婚約破棄された辺境伯令嬢ですが、敵国王に求愛されて花嫁になりました
涼原カンナ イラスト/あかば
「俺と結婚してくれ。あなたが断るならば、あなたの兄上がどうなるかわからない」 辺境貴族の令嬢エマは、毒薬の研究が趣味の変わり者。王太子シャルルと婚約していたが、ほかの娘に心変わりしたシャルルに婚約破棄を申し渡される。傷心で兄の治める辺境に帰省したエマのもとに隣国の王アルフォンスが現れ、突然プロポーズされた。断れば戦争になると脅され、やむなくアルフォンスに嫁いだエマだったが、アルフォンスが毒の効かない体だと知って俄然彼に興味を持ち始める。幼いころから政敵に命を狙われ、身を守るために毒に耐性をつけたアルフォンス。彼の体の秘密を知るにはむつみ合うのがいちばんだとそそのかされたエマは、アルフォンスを誘惑する決意を固め……!? 配信日:2023年3月30日
涼原カンナ イラスト/あかば
「俺と結婚してくれ。あなたが断るならば、あなたの兄上がどうなるかわからない」 辺境貴族の令嬢エマは、毒薬の研究が趣味の変わり者。王太子シャルルと婚約していたが、ほかの娘に心変わりしたシャルルに婚約破棄を申し渡される。傷心で兄の治める辺境に帰省したエマのもとに隣国の王アルフォンスが現れ、突然プロポーズされた。断れば戦争になると脅され、やむなくアルフォンスに嫁いだエマだったが、アルフォンスが毒の効かない体だと知って俄然彼に興味を持ち始める。幼いころから政敵に命を狙われ、身を守るために毒に耐性をつけたアルフォンス。彼の体の秘密を知るにはむつみ合うのがいちばんだとそそのかされたエマは、アルフォンスを誘惑する決意を固め……!? 配信日:2023年3月30日
「事情……やはり、昨日の毒がお身体に悪さをしているのでは?」
「昨日の毒とは関係ないんだ」
「では、いったいなんですの?」
一心に彼を見上げたが、アルフォンスは咳払いをした。
「ところで、王妃は何をしにここへ? というか、なぜカーテンの陰にいたんだ?」
当たり前の疑問に、エマは肩を揺らした。
(答えづらい……!)
あなたと睦みあうためなのです――と言うのは、やはり恥ずかしい。
アルフォンスは、エマの身体をとっくりと見てから、顔を強ばらせた。
「おまけに、どうしてそんなスケスケの寝衣を着ているんだ」
ガウンの隙間から素肌が透けるほど薄い寝衣が見えていた。
「こ、これしか着るものがなくて……!」
あなたを誘惑するために着たのだと本音を言うのは恥ずかしい。
「……我が国は、王妃にスケスケの寝衣しか用意できないというのか」
アルフォンスが絶望した顔をしている。
「違うのです! これは、わたしが着ると決めたのです」
「あなたが着ると決めた……。なぜだ?」
不思議そうに言われて、エマは覚悟を決めた。
「あなたを誘惑するためです!」
エマの言葉に、アルフォンスは目を丸くした。
「誘惑……」
「そうなのです!」
エマはガウンを脱ぎ捨てた。それから、まとめていた髪もほどいてしまう。
ほぼ裸といっていいエマに、アルフォンスがあっけにとられる。
「エマ……」
「その……これは、わたしたちのために必要なことです」
エマは羞恥をこらえて言う。
「必要……」
「毒の研究を進めるためにも、あなたと交わることが必要……ではなくて、王と王妃として、あなたと名実ともに本物の夫婦にならなくてはいけません」
エマが力説すると、アルフォンスが息を呑んだ。
「……あなたの言うとおりだな」
アルフォンスはエマの手を引き、彼の左側に座らせた。
「俺たちは王と王妃。世継ぎを儲ける必要がある」
「そうですわ」
「あなたに触れてもいいのだろうか」
「もちろんですわ」
アルフォンスはエマの両肩にそっと手を置く。
遠慮がちに頬にくちづけられ、エマの鼓動が跳ねる。
(ドキドキするわ……)
アルフォンスがエマの唇にそっと唇を重ねてきた。
やわらかな感触に、自然と胸がときめいてしまう。
「エマ……」
唇を離したアルフォンスが愛しげに名を呼んでくる。エマはアルフォンスを見つめた。
金の瞳が神秘的で、吸い込まれてしまいそうだ。
「陛下……」
「あなたに触れられるなんて、幸福の極みだ」
「そ、そんなことは……」
照れくさくなってしまう。
しかし、アルフォンスは真剣な顔で告白を続ける。
「ずっと触れたかった。しかし、あなたに触れたら、憎まれるのではないかと思っていた」
「陛下……」
だから、エマの部屋を訪れることもなく、そっとしておいてくれたのだ。
(なんてやさしいのかしら)
思い違いをしていたのかもしれない。
(強引に妻にされたから、ひどい人だと考えてしまったけれど……)
エマのことを思いやってくれたのだ。
「陛下……」
エマは彼の肩に頭をのせてもたれた。
アルフォンスが背に手を回して、抱きしめてくれる。
「エマ。怖いかもしれないが、少しだけ耐えてくれ」
彼の声にはやさしさと気遣いが満ちている。
エマは恥ずかしさをこらえて、小さくうなずいた。
(夫婦になるためよ)
そして、毒の研究を進めるためだ。
アルフォンスが唇を重ねてくる。何度も角度を変えてついばまれ、心臓がせわしなく跳ねた。
(……我慢しなきゃ)
本当は逃げだしたくなるほど恥ずかしい。
だが、心の隅がこの触れあいに惹かれていた。
(……これから、どうなるのかしら)
噂話で聞いたように、やめられなくなるほど気持ちのよいものなのか。
甘い息がかすかにこぼれる。わずかに開いた唇の隙間から、アルフォンスの舌がエマの口内に侵入してきた。
初めて舌と舌が触れあい、腰が引けてしまう。だが、彼はエマの背に腕を回し、己のほうに抱き寄せる。
アルフォンスが舌をからめてくる。ぬるりと舌を舐められて、肩がぴくりと動いた。
それに気をよくしたのか、彼の舌はさらに大胆に動きはじめた。
舌先で口の中を丹念に舐め尽くし、互いの舌を重ねる。
唾液と唾液がまじりあうのに、不快ではなくて、鼓動が速くなるばかりだ。
(もしかして……毒がまじっている?)
その毒がエマの体内に回りはじめているのではないか。
アルフォンスはただ舌をもつれさせるだけではなく、喉の奥に舌を差し入れて抜き差ししだした。あまりの激しさに、エマは振り回されるばかりだ。
「んん……んううっ……」
エマが苦しがっていると思ったのか、彼は口内の動きを緩めた。
舌で舌をゆっくりとくすぐりながら、胸に触れてくる。
左の乳房を右手で覆い、押し回してくる。
大きな手で包まれて揉まれ、穏やかに広がる心地のよさに、脳内の一部が痺れる。
(気持ちいい……)
彼の手のややかさついた感触が、ならすような触れかたが、とても好ましい。
彼はエマを思いやってくれている。それが接触の仕方でわかる。
彼はくちづけを続けながら、乳首を回しはじめた。
指先に軽く力を入れて押し回されて、エマは背を反らした。
(なんだか、お腹が変になるわ……)
下肢にじわりと熱が集まる。彼が指先で乳首をいじるたびに、膝をすりあわせて熱に耐えた。
(毒が……お腹にまで届いているみたい……)
そう考えていると、アルフォンスはくちづけをやめて、エマを見つめる。
「エマ、気持ちいいか?」
「ええ……」
エマはぼうっとして答えた。
「ならば、直接に触れても大丈夫だな?」
確認されて、元から熱くなっていた頬がさらに熱を帯びた。
「え、ええ」
彼が寝衣を脱がせてくる。襟ぐりが広いから、あっさりと脱げてしまう。
素肌があらわになり、エマは思わず胸を覆った。ドロワーズだけの姿を見られるのが、恥ずかしい。
「……きれいだ」
アルフォンスは胸を隠しているエマの手を下ろすと、ベッドの上に導いた。
ベッドに座れば、彼はゆっくりとのしかかってくる。仰向けになって、彼を見つめた。
金の瞳が情熱をはらんで輝いている。
エマは頬を熱くした。
(……視線にまで毒がまじっていそうだわ)
だから、見つめられるだけで、身体が熱くなってしまうのだ。
彼は両手でエマの乳房を根本から先まで揉んでくる。
仰向けになっても形が崩れない美乳を彼は何度も揉みしだく。揉まれるたびに弾力が増すようで、手の動きに酔いしれた。
「あ……ああ……」
両の乳首を指先でつままれて軽く引っ張られる。
痛みはなくて、くすぐったいような感覚に襲われた。
(何かしら……)
彼が乳首に刺激を与えるたびに、腹の奥がきゅんと熱くなる。
(やっぱり毒が届いているのよ)
触れられているのは胸なのに、下腹の奥が特別に刺激を受けるのは、彼の体液にまじっている毒のせいかもしれない。
しかも、この刺激は不快ではなくて、もっと味わいたくなるように気持ちがいいのだ。きっと、ただの毒ではなくて、彼の身体の中で毒が変性しているのだろう。
(……毒の世界は奥深いわ)
そう思った直後、真紅に変じた頂を指先で転がされる。
「はぁっ……」
吐息の隙をついて、彼がくちづけをしてくる。
舌を使って口内のあちこちを舐めながら、胸を揉み、乳首を回す。
さらに、エマの股間に右膝を入れてきた。
膝の先でドロワーズ越しに股間をこすられて、思わず腰が揺らめく。
頭の中で悲鳴がこだまする。いろんなところを同時に愛撫されて、身体がこらえきれないと訴えてくる。
(だめ、だめっ……!)
頭の中で必死に制止をするものの、くちづけのせいで声が出せない。
エマは彼の目を見つめた。
アルフォンスが気づいて唇を解放してくれる。
「エマ?」
「いっぱいさわってはだめです。身体が変になるんです」
エマが訴えると、彼は目を丸くしたあとうれしそうに微笑んだ。
「変になるのか」
「そうですわ。陛下は、きっとおかしな毒を持っていらっしゃるんです」
「昨日の毒とは関係ないんだ」
「では、いったいなんですの?」
一心に彼を見上げたが、アルフォンスは咳払いをした。
「ところで、王妃は何をしにここへ? というか、なぜカーテンの陰にいたんだ?」
当たり前の疑問に、エマは肩を揺らした。
(答えづらい……!)
あなたと睦みあうためなのです――と言うのは、やはり恥ずかしい。
アルフォンスは、エマの身体をとっくりと見てから、顔を強ばらせた。
「おまけに、どうしてそんなスケスケの寝衣を着ているんだ」
ガウンの隙間から素肌が透けるほど薄い寝衣が見えていた。
「こ、これしか着るものがなくて……!」
あなたを誘惑するために着たのだと本音を言うのは恥ずかしい。
「……我が国は、王妃にスケスケの寝衣しか用意できないというのか」
アルフォンスが絶望した顔をしている。
「違うのです! これは、わたしが着ると決めたのです」
「あなたが着ると決めた……。なぜだ?」
不思議そうに言われて、エマは覚悟を決めた。
「あなたを誘惑するためです!」
エマの言葉に、アルフォンスは目を丸くした。
「誘惑……」
「そうなのです!」
エマはガウンを脱ぎ捨てた。それから、まとめていた髪もほどいてしまう。
ほぼ裸といっていいエマに、アルフォンスがあっけにとられる。
「エマ……」
「その……これは、わたしたちのために必要なことです」
エマは羞恥をこらえて言う。
「必要……」
「毒の研究を進めるためにも、あなたと交わることが必要……ではなくて、王と王妃として、あなたと名実ともに本物の夫婦にならなくてはいけません」
エマが力説すると、アルフォンスが息を呑んだ。
「……あなたの言うとおりだな」
アルフォンスはエマの手を引き、彼の左側に座らせた。
「俺たちは王と王妃。世継ぎを儲ける必要がある」
「そうですわ」
「あなたに触れてもいいのだろうか」
「もちろんですわ」
アルフォンスはエマの両肩にそっと手を置く。
遠慮がちに頬にくちづけられ、エマの鼓動が跳ねる。
(ドキドキするわ……)
アルフォンスがエマの唇にそっと唇を重ねてきた。
やわらかな感触に、自然と胸がときめいてしまう。
「エマ……」
唇を離したアルフォンスが愛しげに名を呼んでくる。エマはアルフォンスを見つめた。
金の瞳が神秘的で、吸い込まれてしまいそうだ。
「陛下……」
「あなたに触れられるなんて、幸福の極みだ」
「そ、そんなことは……」
照れくさくなってしまう。
しかし、アルフォンスは真剣な顔で告白を続ける。
「ずっと触れたかった。しかし、あなたに触れたら、憎まれるのではないかと思っていた」
「陛下……」
だから、エマの部屋を訪れることもなく、そっとしておいてくれたのだ。
(なんてやさしいのかしら)
思い違いをしていたのかもしれない。
(強引に妻にされたから、ひどい人だと考えてしまったけれど……)
エマのことを思いやってくれたのだ。
「陛下……」
エマは彼の肩に頭をのせてもたれた。
アルフォンスが背に手を回して、抱きしめてくれる。
「エマ。怖いかもしれないが、少しだけ耐えてくれ」
彼の声にはやさしさと気遣いが満ちている。
エマは恥ずかしさをこらえて、小さくうなずいた。
(夫婦になるためよ)
そして、毒の研究を進めるためだ。
アルフォンスが唇を重ねてくる。何度も角度を変えてついばまれ、心臓がせわしなく跳ねた。
(……我慢しなきゃ)
本当は逃げだしたくなるほど恥ずかしい。
だが、心の隅がこの触れあいに惹かれていた。
(……これから、どうなるのかしら)
噂話で聞いたように、やめられなくなるほど気持ちのよいものなのか。
甘い息がかすかにこぼれる。わずかに開いた唇の隙間から、アルフォンスの舌がエマの口内に侵入してきた。
初めて舌と舌が触れあい、腰が引けてしまう。だが、彼はエマの背に腕を回し、己のほうに抱き寄せる。
アルフォンスが舌をからめてくる。ぬるりと舌を舐められて、肩がぴくりと動いた。
それに気をよくしたのか、彼の舌はさらに大胆に動きはじめた。
舌先で口の中を丹念に舐め尽くし、互いの舌を重ねる。
唾液と唾液がまじりあうのに、不快ではなくて、鼓動が速くなるばかりだ。
(もしかして……毒がまじっている?)
その毒がエマの体内に回りはじめているのではないか。
アルフォンスはただ舌をもつれさせるだけではなく、喉の奥に舌を差し入れて抜き差ししだした。あまりの激しさに、エマは振り回されるばかりだ。
「んん……んううっ……」
エマが苦しがっていると思ったのか、彼は口内の動きを緩めた。
舌で舌をゆっくりとくすぐりながら、胸に触れてくる。
左の乳房を右手で覆い、押し回してくる。
大きな手で包まれて揉まれ、穏やかに広がる心地のよさに、脳内の一部が痺れる。
(気持ちいい……)
彼の手のややかさついた感触が、ならすような触れかたが、とても好ましい。
彼はエマを思いやってくれている。それが接触の仕方でわかる。
彼はくちづけを続けながら、乳首を回しはじめた。
指先に軽く力を入れて押し回されて、エマは背を反らした。
(なんだか、お腹が変になるわ……)
下肢にじわりと熱が集まる。彼が指先で乳首をいじるたびに、膝をすりあわせて熱に耐えた。
(毒が……お腹にまで届いているみたい……)
そう考えていると、アルフォンスはくちづけをやめて、エマを見つめる。
「エマ、気持ちいいか?」
「ええ……」
エマはぼうっとして答えた。
「ならば、直接に触れても大丈夫だな?」
確認されて、元から熱くなっていた頬がさらに熱を帯びた。
「え、ええ」
彼が寝衣を脱がせてくる。襟ぐりが広いから、あっさりと脱げてしまう。
素肌があらわになり、エマは思わず胸を覆った。ドロワーズだけの姿を見られるのが、恥ずかしい。
「……きれいだ」
アルフォンスは胸を隠しているエマの手を下ろすと、ベッドの上に導いた。
ベッドに座れば、彼はゆっくりとのしかかってくる。仰向けになって、彼を見つめた。
金の瞳が情熱をはらんで輝いている。
エマは頬を熱くした。
(……視線にまで毒がまじっていそうだわ)
だから、見つめられるだけで、身体が熱くなってしまうのだ。
彼は両手でエマの乳房を根本から先まで揉んでくる。
仰向けになっても形が崩れない美乳を彼は何度も揉みしだく。揉まれるたびに弾力が増すようで、手の動きに酔いしれた。
「あ……ああ……」
両の乳首を指先でつままれて軽く引っ張られる。
痛みはなくて、くすぐったいような感覚に襲われた。
(何かしら……)
彼が乳首に刺激を与えるたびに、腹の奥がきゅんと熱くなる。
(やっぱり毒が届いているのよ)
触れられているのは胸なのに、下腹の奥が特別に刺激を受けるのは、彼の体液にまじっている毒のせいかもしれない。
しかも、この刺激は不快ではなくて、もっと味わいたくなるように気持ちがいいのだ。きっと、ただの毒ではなくて、彼の身体の中で毒が変性しているのだろう。
(……毒の世界は奥深いわ)
そう思った直後、真紅に変じた頂を指先で転がされる。
「はぁっ……」
吐息の隙をついて、彼がくちづけをしてくる。
舌を使って口内のあちこちを舐めながら、胸を揉み、乳首を回す。
さらに、エマの股間に右膝を入れてきた。
膝の先でドロワーズ越しに股間をこすられて、思わず腰が揺らめく。
頭の中で悲鳴がこだまする。いろんなところを同時に愛撫されて、身体がこらえきれないと訴えてくる。
(だめ、だめっ……!)
頭の中で必死に制止をするものの、くちづけのせいで声が出せない。
エマは彼の目を見つめた。
アルフォンスが気づいて唇を解放してくれる。
「エマ?」
「いっぱいさわってはだめです。身体が変になるんです」
エマが訴えると、彼は目を丸くしたあとうれしそうに微笑んだ。
「変になるのか」
「そうですわ。陛下は、きっとおかしな毒を持っていらっしゃるんです」