エロティック ロイヤルジュエリー
溺愛系公爵の淫らな求婚計画
京極れな イラスト/駒田ハチ
亡き母が妾妃ゆえ、正妃が亡くなるまでは離宮で質素に育った王女ロッティ。贅沢が許されるようになった今も慈善活動をしてつましく暮らしている。ある日、ロッティは有力な婚約者候補である宰相の息子エリアスから首飾りを贈られた。それを身に着け、目隠しをして彼を待つよう指示する手紙には、「その間、絶対誰にも会わないように」という注意つき。だが、公爵家の若き当主レンが先にやってきて、強引に目隠しを取ってしまう。その首飾りはなんと、王族がそれを身に着けた場合、初めて目があった異性に欲情するという代物。そのため、ロッティは嫌いなはずのレンに胸を高鳴らせてしまい…? 配信日:2023年7月27日
溺愛系公爵の淫らな求婚計画
京極れな イラスト/駒田ハチ
亡き母が妾妃ゆえ、正妃が亡くなるまでは離宮で質素に育った王女ロッティ。贅沢が許されるようになった今も慈善活動をしてつましく暮らしている。ある日、ロッティは有力な婚約者候補である宰相の息子エリアスから首飾りを贈られた。それを身に着け、目隠しをして彼を待つよう指示する手紙には、「その間、絶対誰にも会わないように」という注意つき。だが、公爵家の若き当主レンが先にやってきて、強引に目隠しを取ってしまう。その首飾りはなんと、王族がそれを身に着けた場合、初めて目があった異性に欲情するという代物。そのため、ロッティは嫌いなはずのレンに胸を高鳴らせてしまい…? 配信日:2023年7月27日
「……で、首飾りの効果のほどは?」
この話題はおしまいとばかりに、レンがロッティの首元の首飾りに手を伸ばしてきた。
「あ」
彼の指先が素肌にふれて、ロッティはどきりとした。
「月が満ちるにつれて、性欲も増すというのは本当だった?」
鎖骨のあたりを思わせぶりになぞられ、身体が一気に熱く火照ってきた。
「やめて……」
ロッティは拒んだが、なぜか消え入るような、はかない声しか出なかった。素肌が妙に敏感になっていて、彼の指先の動きに意識を奪われるのだ。
「まさか、もう淫らな気持ちになったの? 僕が隣にいるだけなのに?」
「し、知らないわ」
否定はできなかった。たしかに妙な気分なのだ。距離を縮められたあたりからおかしくなっていた。
「キスしてみようよ、本当に首飾りに催淫の力があるのかどうか知りたい」
レンが囁きながら肩を抱いてくる。
「いや」
「僕を見て、ロッティ」
さらに美貌をよせてせがんでくる。いまにもキスしそうな距離で。
「いやよ。……やめて、レン。どきどきするからこっち見ないで」
ロッティは真っ赤になりながら、顔をそむける。こんなに胸が高鳴るのは絶対に首飾りのせいなのだ。
「かわいすぎてひくんだけど」
ふっと彼が笑った。
「……も、もう、帰りたいわ」
距離が近すぎるのだ。このままでは心臓が高鳴りすぎておかしくなってしまいそうだ。
「紅茶を一杯飲み終えるまでの約束だ。もちろん飲ませないけどね」
「え……」
「キスするから」
目をみはった瞬間だった。顎をすくわれ、レンに唇を塞がれた。
「………っ」
わかりきっていた。逃げたって強引に奪うと。目が獲物を見定めた狩人みたいに艶やかで、たぶんそれに魅せられていた。
「ん……」
互いの唇が密にかさなりあう。その慣れない感触におののきながらも、なぜか、身体の芯はじんと熱くなった。
レンはくりかえし唇をかさね合わせてくる。ロッティを逃さないように捕らえたまま、なにかを伝えるみたいに。
なにを……?
言葉にはできない、快いなにかだ。この男には、裏があるかもしれないというのに。
やがて考えるのさえも忘れ、ロッティは甘い口づけに酔いしれる。
「今どんな感じ?」
レンがいったん唇をはなし、うっとりと視線を絡めてきた。
ロッティは気恥ずかしくて目を逸らした。
「変な気持ちよ。もうしないで……」
つれなく返したつもりが、なぜか甘く掠れた声が出た。
本当にやめてほしかった。ただでさえ首飾りのせいで感情が高ぶりやすいのだから。
「いやだ。きみが欲しいから」
言うなりまたキスされ、続けざまに舌まで入れられた。
「ふ……」
ぬっと押し入ってきたものに、ロッティは一瞬、目をむいた。はじめ、なにかわからなかった。彼の舌だと理解したとたん、じんと身体の芯が熱くなった。
「んぅ……」
レンは退こうとしないから、受け入れるしかない。淫らな動きで口内を蹂躙され、未知の感覚を次々に呼び覚まされる。
ずっと昔から知っている相手と、こんな淫らな口づけをかわしているのが信じられなかった。
でも、決して不快ではなかった。むしろ、快くて夢中にさせられた。
(首飾りのせい……?)
わからない。あまりにも自然に導かれるから――。
「興奮するね」
口づけの合間に、甘い声でつぶやかれる。
「……レンがそうさせているのでしょ」
首飾りのせいか、理性や貞操観念が確実に薄らいでいる。いつもの自分ならとっくに拒んで押し返しているのに、今日はできない。彼にされるがままなのだ。
逆らわないのをいいことに、今度は胸元に手を這わせてきた。
「や……」
ロッティは思わずその手を押さえて咎めた。
「なにするの?」
「キスの続きだけど?」
続きがあるらしい。
「やめて。今はお茶の時間よ」
「ロッティは僕が嫌いなの?」
ふと彼が真顔になった。
「き……嫌いってわけじゃないわ。でもこんなことをするほど好きでもなかったわ」
実に正直な答えだった。自分でも深く納得してしまうほどに。
するとレンがくすっと笑った。
「でも頬は真っ赤だよ? 今のキスの反応といい、僕に気があるとしか思えないんだけどな?」
「く、首飾りのせいにすぎないのよ」
ロッティはますます赤くなりながら返す。
「べつにそれでかまわないよ。きみにどれだけ嫌われようが、僕の気持ちは変わらない。きみを妻にして、愛したいだけ愛するつもりだ」
「……そんなにわたしと結婚したい理由はなんなの?」
毎度、疑問はここに行きつく。
「知りたい? どうして僕が急にきみを口説きだしたのか」
レンのほうも、今の態度に疑問を抱かれるのは心得ているふうだ。
「知りたいわ」
「きっと驚くよ。僕もかなり驚いたからね」
含みのある笑みを浮かべて言う。
その笑みを見て、ロッティは急に不安になった。
「……やっぱり聞きたくない」
世の中には知らないほうがよかったことというのが存在する。レンの意味深な笑みはそれを暗示しているような気がした。
「あっ……」
レンがふたたび乳房を愛撫しだした。
ロッティが恥じらいに頬を染めてうろたえているうちに、彼は飾りリボンを避け、ホックをはずしてしまう。その手際のいいこと。
「レン……、やめて……。だれかに見られたらどうするの……?」
こんなはしたない姿をどう言い訳しろというのだ。
「だれも来ないし、見られないよ。ローレンの命令は絶対だから」
ロッティはレンの申し出に安易に応じた兄を恨んだ。
彼はコルセットも緩めてしまうと、肌着の上からおもむろに乳房に手を這わせてきた。
「や……」
着替えのとき、侍女にしか見られていない部分だ。恥ずかしくてたまらない。けれど彼の視線を浴びながらくりかえし大胆に揉みしだかれると、甘い溜息がこぼれた。
「ん……ぁ……」
五感が徐々に官能に支配され、拒む力も失われてゆく。
(こんな感覚……異常だわ……)
抗えないなにかにとらわれ、ロッティはもがいた。やはり首飾りのせいでおかしくなっている。
「あん……っ」
ふくらみの先端をくすぐられ、声が洩れた。そこは感度がよくて、みるみる硬くなってゆく。
「敏感だな、ここも」
指先で弾かれた尖りは、衣越しでもますます感度を増して凝ってゆく。
「見せて?」
レンが肌着をずらし、手を差し入れてきた。
「いや。恥ずかしいわ」
しかもこんな朝から、明るい場所で。
「あ……」
じかにふくらみにふれられ、どきりとした。あわてて隠そうと胸元をかきあわせるが、彼の手にやんわりと拒まれる。
レンの視線はすでに乳房にある。彼の視線を意識するとなぜかいっそう身体が熱くなって、見せたい衝動にかられた。
それでも抵抗があってじっと手で押さえ隠していると、
「少しだけでいいから」
なだめるようなやわらかな声で囁かれ、暗示でもかけられたみたいに甘い気持ちになった。そのままつい、手の力を緩めてしまう。
やがて肌着を退けられ、みずみずしい乳房のふくらみがあらわになった。
「きれいだな、まばゆいくらいの肌だ……」
朝陽を受けて白々と輝く素肌に、彼が口づけを落とした。鎖骨のあたりから乳房へと。
「ん……」
やわらかな唇の感触がくすぐったかった。
はじめは宝物でも扱うかのごとく控えめで優しい仕草だった。だからあえなく流されてしまったけれど、だんだん口づけというには淫らで荒々しいやり方になってきて、ロッティは少なからずうろたえた。
「………っ、ん……ぁ……っ」
熱い舌が素肌をなぞる。そのたびに背筋が甘く痺れ、溜息が洩れる。
「や……」
しまいには頂ごと口にされ、舌先で淫らに弄ばれた。
「あっ、あっ……、ん……っ」
敏感な乳頭に濡れた舌が絡みついてくる。はじめての淫靡な感覚に、ロッティはびくびくと肩を揺らして悶える。
そのまま尖りを甘く吸いたて、舌でいやらしく転がされる。
なぜか下肢の奥のほうまでがじりじりと熱くなっている。
「あ……あ……、もう……舐めちゃだめ……」
ロッティははぁはぁと吐息をこぼし、断続的に与えられる快感に喘ぐ。
「気持ちいいのに、だめなの?」
レンはわざとちゅっと音などたてて官能を煽ってくる。
「ん………っ」
ふれられているのは乳房なのに、やはり快感は下肢の奥にまで響いて、まるで刺激を求めているみたいに熱く疼く。
この話題はおしまいとばかりに、レンがロッティの首元の首飾りに手を伸ばしてきた。
「あ」
彼の指先が素肌にふれて、ロッティはどきりとした。
「月が満ちるにつれて、性欲も増すというのは本当だった?」
鎖骨のあたりを思わせぶりになぞられ、身体が一気に熱く火照ってきた。
「やめて……」
ロッティは拒んだが、なぜか消え入るような、はかない声しか出なかった。素肌が妙に敏感になっていて、彼の指先の動きに意識を奪われるのだ。
「まさか、もう淫らな気持ちになったの? 僕が隣にいるだけなのに?」
「し、知らないわ」
否定はできなかった。たしかに妙な気分なのだ。距離を縮められたあたりからおかしくなっていた。
「キスしてみようよ、本当に首飾りに催淫の力があるのかどうか知りたい」
レンが囁きながら肩を抱いてくる。
「いや」
「僕を見て、ロッティ」
さらに美貌をよせてせがんでくる。いまにもキスしそうな距離で。
「いやよ。……やめて、レン。どきどきするからこっち見ないで」
ロッティは真っ赤になりながら、顔をそむける。こんなに胸が高鳴るのは絶対に首飾りのせいなのだ。
「かわいすぎてひくんだけど」
ふっと彼が笑った。
「……も、もう、帰りたいわ」
距離が近すぎるのだ。このままでは心臓が高鳴りすぎておかしくなってしまいそうだ。
「紅茶を一杯飲み終えるまでの約束だ。もちろん飲ませないけどね」
「え……」
「キスするから」
目をみはった瞬間だった。顎をすくわれ、レンに唇を塞がれた。
「………っ」
わかりきっていた。逃げたって強引に奪うと。目が獲物を見定めた狩人みたいに艶やかで、たぶんそれに魅せられていた。
「ん……」
互いの唇が密にかさなりあう。その慣れない感触におののきながらも、なぜか、身体の芯はじんと熱くなった。
レンはくりかえし唇をかさね合わせてくる。ロッティを逃さないように捕らえたまま、なにかを伝えるみたいに。
なにを……?
言葉にはできない、快いなにかだ。この男には、裏があるかもしれないというのに。
やがて考えるのさえも忘れ、ロッティは甘い口づけに酔いしれる。
「今どんな感じ?」
レンがいったん唇をはなし、うっとりと視線を絡めてきた。
ロッティは気恥ずかしくて目を逸らした。
「変な気持ちよ。もうしないで……」
つれなく返したつもりが、なぜか甘く掠れた声が出た。
本当にやめてほしかった。ただでさえ首飾りのせいで感情が高ぶりやすいのだから。
「いやだ。きみが欲しいから」
言うなりまたキスされ、続けざまに舌まで入れられた。
「ふ……」
ぬっと押し入ってきたものに、ロッティは一瞬、目をむいた。はじめ、なにかわからなかった。彼の舌だと理解したとたん、じんと身体の芯が熱くなった。
「んぅ……」
レンは退こうとしないから、受け入れるしかない。淫らな動きで口内を蹂躙され、未知の感覚を次々に呼び覚まされる。
ずっと昔から知っている相手と、こんな淫らな口づけをかわしているのが信じられなかった。
でも、決して不快ではなかった。むしろ、快くて夢中にさせられた。
(首飾りのせい……?)
わからない。あまりにも自然に導かれるから――。
「興奮するね」
口づけの合間に、甘い声でつぶやかれる。
「……レンがそうさせているのでしょ」
首飾りのせいか、理性や貞操観念が確実に薄らいでいる。いつもの自分ならとっくに拒んで押し返しているのに、今日はできない。彼にされるがままなのだ。
逆らわないのをいいことに、今度は胸元に手を這わせてきた。
「や……」
ロッティは思わずその手を押さえて咎めた。
「なにするの?」
「キスの続きだけど?」
続きがあるらしい。
「やめて。今はお茶の時間よ」
「ロッティは僕が嫌いなの?」
ふと彼が真顔になった。
「き……嫌いってわけじゃないわ。でもこんなことをするほど好きでもなかったわ」
実に正直な答えだった。自分でも深く納得してしまうほどに。
するとレンがくすっと笑った。
「でも頬は真っ赤だよ? 今のキスの反応といい、僕に気があるとしか思えないんだけどな?」
「く、首飾りのせいにすぎないのよ」
ロッティはますます赤くなりながら返す。
「べつにそれでかまわないよ。きみにどれだけ嫌われようが、僕の気持ちは変わらない。きみを妻にして、愛したいだけ愛するつもりだ」
「……そんなにわたしと結婚したい理由はなんなの?」
毎度、疑問はここに行きつく。
「知りたい? どうして僕が急にきみを口説きだしたのか」
レンのほうも、今の態度に疑問を抱かれるのは心得ているふうだ。
「知りたいわ」
「きっと驚くよ。僕もかなり驚いたからね」
含みのある笑みを浮かべて言う。
その笑みを見て、ロッティは急に不安になった。
「……やっぱり聞きたくない」
世の中には知らないほうがよかったことというのが存在する。レンの意味深な笑みはそれを暗示しているような気がした。
「あっ……」
レンがふたたび乳房を愛撫しだした。
ロッティが恥じらいに頬を染めてうろたえているうちに、彼は飾りリボンを避け、ホックをはずしてしまう。その手際のいいこと。
「レン……、やめて……。だれかに見られたらどうするの……?」
こんなはしたない姿をどう言い訳しろというのだ。
「だれも来ないし、見られないよ。ローレンの命令は絶対だから」
ロッティはレンの申し出に安易に応じた兄を恨んだ。
彼はコルセットも緩めてしまうと、肌着の上からおもむろに乳房に手を這わせてきた。
「や……」
着替えのとき、侍女にしか見られていない部分だ。恥ずかしくてたまらない。けれど彼の視線を浴びながらくりかえし大胆に揉みしだかれると、甘い溜息がこぼれた。
「ん……ぁ……」
五感が徐々に官能に支配され、拒む力も失われてゆく。
(こんな感覚……異常だわ……)
抗えないなにかにとらわれ、ロッティはもがいた。やはり首飾りのせいでおかしくなっている。
「あん……っ」
ふくらみの先端をくすぐられ、声が洩れた。そこは感度がよくて、みるみる硬くなってゆく。
「敏感だな、ここも」
指先で弾かれた尖りは、衣越しでもますます感度を増して凝ってゆく。
「見せて?」
レンが肌着をずらし、手を差し入れてきた。
「いや。恥ずかしいわ」
しかもこんな朝から、明るい場所で。
「あ……」
じかにふくらみにふれられ、どきりとした。あわてて隠そうと胸元をかきあわせるが、彼の手にやんわりと拒まれる。
レンの視線はすでに乳房にある。彼の視線を意識するとなぜかいっそう身体が熱くなって、見せたい衝動にかられた。
それでも抵抗があってじっと手で押さえ隠していると、
「少しだけでいいから」
なだめるようなやわらかな声で囁かれ、暗示でもかけられたみたいに甘い気持ちになった。そのままつい、手の力を緩めてしまう。
やがて肌着を退けられ、みずみずしい乳房のふくらみがあらわになった。
「きれいだな、まばゆいくらいの肌だ……」
朝陽を受けて白々と輝く素肌に、彼が口づけを落とした。鎖骨のあたりから乳房へと。
「ん……」
やわらかな唇の感触がくすぐったかった。
はじめは宝物でも扱うかのごとく控えめで優しい仕草だった。だからあえなく流されてしまったけれど、だんだん口づけというには淫らで荒々しいやり方になってきて、ロッティは少なからずうろたえた。
「………っ、ん……ぁ……っ」
熱い舌が素肌をなぞる。そのたびに背筋が甘く痺れ、溜息が洩れる。
「や……」
しまいには頂ごと口にされ、舌先で淫らに弄ばれた。
「あっ、あっ……、ん……っ」
敏感な乳頭に濡れた舌が絡みついてくる。はじめての淫靡な感覚に、ロッティはびくびくと肩を揺らして悶える。
そのまま尖りを甘く吸いたて、舌でいやらしく転がされる。
なぜか下肢の奥のほうまでがじりじりと熱くなっている。
「あ……あ……、もう……舐めちゃだめ……」
ロッティははぁはぁと吐息をこぼし、断続的に与えられる快感に喘ぐ。
「気持ちいいのに、だめなの?」
レンはわざとちゅっと音などたてて官能を煽ってくる。
「ん………っ」
ふれられているのは乳房なのに、やはり快感は下肢の奥にまで響いて、まるで刺激を求めているみたいに熱く疼く。