元より未熟なルアディエが、大波のような官能に抗えるはずもない。
「あ…あぁぁっ…!」
ふたたび甘くくちびるをふさがれ、舌で舌を捕らわれる淫靡な感触を得たルアディエは、深い陶酔に浸る。
濃厚な口づけにわななくルアディエの背中から手をすべらせ、彼は腰や脇腹をなでまわした末に、胸元へ這わせてきた。
衣服のはだけた双丘に直にふれ、火照った肌を手のひら全体でねっとりと愛撫してくる。
「…んっ、…っ」
キスに夢中になっていたルアディエは、繊細な部分への不意打ちに、肩をふるわせた。
(そんなことまでするの…?)
目尻に涙をにじませ、喘ぐようにそう考えたとき、くちびるがようやく解放される。
「口づけだけですっかり食べ頃になってますね」
ふくらみの先端の硬さを計るかのように、彼はそこを指先で軽く転がしてくる。むずむずとした甘痒い刺激に、先端はきゅっと凝っていった。
「…や…っ」
異性にそんなところをさわられ、あまつさえ間近から見つめられる羞恥に思わず目をつぶる。やがて薄目を開けてそぉっと見れば、自分のふくらみは、彼の手のひらに包まれて少し余るくらいだった。
指の形にたわむ柔肉がなまめかしい。
指先でくにくにと敏感な先端を押しつぶしながら、彼はしみじみつぶやいた。
「たわわに実っていると、服の上から見ていてもわかりました。――脱がせて、思うさま揉んでみたいって、心の中でずっと考えていたんですよ」
「い、いつ…?」
「初めて会ったときから、ずっと」
ふくらみを両手で寄せて必要以上に谷間を作り、彼はそれを満足そうに見下ろしてくる。
指先ではあいかわらず凝りを転がされ、じんじんと生じる愉悦に、ルアディエは息を乱した。
「そんな…いやらしい目で…見ていたの…?」
「いやらしいのは、あなたの身体です」
「そんなこと…っ」
「ないですか? それでは試してみましょう」
言うや、彼は指先で遊んでいた突起にしゃぶりつく。
ぬるりとした熱い口腔に包まれ、ハッとしたのもつかのま、ずきずきと脈打つそこを甘く吸い上げられ、汗ばんだ肢体をびくびくとふるわせた。
「やぁっ…」
ぬちゅぬちゅとした、あまりにも甘美な感触に、のけぞった喉から蕩けた声が上がる。
彼は我が意を得たりとばかり、うれしそうに含み笑いをした。
「いいですね…。想像していた通り、ふるえがくるほどはしたない声だ」
そして寄せ上げた乳房に顔を寄せ、今度は反対側のふくらみの乳暈ごと柔肉を食むと、硬く尖った粒の弾力を愉しむようにぬれた舌で捏ねてくる。
熱く弾力のある感触がひらめくたび、そこはじんじんと痺れ、悩ましく甘く疼いた。
「ぁっ、…は、…はぁ、…アッ…いやぁ…っ」
いやらしく舐め上げ、あるいはぬるりと根本からからめるようにして引っ張り、ルアディエをじっとしていられない気分に追い立ててくる。
愉悦のぬるま湯にひたし、さんざん喘がせてから、彼はふいをついてまたしても強く吸い上げてきた。
「ひぁン…っ」
湧き出す快感を吸い出されるような心地に、ルアディエは汗ばんだ身体をしならせて、あられもない声を張り上げる。
彼は口淫でルアディエの声を引き出すことに夢中になっているようだった。
「初めてとは思えないな。僕のすることに、こうも感じてくださるとは」
低い声でからかうようにささやかれ、悩ましく身をよじる。
「だっ…て、お酒、…が…」
「あぁ、最初から酔ってるから? 本当にそれだけ?」
「あぁっ…」
胸を揉みしだかれ、舐めしゃぶられ、酩酊した身体はそのたび、おもしろいほどにビクビクと反応してしまう。
ねとねととした舌の感触の気持ちよさに、どうにかなってしまいそうだった。
静かな寝間に、夢中で快楽を追う熱い吐息が、ふたりぶん重なって響く。いつも澄ました顔をしている彼が、自分と同じようにこの行為に没頭していることを感じ、いっそう陶酔が深まっていく。
それだけではない。
熱心に自分の胸をしゃぶる男の顔を見つめていると、どうしていいのかわからなくなってしまう、もうひとつの理由がルアディエにはあった。
「…ぁ…はぁ、…ザフィル…っ」
呼んだ名前が目の前の楽士のものなのか、それとも遠い記憶の中にいる初恋の相手のものなのか、わからない。――わからないものの、重ねて見てしまっている気持ちが、どこかにある。
ひそかな罪の意識から目をそらし、ルアディエは甘えるように口を開く。
「…ザフィル…」
と、彼はまろやかな乳房を貪るのを止めて、ふと顔を上げた。
そして唾液にぬれたくちびるでキスをしてくる。
「なんです?」
ルアディエが何か注文しようとしたと考えたのか。彼は彫刻のように整った顔に、真摯な表情を浮かべていた。
何でもかなえると言わんばかりの青い眼に間近から見下ろされ、恥じ入ってかぶりを振る。
「…なんでもないわ」
「本当に? 何かしてほしいことがあったら、言ってください」
「してほしいことなんか…」
「どんなおねだりをすればいいのか、まだわからないかもしれませんね。教えてあげましょう。こんなこととか――」
ぺろりとくちびるを舐め、彼は、大きく波打つ下腹をたどって下肢へと手をのばしてくる。
その指がふれた場所に、ルアディエは泣きぬれた榛色の瞳を開いた。
「あ…っ」
楽器をつま弾く細く長い指が、様子を探るように恥丘の中に潜り込み、溝をなぞり上げる。
その際、ちゅく…とぬれた音が響き、恥ずかしさにもじもじと膝をこすり合わせた。と、ザフィルが優しくささやいてくる。
「そんなに固く閉じてはさわれません」
「でも…っ」
「まぁ、どうせここをさわれば力も抜けてしまうでしょうけど…」
軽く言い、彼は溝の上部にあった突起にやんわりとふれる。とたん。
「はんっ…」
襲いかかってきた新たな衝撃に、ルアディエの膝が跳ね上がった。
「や、ぁぁ、ぁっ…ぁ、なに、それ…っ」
下腹の奥がずくんと疼く。蜜口から新たににじんだ蜜を指にまとわせて、彼は円を描くようにその尖った芯を転がしてくる。
「やぁっ、ぁ、それぇっ、ぁっあぁっ…っ」
ぬめる指にこりこりと柔らかく押しつぶされると、爪先まで貫くような鋭い快感が弾け、大きく背を仰け反らせた。
「貴女の官能の源です。たっぷりいじってあげましょう」
「いっ、ゃあっ、さわっちゃ、ダメ…はんっ、ぁっ…あっ、…っ」
「いやらしい身体でないというのなら、あまり感じてはダメですよ」
そうは言いつつ、おそらく彼は敏感すぎる突起が、何をされても途方もなく感じてしまうことを知っているにちがいない。
からかい混じりの笑みを浮かべつつ、いじわるな指でくちゅくちゅとそこをくすぐってくる。
髪を振り乱して啼き声を張り上げるルアディエの反応を愉しんでいるのか、二本の指ではさんでしごき上げてきたりもする。
頤を上げた喉から、はしたない声がとめどなく響いた。
「やぁっ、そんなに、ひっぱっちゃ、あぁっ…ぁっ、ぁあぁっ…っ」
熱く濃密な快感が、次から次へと弾けて目の前がちかちかする。
宙を浮遊しているようにすら感じられたが、その実、褥の上で淫らに腰を振っているばかりだった。
「ザっ、ザフィル…っ」
涙目ですがるように見上げると、彼は「ふふ…」と青い目を細めた。
「かわいい、いやらしいご主人様。素直に、その官能に身をまかせてください。そうすれば天国へ達けますよ」
言うや、彼は膨らんで硬くなった花芯を、ぬちゅぬちゅと小刻みに擦りたててくる。
元より未熟なルアディエが、大波のような官能に抗えるはずもない。
「あ…あぁぁっ…!」