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古城の侯爵に攫われて

水島 忍 イラスト/氷堂れん

キーワード: 西洋 貴族 俺様 婚姻 甘々

みんなの憧れの貴公子にプロポーズされて幸せの絶頂にあったジュリアが俺様侯爵に攫われて…♥目覚める!これが真実の愛…! 発売日:2012年5月18日 


 何枚も重ねていたペチコートは取り去られてしまった。スカートの下につけているのは、ドロワーズだけだ。そのドロワーズも完全に自分を守ってくれるわけではない。構造上、股下の部分が大きく開いていて、脱がなくても中が露になるのだ。
 彼はドロワーズにも触れてきた。下着に触れられていると思うと、ジュリアは下腹部が熱く感じられた。
 ああ、どうしよう……。彼はどうするつもりなの?
 脚をしっかりと閉じた。が、彼の手に脚の付け根を撫でられると、力が入らなくなってくる。やめてほしいのに、何故だかやめてほしくない。そんな気分になってしまっている自分が怖かった。
 彼の手はジュリアの腿の内側を撫でている。全身がかっと熱くなっていて、頭にも霞がかかってしまっているようだった。深く物事が考えられない。自分が何も抵抗しないのは、きっとそのせいに違いなかった。
 まるで、彼の魔法にかかったように……。
 彼の指がドロワーズの開いた部分から中へと入り込んでいく。
「あ……あ……」
 ジュリアは彼を止めようとはしなかった。最初から、そこに触れてほしかったのかもしれない。彼の指に触れられたら、どんな感じがするのか、きっと知りたかったのだ。
 大事な部分に彼の指がそっと触れた。途端に、ビクンと身体が震える。
「君は……淫らだ……」
「どう……して……そんなこと……」
「何も知らない乙女のはずなのに……こんなに濡れてる。君は私に触ってほしかったんだね?」
 そんなことはないと、言いたかった。けれども、言葉が出ない。そっとそこを撫でられて、身体が痺れるような思いを味わう。
 ああ……なんなの、これは。
 よく判らない。とにかく、彼によって、自分の身体が反応していることだけは判る。そして、彼にもっと触れてほしいと思ってしまう。
 彼の言うとおりだ。自分はとても淫らだ。まだ乙女で純潔を保っていて、この行為がどういったものかも、よく知らないのに、彼に触れて欲しくてたまらないのだ。
 そんな……。
 わたしは彼のことなんか好きじゃないのに!
 この行為にだって、愛は必要でしょう? 絶対そうよ!
 気がつくと、ジュリアはしっかりと彼にしがみついている。ほんの少し指で弄られているだけで、気が遠くなりそうな快感が身体中に広がっていて、もうやめてほしいとも言い出せない。
 もちろん、もっとしてほしいとも言えない。
 指が優しくその部分を撫でている。花弁に触れるように優しく、優しく……。そうすると、自分の内から何かが流れ出していくのが判った。これがきっと彼の指を濡らしているものの正体だろう。
「指を……中に入れていいかい?」
「中……中って?」
 ジュリアの声は甘い囁き声になっていた。
「ここの中……だよ」
 彼は花弁の狭間に指先を少しだけ入れる。その途端、甘い疼きを感じて、ジュリアは腰を揺らした。
 中に入れられたら、一体どうなるのだろう。自分が自分でなくなるような衝撃を受けるのだろうか。それとも……。
 続きをしてもらいたい気持ちもあるが、これ以上のことをされるのが怖い気持ちもある。ジュリアはどうしていいか判らず、ただ彼の身体にしがみついたままだった。結婚前の乙女として、絶対に拒絶するべきだと判っている。
 でも……でも……っ。
 彼の指が花弁をかき分けて、ゆっくりと挿入された。
「あ……っ」
 何をどうしていいか判らず、ジュリアは身体を反らした。
 身体がガクガク震えている。奥まで入れられたわけではないが、それでも、自分の体内に彼の指がある。そう思うと、どうしようもなく胸が熱くなってくる。
 まるで、自分の身体が自分のものではないような気分だ。
 指がゆっくり秘裂に沿って動いている。蕩けるような気分でいたが、彼の指がある一箇所に触れたとき、ジュリアの身体は大きな衝撃を受けた。
「あぁっ……」
 なんだか判らないが、その部分に何か秘密があるのは確かだった。
「気持ちいい?」
 彼はそこを優しく撫でた。身体が大げさなくらい揺れてしまう。どうして、自分がそんな反応をしてしまうのは、判らなかった。
「やめて……っ」
「……やめないよ、可愛いジュリア。ここがいいんだろう?」
 彼は容赦なかった。ジュリアがどんなに彼を押しやろうとしても、絶対やめるつもりはないようだった。そのうちに、彼女は身体が熱く痺れたようになってきて、何がなんだか判らなくなってきた。不意に、身体に衝撃が走り、ジュリアはぐっと身体を反らした。
 白い閃光が身体を突き抜けたような気がした。鋭い快感に貫かれて、ジュリアは呆然とする。自分の心臓の音がドクドクと大きく聞こえた。
「ジュリア……!」
 アルフレッドはドロワーズの中から指を引き抜くと、一瞬、彼女を強く抱き締めた。それがジュリアには情熱的な仕草に思えて嬉しかったのだが、彼はすぐに思い直したように、手を離す。そして、身体を起こして、ドレスの裾を直した。
 ジュリアは息を弾ませ、胸に両手を置いて、しばらく起き上がることすらできなかった。こんな経験は初めてだった。今も快感の余韻が残っている。そして、彼の指の感触も記憶に残っていた。
「わたし……」
 わたし、一体、何をしていたの……?
 彼のすることに、夢中になって応えていた。結婚もしていないのに、あんな恥ずかしいところに触れられて、気持ちよくなっていたなんて……。