四つの蜜月物語
~「新婚小説」アンソロジー~
あまおう紅 ,依田ザクロ,涼原カンナ,葉月エリカ イラスト/YUGE
幼なじみに弱みを握られて結婚した、男爵令嬢の本当の気持ちとは…? 国王の許嫁として、ついに初めての夜を迎えることになった箱入り娘は!? ほか、王太子妃になったものの、年下の夫との初夜に失敗してしまった官能小説家のヒロインや、結婚式の夜、夫と身体が入れ替わってしまった妻など、様々な「新婚」カップルの「夫婦の営み」をご堪能ください☆ 配信日:2019年12月20日
~「新婚小説」アンソロジー~
あまおう
幼なじみに弱みを握られて結婚した、男爵令嬢の本当の気持ちとは…? 国王の許嫁として、ついに初めての夜を迎えることになった箱入り娘は!? ほか、王太子妃になったものの、年下の夫との初夜に失敗してしまった官能小説家のヒロインや、結婚式の夜、夫と身体が入れ替わってしまった妻など、様々な「新婚」カップルの「夫婦の営み」をご堪能ください☆ 配信日:2019年12月20日
「んふぅ…っ」
身体の奥で淫蕩な欲求が生じ、自分の内部がわななく。
顔を離したロレンスが、笑みを含んで言った。
「ふふ。ちょっと揺さぶると、行かないでって、きゅっと締めつける。まるで君みたいだ…」
「動いちゃ、いや…っ」
「君にいやって言われると、したくなっちゃうよ…」
「バカ、きらい…っ」
口ではそう言いつつ、好きな人の意地悪なほほ笑みに、アデラインの心臓はドキドキしていた。ハァハァと途切れることなく熱い吐息がこぼれる。
(『旦那さまは、新妻がかわいくてたまらない悪魔でした』あまおう紅)
「大丈夫。外には聞こえない。おまえも見ただろう? 無数の鈴を縫い付けた帳を。あれは中でこういうことをしていても、気づかれないための装飾だ」
「嘘……っ」
言葉のあいだにも、裙裳の裾をたくし上げて大腿をなまめかしく撫でてくる。
「ん……あぁ……っ、だ、め……っ、そこ、やぁ……っ」
彼がふれてくる処が全部熱い。行き場のない熱は体をむしばんでいく。甘すぎて苦しい。
力の抜けた体をくったりと彼の肩へ寄せると、腰をつかんで引き寄せられた。彼の膝に向かい合う形で馬乗りにさせられる。
乱れた胸もとを引き開けられ、真っ白なふくらみが彼の眼前へさらされる。
「あ……っ、だめって言ってるのに……っ!」
(『華燭の艶夜』依田ザクロ)
「あっ」
あたたかい口内に招き入れられた頂が、ジュリアンの舌の上でころころと転がされている。
「ああ、だめっ」
エリカは悲鳴をもらした。先端へと与えられる強い刺激が、下肢に響いていく。腹の奥がひくひくと甘くひきつって、眉を思わずぎゅっと引き絞った。
(こ、こんなふうになるなんて……)
執筆の参考になるかと自分で自分の身体をさわってみたことがあるが、身体はしんと静まり返って、なんという変化も起きなかった。
しかし、今、ジュリアンの手と口が触れてくると、顕著な変化が全身のあちこちに同時発生して、エリカは身をくねらせるしかなくなる。
「ジュ、ジュリアン、あんまりしないで……」
(『年下夫は初夜をやりなおしたい』涼原カンナ)
スカートのスリットから、黒いガーターベルトらしきものが覗いた。どちらもステラ自身の持ちものではなく、エリオットが勝手に買ったものだ。
「な……何するつもりよ……?」
シャツのボタンをぷちぷちと外されながら、ステラは声を上擦らせた。
「夫婦なら当たり前にすることをするだけだよ」
「当たり前の夫婦の状態じゃないでしょ!? 私、ほら、今男! っていうか、これってあなたの体だし!」
「男を喘がせる趣味も、自分の顔に欲情する性癖もないけど。中身がステラだと思うと、関係ないみたいだね」
エリオットは淫靡に笑うと、ステラの手を掴んで左胸に押しつけた。
「わかる? こんなにどきどきして興奮してる。ついでに乳首まで硬くなってる」
「ち……――って、私の顔でそういうこと言わないで!?」
「確かめてみなよ。ね?」
(『快感マジカルチェンジ~初夜で入れ替わっちゃった夫婦のお話~』葉月エリカ)
身体の奥で淫蕩な欲求が生じ、自分の内部がわななく。
顔を離したロレンスが、笑みを含んで言った。
「ふふ。ちょっと揺さぶると、行かないでって、きゅっと締めつける。まるで君みたいだ…」
「動いちゃ、いや…っ」
「君にいやって言われると、したくなっちゃうよ…」
「バカ、きらい…っ」
口ではそう言いつつ、好きな人の意地悪なほほ笑みに、アデラインの心臓はドキドキしていた。ハァハァと途切れることなく熱い吐息がこぼれる。
(『旦那さまは、新妻がかわいくてたまらない悪魔でした』あまおう紅)
「大丈夫。外には聞こえない。おまえも見ただろう? 無数の鈴を縫い付けた帳を。あれは中でこういうことをしていても、気づかれないための装飾だ」
「嘘……っ」
言葉のあいだにも、裙裳の裾をたくし上げて大腿をなまめかしく撫でてくる。
「ん……あぁ……っ、だ、め……っ、そこ、やぁ……っ」
彼がふれてくる処が全部熱い。行き場のない熱は体をむしばんでいく。甘すぎて苦しい。
力の抜けた体をくったりと彼の肩へ寄せると、腰をつかんで引き寄せられた。彼の膝に向かい合う形で馬乗りにさせられる。
乱れた胸もとを引き開けられ、真っ白なふくらみが彼の眼前へさらされる。
「あ……っ、だめって言ってるのに……っ!」
(『華燭の艶夜』依田ザクロ)
「あっ」
あたたかい口内に招き入れられた頂が、ジュリアンの舌の上でころころと転がされている。
「ああ、だめっ」
エリカは悲鳴をもらした。先端へと与えられる強い刺激が、下肢に響いていく。腹の奥がひくひくと甘くひきつって、眉を思わずぎゅっと引き絞った。
(こ、こんなふうになるなんて……)
執筆の参考になるかと自分で自分の身体をさわってみたことがあるが、身体はしんと静まり返って、なんという変化も起きなかった。
しかし、今、ジュリアンの手と口が触れてくると、顕著な変化が全身のあちこちに同時発生して、エリカは身をくねらせるしかなくなる。
「ジュ、ジュリアン、あんまりしないで……」
(『年下夫は初夜をやりなおしたい』涼原カンナ)
スカートのスリットから、黒いガーターベルトらしきものが覗いた。どちらもステラ自身の持ちものではなく、エリオットが勝手に買ったものだ。
「な……何するつもりよ……?」
シャツのボタンをぷちぷちと外されながら、ステラは声を上擦らせた。
「夫婦なら当たり前にすることをするだけだよ」
「当たり前の夫婦の状態じゃないでしょ!? 私、ほら、今男! っていうか、これってあなたの体だし!」
「男を喘がせる趣味も、自分の顔に欲情する性癖もないけど。中身がステラだと思うと、関係ないみたいだね」
エリオットは淫靡に笑うと、ステラの手を掴んで左胸に押しつけた。
「わかる? こんなにどきどきして興奮してる。ついでに乳首まで硬くなってる」
「ち……――って、私の顔でそういうこと言わないで!?」
「確かめてみなよ。ね?」
(『快感マジカルチェンジ~初夜で入れ替わっちゃった夫婦のお話~』葉月エリカ)