帝の秘め事
京極れな イラスト/芦原モカ
夫となる帝は幼い頃に出会った初恋の君なのでは…と、入内を心待ちにしていた右大臣の姫・美和。ある夜、「そなたを妻にする日が待てない」と、帝が現れた。逆らうこともできず、初めて受ける情熱的な愛撫に戸惑いながらも悦びを感じてしまう。やはり彼は初恋の君なのだと確信した美和だったが、実は帝には双子の弟がいるという噂を知る。まさか、あの夜の男は帝ではなかった――? 不安になる美和の前に再びその男が現れ「いずれおまえは私無しではいられない身体になるよ」と告げる。彼に与えられる官能の渦に飲み込まれてしまう美和だったが…!? 配信日:2019年11月29日
京極れな イラスト/芦原モカ
夫となる帝は幼い頃に出会った初恋の君なのでは…と、入内を心待ちにしていた右大臣の姫・美和。ある夜、「そなたを妻にする日が待てない」と、帝が現れた。逆らうこともできず、初めて受ける情熱的な愛撫に戸惑いながらも悦びを感じてしまう。やはり彼は初恋の君なのだと確信した美和だったが、実は帝には双子の弟がいるという噂を知る。まさか、あの夜の男は帝ではなかった――? 不安になる美和の前に再びその男が現れ「いずれおまえは私無しではいられない身体になるよ」と告げる。彼に与えられる官能の渦に飲み込まれてしまう美和だったが…!? 配信日:2019年11月29日
「この先は、私にふれられて、おまえが一番悦んだ場所だったね」
鷹臣は甘い声で囁きながら、指先を下生えに這わせてくる。
「や……」
熱を帯びた素肌が、じっとりと汗ばんでくる。
下肢の奥が熱い。そこにふれてもらいたいと言わんばかりに。
そんなこと、望んでなどいないはずなのに、身体は、藤見の宴の夜の感覚を鮮烈に蘇らせているのだ。身体の奥深いところからとろりと蜜があふれるような、快いあの感覚を。
それを見抜いた鷹臣が、指先で花芽をさぐりだす。
「やめて……」
美和は内腿に力を入れて、なんとか鷹臣の手を拒もうとするけれど、彼はおかまいなしに指の腹で恥丘をなぞる。
「あ……」
じきに陰核を探りあてられて、美和はびくんと腰をはねさせた。
「これだったな」
鷹臣がそれをゆっくりと圧し回して刺激しだす。すると、
「あ……ン……」
じわじわと快感が集まって、たちまちそこが熱を持ってくる。
「や……、いや……やめてくださ……、これ……じゃないの……」
美和は身じろぎし、官能の愉悦から必死に気をそらそうとする。ほんとうはこの愛撫を求めていた。けれど、ひとたび認めてしまえば、きっと身体は鷹臣の思いのままに、一気に快楽に堕としこまれてしまう。
「これではなかったのか? 身体は反応しているようだが?」
鷹臣はわざと美和の言葉を真に受けたふりをして返す。
「い、いいえ……」
美和は悶えながら、かぶりをふる。
鷹臣の指遣いなど意識しないようにするけれど、快感を生み出す巧みな動きにはどうしても気をとられてしまう。
「では、正しいところを探さないと。もっと下のほうだったか」
鷹臣の指先が、花びらを辿って蜜口のほうにまで下りた。
「あ……んっ」
美和はどきりとした。
鷹臣の指先は、すでに蜜でも纏っているかのように濡れている。蒸し暑さのせいで汗ばんでいるだけだと思いたかったが、それにしては潤みすぎだ。
「たわいない愛撫だけで、こんなに濡らしていたとは……」
鷹臣がしたり顔でつぶやく。
この感覚を知っている。藤見の宴の夜と同じ現象だ。
「わ……わたし……また……」
「そうだ、また濡れて……私を欲しがっているね。おまえの身体は、私とこうすることを望んでいるということだ」
「やめてください……」
美和は羞恥のために真っ赤になった。こんな束の間の戯れにのせられてしまう自分の身体が恥ずかしくてならなかった。美和が泣きそうな目をして鷹臣から顔を背けると、
「そんな顔をするな。私もおまえがこうなるのを期待していた。……ずっとおまえを抱きたかったのだよ」
あやすように彼が言う。
「愛しい美和……、はやく素直になって、たくさん乱れてくれ、あの夜のように」
「あ……ン……」
濡れた指先で花芽にふれられ、美和は震えた。
「だ、だめ……」
花びらも一緒に大きく愛撫されれば、今度は内腿から下腹部にかけて痺れるような快感が生じる。
「感じてしまうのだろう。そろそろ観念した方がいい」
愉悦はさらに子壺の奥にまで、さざ波のように広がる。
「これはどうかな」
指先を小刻みに動かされ、秘部にはますます強い官能の愉悦が押し寄せてくる。
「あ、あっ、はン、はっ、はぁっ、ン……」
美和がどうなるのかを、鷹臣ははじめから見抜いている。
「あ、あ、ああ……っ、やめて……ン、はっ、はぁっ、ン……」
美和は快感を受けとめきれず、息を乱し、衣を握りしめて悶える。
「そうだ、もっと官能に浸ればいい。これからふたりでもっと気持ちよくなれるから。……そろそろ指を挿れようか?」
陰唇のあわいをなぞりながら問われる。
「や……」
美和はどきりとし、腰をひいて拒む。
「ここに、指を挿れてほしくないか?」
鷹臣が腰を抱きなおし、問いをかさねてくる。彼の指先は、すでに蜜口に迫っている。
「いやです……ほしくないわ」
「こんなによい反応を見せておいて、やめろと言うのかい?」
「い、いや。挿れないで……お願い……」
「悪いが聞き入れてやることはできない。この前言っただろう? 次に会ったら、続きをすると――」
返す声は、はかない。鷹臣の指が、ふたたび花芽を撫ではじめているからだ。
「あっ、や……だ、め……、やめて……」
すでに凝って敏感になった花芽を弄られると、その先にも愛撫が欲しいと、身体が勝手に求めてしまうのだ。
「ああ、さっそくあらたな蜜がこぼれはじめたよ。身体は正直だ。やはりこっちにもふれてほしいのだな」
鷹臣はあふれた愛液をぬるぬると蜜口にぬりたくっていたが、ほどなく「挿れるよ」と言って、ぬぷりと指を埋めてきた。
「あっ……んっ」
彼の指が柔襞を圧して隘路を蹂躙する。
「はぁ、はぁっ、はあっ、ああ、やっ、だめ……っ」
指を根元まで沈めてゆるやかに抜き差しされれば、美和の身体は熱を増し、不安も恥じらいも取り去られてみるみる拓かれてしまう。
「そうだ。あの夜のように、もっと甘い声でせがんでくれないか?」
鷹臣は言いながら、指遣いをさらに淫らにして攻めてくる。
「はぁっ、あ、あンっ、あ……あぁっ、ン……っ、はぁっ、はぁ……っ」
こんなふうになってしまうなんて、どうかしている。蒸し暑さのせいだろうか。
はしたなくて、はやく冷静にならなければいけないと思うのに、火照った身体が、あの夜の官能の記憶を呼び覚ますのだ。指先で、唇で、細やかに優しく、けれども激しく愛でられた。今夜も同じだ。身体は驚くほどにこの愛撫を求めていた。
「ほら、こういう激しいのを待っていたのだろう?」
くちゅくちゅと卑猥な音を放って、指が出入りしている。
内奥がうち震えて快感を貪っているのがわかる。
「あ、はぁっ、ン、もう、指、動かさ、ないで……」
美和は脱がされた衣をぎゅうと握りしめて悶える。
「悩ましい反応だな。はやく私のものにしたくてたまらない。あの夜、私がどれほどおまえを抱くのを堪えたか、おまえは知らないだろうね。昼も夜も、おまえのことを考えたよ。この肌が恋しくて、どうにかなってしまいそうなほどにだ」
鷹臣は昂った想いを刻みつけるかのように、こめかみや耳朶に口づけてくる。そういう甘い行為に惑わされ、美和は抗う力を奪われて流されてしまう。
その間、鷹臣は指貫の袴紐をひいて、下肢をくつろげはじめていた。
「そろそろ私のものを挿れようか、このみだりがましく濡れそぼった女陰に……」
言いながら彼が下肢をかさねて、蜜口にぐっとなにかを押しつけてくる。
「ぁ……、なに……?」
美和はびくりとした。なにか熱くて硬いものが押しつけられている。人の身体の一部とは思えないものが。
「私の欲情の証だ」
鷹臣がにやりと笑って囁いた。
これが生身の男根なのだ。いきりたった怒張は凶器のようで、美和の汗ばんだ身体からは、さあっと一気に熱がひいた。
「いや……やめて……」
「このまえ、次に会ったら私のものを与えると告げたよ?」
「し、知りませ……、おやめください……」
我に返った美和は、おののきに身を震わせる。
「安心してくれ。今日はこの前と違ってだれにも邪魔されない。私は今、帝の真彬なのだからね」
不穏な笑みをはいて告げられ、ますます美和は身をこわばらせた。たしかに、表向きは真彬がお忍びでやってきたことになっている。だからだれも助けには来ない。
鷹臣は本気だ。このままでは操を奪われてしまう。
「待って……、お願い……」
美和はかぶりをふり、はかない声で懇願する。
一度純潔を奪われたら、もう生娘には戻れない。そうなれば、入内することもできなくなるのではないか――。
鷹臣は甘い声で囁きながら、指先を下生えに這わせてくる。
「や……」
熱を帯びた素肌が、じっとりと汗ばんでくる。
下肢の奥が熱い。そこにふれてもらいたいと言わんばかりに。
そんなこと、望んでなどいないはずなのに、身体は、藤見の宴の夜の感覚を鮮烈に蘇らせているのだ。身体の奥深いところからとろりと蜜があふれるような、快いあの感覚を。
それを見抜いた鷹臣が、指先で花芽をさぐりだす。
「やめて……」
美和は内腿に力を入れて、なんとか鷹臣の手を拒もうとするけれど、彼はおかまいなしに指の腹で恥丘をなぞる。
「あ……」
じきに陰核を探りあてられて、美和はびくんと腰をはねさせた。
「これだったな」
鷹臣がそれをゆっくりと圧し回して刺激しだす。すると、
「あ……ン……」
じわじわと快感が集まって、たちまちそこが熱を持ってくる。
「や……、いや……やめてくださ……、これ……じゃないの……」
美和は身じろぎし、官能の愉悦から必死に気をそらそうとする。ほんとうはこの愛撫を求めていた。けれど、ひとたび認めてしまえば、きっと身体は鷹臣の思いのままに、一気に快楽に堕としこまれてしまう。
「これではなかったのか? 身体は反応しているようだが?」
鷹臣はわざと美和の言葉を真に受けたふりをして返す。
「い、いいえ……」
美和は悶えながら、かぶりをふる。
鷹臣の指遣いなど意識しないようにするけれど、快感を生み出す巧みな動きにはどうしても気をとられてしまう。
「では、正しいところを探さないと。もっと下のほうだったか」
鷹臣の指先が、花びらを辿って蜜口のほうにまで下りた。
「あ……んっ」
美和はどきりとした。
鷹臣の指先は、すでに蜜でも纏っているかのように濡れている。蒸し暑さのせいで汗ばんでいるだけだと思いたかったが、それにしては潤みすぎだ。
「たわいない愛撫だけで、こんなに濡らしていたとは……」
鷹臣がしたり顔でつぶやく。
この感覚を知っている。藤見の宴の夜と同じ現象だ。
「わ……わたし……また……」
「そうだ、また濡れて……私を欲しがっているね。おまえの身体は、私とこうすることを望んでいるということだ」
「やめてください……」
美和は羞恥のために真っ赤になった。こんな束の間の戯れにのせられてしまう自分の身体が恥ずかしくてならなかった。美和が泣きそうな目をして鷹臣から顔を背けると、
「そんな顔をするな。私もおまえがこうなるのを期待していた。……ずっとおまえを抱きたかったのだよ」
あやすように彼が言う。
「愛しい美和……、はやく素直になって、たくさん乱れてくれ、あの夜のように」
「あ……ン……」
濡れた指先で花芽にふれられ、美和は震えた。
「だ、だめ……」
花びらも一緒に大きく愛撫されれば、今度は内腿から下腹部にかけて痺れるような快感が生じる。
「感じてしまうのだろう。そろそろ観念した方がいい」
愉悦はさらに子壺の奥にまで、さざ波のように広がる。
「これはどうかな」
指先を小刻みに動かされ、秘部にはますます強い官能の愉悦が押し寄せてくる。
「あ、あっ、はン、はっ、はぁっ、ン……」
美和がどうなるのかを、鷹臣ははじめから見抜いている。
「あ、あ、ああ……っ、やめて……ン、はっ、はぁっ、ン……」
美和は快感を受けとめきれず、息を乱し、衣を握りしめて悶える。
「そうだ、もっと官能に浸ればいい。これからふたりでもっと気持ちよくなれるから。……そろそろ指を挿れようか?」
陰唇のあわいをなぞりながら問われる。
「や……」
美和はどきりとし、腰をひいて拒む。
「ここに、指を挿れてほしくないか?」
鷹臣が腰を抱きなおし、問いをかさねてくる。彼の指先は、すでに蜜口に迫っている。
「いやです……ほしくないわ」
「こんなによい反応を見せておいて、やめろと言うのかい?」
「い、いや。挿れないで……お願い……」
「悪いが聞き入れてやることはできない。この前言っただろう? 次に会ったら、続きをすると――」
返す声は、はかない。鷹臣の指が、ふたたび花芽を撫ではじめているからだ。
「あっ、や……だ、め……、やめて……」
すでに凝って敏感になった花芽を弄られると、その先にも愛撫が欲しいと、身体が勝手に求めてしまうのだ。
「ああ、さっそくあらたな蜜がこぼれはじめたよ。身体は正直だ。やはりこっちにもふれてほしいのだな」
鷹臣はあふれた愛液をぬるぬると蜜口にぬりたくっていたが、ほどなく「挿れるよ」と言って、ぬぷりと指を埋めてきた。
「あっ……んっ」
彼の指が柔襞を圧して隘路を蹂躙する。
「はぁ、はぁっ、はあっ、ああ、やっ、だめ……っ」
指を根元まで沈めてゆるやかに抜き差しされれば、美和の身体は熱を増し、不安も恥じらいも取り去られてみるみる拓かれてしまう。
「そうだ。あの夜のように、もっと甘い声でせがんでくれないか?」
鷹臣は言いながら、指遣いをさらに淫らにして攻めてくる。
「はぁっ、あ、あンっ、あ……あぁっ、ン……っ、はぁっ、はぁ……っ」
こんなふうになってしまうなんて、どうかしている。蒸し暑さのせいだろうか。
はしたなくて、はやく冷静にならなければいけないと思うのに、火照った身体が、あの夜の官能の記憶を呼び覚ますのだ。指先で、唇で、細やかに優しく、けれども激しく愛でられた。今夜も同じだ。身体は驚くほどにこの愛撫を求めていた。
「ほら、こういう激しいのを待っていたのだろう?」
くちゅくちゅと卑猥な音を放って、指が出入りしている。
内奥がうち震えて快感を貪っているのがわかる。
「あ、はぁっ、ン、もう、指、動かさ、ないで……」
美和は脱がされた衣をぎゅうと握りしめて悶える。
「悩ましい反応だな。はやく私のものにしたくてたまらない。あの夜、私がどれほどおまえを抱くのを堪えたか、おまえは知らないだろうね。昼も夜も、おまえのことを考えたよ。この肌が恋しくて、どうにかなってしまいそうなほどにだ」
鷹臣は昂った想いを刻みつけるかのように、こめかみや耳朶に口づけてくる。そういう甘い行為に惑わされ、美和は抗う力を奪われて流されてしまう。
その間、鷹臣は指貫の袴紐をひいて、下肢をくつろげはじめていた。
「そろそろ私のものを挿れようか、このみだりがましく濡れそぼった女陰に……」
言いながら彼が下肢をかさねて、蜜口にぐっとなにかを押しつけてくる。
「ぁ……、なに……?」
美和はびくりとした。なにか熱くて硬いものが押しつけられている。人の身体の一部とは思えないものが。
「私の欲情の証だ」
鷹臣がにやりと笑って囁いた。
これが生身の男根なのだ。いきりたった怒張は凶器のようで、美和の汗ばんだ身体からは、さあっと一気に熱がひいた。
「いや……やめて……」
「このまえ、次に会ったら私のものを与えると告げたよ?」
「し、知りませ……、おやめください……」
我に返った美和は、おののきに身を震わせる。
「安心してくれ。今日はこの前と違ってだれにも邪魔されない。私は今、帝の真彬なのだからね」
不穏な笑みをはいて告げられ、ますます美和は身をこわばらせた。たしかに、表向きは真彬がお忍びでやってきたことになっている。だからだれも助けには来ない。
鷹臣は本気だ。このままでは操を奪われてしまう。
「待って……、お願い……」
美和はかぶりをふり、はかない声で懇願する。
一度純潔を奪われたら、もう生娘には戻れない。そうなれば、入内することもできなくなるのではないか――。