スウィート・ソプラノ
~金色の王子に奏でられ~
蒼井ルリ乃 イラスト/緒花
歌を愛する子爵令嬢のニーナは舞踏会の途中で金色の瞳をした男に攫われる。
それは辺境の城に幽閉されているはずの第二王子・ルーカスだった。
幼い頃に出会い、歌を褒めてもらった時から、ニーナは密かにルーカスを慕っていた。そんな彼から昼は広間で美しい歌声を、夜はベッドで甘い歌声を求められ……? 発売日:2012年12月28日
~金色の王子に奏でられ~
蒼井ルリ乃 イラスト/緒花
歌を愛する子爵令嬢のニーナは舞踏会の途中で金色の瞳をした男に攫われる。
それは辺境の城に幽閉されているはずの第二王子・ルーカスだった。
幼い頃に出会い、歌を褒めてもらった時から、ニーナは密かにルーカスを慕っていた。そんな彼から昼は広間で美しい歌声を、夜はベッドで甘い歌声を求められ……? 発売日:2012年12月28日
「布の上からでもあんなに感じたのに、興味がないのか?」
意地悪な目を向けられ、顔を背ける。何を言われているのかわからなかった。するとルーカスは耳元で囁く。噛んで含めるような言い方で。
「膨らみきった胸の蕾を直接触られたらどんな快感があるか、知りたくはないか?」
「そ、そんなの……」
ニーナはふるふると首を左右に振った。羞恥に耳まで赤く染まっていた。
「私はもっとおまえのいい歌声を聴きたい」
ルーカスは無防備になったニーナの肩にくちづけて、ちゅうっと音をたてて吸う。そして、シュミーズの肩紐を落とした。
シュミーズはあっけなく滑り落ちて、柔らかな丸みが露になった。雪のような肌の白さ、そして弄られた先端の、ほのかに色づいた薄紅色をルーカスが矯めつ眇めつ眺めてくる。
「惹きつけられる色だな」
言いながら、彼は胸に手を添わせた。いまだ、胸を晒してしまった羞恥に身悶えていたニーナは、いきなりそれに触れられて動転した。
「だめっ、だめ、です……」
胸を隠すため前屈みになろうとしたが、肩を押さえられて阻まれる。
「瑞々しい果実のようにまどかな胸なのに、なぜ恥ずかしがる?」
そんなことを言われると、全身に火をつけられた気になる。
「からかわないで、ください」
ちらと目線だけ上げて懇願する。すると彼は少し考える素振りを見せた。一瞬、もう意地悪をやめてくれるのかと期待したが、それは相当甘い考えだった。
ルーカスは、簡単に破けてしまいそうなチュールレースを重ねたスカートとペチコートを、強引に捲り上げた。あっという間の出来事に驚き、ともかくスカートの裾を握る。
「胸を見られるのがいやと言うなら、こちらで許してやる」
鷹揚に言いのけながら向かいに回ってきた彼は、ニーナの脚を長椅子に上げさせ、あろうことかそれを左右に開いた。
「ぃやっ――」
閉じようとした脚も固定され、気づけば長椅子に上げた脚を、膝を立てて開くというとんでもない恰好になっていた。
真っ白なドロワーズが、すっかり露になってしまっている。
「ルーカスさま、どうしてこんな……」
改めて問うと、ニーナの前に跪いた彼は膝頭にくちづけてきた。
「おまえの成長した姿を知りたい。何より、おまえの啼き声がもっと聴きたい。快感に溺れたおまえが、どんな歌を響かせるのかを知りたいんだ、ニーナ」
ロマンティックな詩を朗読するように彼は言った。その瞳は、熱を孕んで見えた。
ただでさえ彼の金色の瞳は魅惑的なのに、それに艶を含まれたらひとたまりもない。見る間に、心と身体を支配されてしまう。
「その目を、なさらないでください」
先ほど自分に言われたのとよく似た言葉を呟く。彼は笑って、ニーナと同じようにどんな目だと訊いてきた。
ニーナは返答に困り、彼の視線から逃れたくて顔を逸らす。
「こま、るんです……」
それが率直な気持ちだった。
瞳に縛られてしまうのだ。だめだ、いやだと思いながらも、大人しく服従させられてしまう。
身体が熱い。それだけじゃなくて……。
意地悪な目を向けられ、顔を背ける。何を言われているのかわからなかった。するとルーカスは耳元で囁く。噛んで含めるような言い方で。
「膨らみきった胸の蕾を直接触られたらどんな快感があるか、知りたくはないか?」
「そ、そんなの……」
ニーナはふるふると首を左右に振った。羞恥に耳まで赤く染まっていた。
「私はもっとおまえのいい歌声を聴きたい」
ルーカスは無防備になったニーナの肩にくちづけて、ちゅうっと音をたてて吸う。そして、シュミーズの肩紐を落とした。
シュミーズはあっけなく滑り落ちて、柔らかな丸みが露になった。雪のような肌の白さ、そして弄られた先端の、ほのかに色づいた薄紅色をルーカスが矯めつ眇めつ眺めてくる。
「惹きつけられる色だな」
言いながら、彼は胸に手を添わせた。いまだ、胸を晒してしまった羞恥に身悶えていたニーナは、いきなりそれに触れられて動転した。
「だめっ、だめ、です……」
胸を隠すため前屈みになろうとしたが、肩を押さえられて阻まれる。
「瑞々しい果実のようにまどかな胸なのに、なぜ恥ずかしがる?」
そんなことを言われると、全身に火をつけられた気になる。
「からかわないで、ください」
ちらと目線だけ上げて懇願する。すると彼は少し考える素振りを見せた。一瞬、もう意地悪をやめてくれるのかと期待したが、それは相当甘い考えだった。
ルーカスは、簡単に破けてしまいそうなチュールレースを重ねたスカートとペチコートを、強引に捲り上げた。あっという間の出来事に驚き、ともかくスカートの裾を握る。
「胸を見られるのがいやと言うなら、こちらで許してやる」
鷹揚に言いのけながら向かいに回ってきた彼は、ニーナの脚を長椅子に上げさせ、あろうことかそれを左右に開いた。
「ぃやっ――」
閉じようとした脚も固定され、気づけば長椅子に上げた脚を、膝を立てて開くというとんでもない恰好になっていた。
真っ白なドロワーズが、すっかり露になってしまっている。
「ルーカスさま、どうしてこんな……」
改めて問うと、ニーナの前に跪いた彼は膝頭にくちづけてきた。
「おまえの成長した姿を知りたい。何より、おまえの啼き声がもっと聴きたい。快感に溺れたおまえが、どんな歌を響かせるのかを知りたいんだ、ニーナ」
ロマンティックな詩を朗読するように彼は言った。その瞳は、熱を孕んで見えた。
ただでさえ彼の金色の瞳は魅惑的なのに、それに艶を含まれたらひとたまりもない。見る間に、心と身体を支配されてしまう。
「その目を、なさらないでください」
先ほど自分に言われたのとよく似た言葉を呟く。彼は笑って、ニーナと同じようにどんな目だと訊いてきた。
ニーナは返答に困り、彼の視線から逃れたくて顔を逸らす。
「こま、るんです……」
それが率直な気持ちだった。
瞳に縛られてしまうのだ。だめだ、いやだと思いながらも、大人しく服従させられてしまう。
身体が熱い。それだけじゃなくて……。