TOP>文庫一覧>運命の悪戯いたずら~隠された記憶と囚われの花嫁~
運命の悪戯いたずら
~隠された記憶と囚われの花嫁~
京極れな イラスト/オオタケ
落馬したシャルロットが目覚めたとき、側にいたのはバルニエ伯爵のルイ。 彼は夫だというのだが、シャルロットは自分が誰かもわからず、結婚した覚えもまったくなかった。 愛し合っていた記憶を取り戻すためか、執拗に愛撫を重ねるルイ。 それを受け入れはじめたシャルロットだったが…!?  禁じられた恋を描く、ドラマティック・ラブv 発売日:2012年12月4日 


「あ……っ」
 シャルロットはぴくりと内腿をひきつらせる。茂みのむこうにルイの指が伸びて、さきほどからじりじりと甘く疼いているところにそっと触れる。
「もうたくさん濡れてるよ。感じていたんだな、シャルロット」
 ルイが、潤みをたたえた花びらに指をすべらせて満足げに囁く。
そこはたしかに、きのうとおなじように潤っていた。蜂蜜によく似た、ぬめりのある液体が溢れていて、ルイの指先にねっとりとからみついている。
「こっちにも蜂蜜を塗るつもりだったけど必要ないみたいだな。中に指を挿れさせて」
 ルイがぬるりと花びらの中心をさわり、卑猥な笑みをはいてねだる。
「やめて」
 シャルロットは下肢に広がる快感に意識を攫われながらも、かろうじてルイの手を押えとどめる。そんなところに指を入れるなんて。
「指だけでいいから。きみのここが僕をおぼえているかどうかたしかめたい」
「いやよ、ルイ……」
 記憶がないのだから知らないに決まっている。そもそも、自分にそのような経験があるなんてとても思えない。挿れるという行為そのものに抵抗があって、シャルロットはかぶりをふって拒むが、ルイはいっこうに耳をかそうとしない。
「挿れるよ」
 言いながら蜜口をなぞり、潤みきったシャルロットの中にゆっくりと中指を沈めてくる。
 それは閉ざされた花びらのあわいに音もなく呑みこまれていった。
「あ……、ん……」
異物感があるものの、同時に入り口から内奥にかけての柔襞を刺激されて心地よくもあり、シャルロットはどうしていいかわらなくなった。からだが火照って、鼓動がどきどきとうるさいくらいに高鳴る。
「どう? シャルロット。きみのここは、僕をおぼえてたか?」
ルイは内壁を撫でるようにゆっくりと指を抜き差ししながら問う。
「そ、そんなの……知らな……」
 シャルロットは下肢にもたらされる感覚に翻弄されながらも、問いかけ自体を聞き流してゆるゆると首をふる。
「言いたくない? でもよく濡れてるよ。あたたかくて、指が吸いこまれていくみたいだ」
 ルイが沈めた指で中の感触を味わうかのように優しく告げる。
そうして自分の中で指を動かされるのは、ものすごく気持ちよかった。下肢の奥深くに、思わず彼の指を歓迎して引き留めるかのような力が勝手に入ってしまう。
「……ん……、あ……」
 ゆったりと出し入れされるたびに、次の刺激をまって唇から熱い息がこぼれる。花びらからその奥までが甘く痺れ、ルイの淫らな指遣いに酔わされてだんだん頭がのぼせてくる。
「だめ……」
シャルロットは乳房をさらし、ドレスの裾を捲りあげたあられもない格好で秘所を男の人にさわらせている。こんなことは、やっぱりはじめての行為としか思えない。いますぐに切りあげねばならないと思うのに、快感に惹きつけられて、からだが言うことを聞いてくれない。
「恥ずかしがらなくていいよ、シャルロット。もっとさわらせろよ、きみの大事なところ」
 ルイはあいている右手を内腿に這わせて、恥じらって閉じかけるシャルロットの両脚をやんわりとひらかせる。
「やめて、ルイ……」
シャルロットがルイの手を退けようとしても、彼はいやがるシャルロットを愉しむかのように、いっそう指を深めて内奥を拓いてゆく。
「ここ、気持ちいい?」
彼が指の腹で恥骨の裏側のあたりを狙ってさかんにこすりたてると、やがてくちゅくちゅと粘り気をおびた卑猥な水音が耳に届きはじめた。
「ああ、ルイ、いや……もうしないで」
 シャルロットは容赦のない指遣いと、押しよせる快感に身悶えし、眉根をしぼって懇願する。
「もうやめるのか? でもきみの中からいやらしい液がたくさん溢れてきてるよ。僕を欲しがってるようにしか見えないんだけどな」
「あぁ………」
 ルイが指先を小刻みにおどらせておなじところを刺激するので、快感が下腹部から下肢にかけてさざなみのようにひろがる。もう、彼の指遣いしか感じられない。もっと触れて、もっとこの感覚を与えてほしいとさえ思ってしまう。
「やめ……て……、おねがい……」
自分のからだの奥に息づきはじめた欲望を認めるのがいやで、シャルロットは身をよじってルイに抗う。薄桃色の唇から、はぁはぁと乱れた息がこぼれる。
「いやなのか? こんなに感じているくせに。ほら、だれのせいでこんな音がすると思ってるんだ?」
 ルイはシャルロットの下肢を腕で押さえつけ、わざと聞こえるように指遣いを荒くしてぴちゃぴちゃと卑猥な音をたてる。
 自分が反応しているせいなのだ。なんてはしたないことだろう。男の人に指を入れられて悦んでいるなんて――。
「指の数を増やしてみる?」
 ルイはひとさし指も蜜口に沈めて、より深いところを嬲りはじめる。
「いや、挿れちゃ、だめ……」
ひきつれるような痛みをともなった異物感はじきに気持ちよさに変わり、シャルロットは甘美な責め苦にいっそう追いつめられる。
「二本ともしっかり咥えこんだよ。いやらしいからだだな。こっちのかわいくふくらんだところも一緒に触ってあげようか?」
ルイは潤った柔襞を指でくりかえしこすりながら、さらに内腿を撫でていた右手の指先で花芯をいじりだす。
「あ……やめて、ルイ。あぁんっ……」
二か所を同時に攻められ、秘所全体が快感に揺さぶられて、痺れるように甘いわななきがシャルロットを襲う。
「ああ、その声、興奮するな。もっとたくさん聞かせてよ」
 ルイが欲情に濡れた声でつぶやく。彼女をさらに喘がせるために、指の動きがいっそう荒くなる。
 シャルロットの頬はすっかりと桃色に染まり、瞳は艶っぽく潤む。戸惑いと緊張にこわばっていたからだは、いまや彼をみずから迎えるかのように淫らに緩んでひらかれている。
「感じてるきみはきれいだな、シャルロット。……いま僕がどんなだかわかってるか?」
 ルイが左手で、羞恥のあまり顔を覆いかけていた彼女の手首をつかむ。
「し、知らない。……あ……」
 シャルロットははっとする。ルイがとった彼女の左手は彼の下肢の付け根に導かれた。
 キュロット越しに、なにか硬く張りつめたものがそこにあるのがわかった。
「このまましてしまおうか。僕はコレをきみの中に入れたくて我慢できない」
 ルイはシャルロットのこめかみに口づけながら、吐息交じりの熱い声でそう誘いかけてくる。抑えきれぬ欲望を彼女の耳に吹きこむかのように。
「き……記憶が戻るまでまつって……約束したわ……」