光源氏と不機嫌な花嫁
初恋は葵の秘めごと
春秋子 イラスト/四位広猫
時は平安――。左大臣の一人娘、十六歳の葵は光源氏との結婚を決められる。 光源氏は帝の寵愛を一身に受ける皇子であり、その美貌や才覚とあいまって、都で知らぬ者のいない有名人である。だが、初夜当日、葵は光の傲慢な態度に我慢できず、その場で離婚を言い渡す。四年後、嵯峨野の別邸で平和に暮らしていた葵だが、謎の男たちに襲われ、誘拐されかける。葵を救ったのは、見違えるほどに逞しく成長した光だった…! 発売日:2013年11月2日
初恋は葵の秘めごと
春秋子 イラスト/四位広猫
時は平安――。左大臣の一人娘、十六歳の葵は光源氏との結婚を決められる。 光源氏は帝の寵愛を一身に受ける皇子であり、その美貌や才覚とあいまって、都で知らぬ者のいない有名人である。だが、初夜当日、葵は光の傲慢な態度に我慢できず、その場で離婚を言い渡す。四年後、嵯峨野の別邸で平和に暮らしていた葵だが、謎の男たちに襲われ、誘拐されかける。葵を救ったのは、見違えるほどに逞しく成長した光だった…! 発売日:2013年11月2日
(妻)
何気なく用いたその言葉に、葵の胸はとくん、と弾んだ。
名前だけの妻、気の合わない妻、と、これまで、自虐的に用いるしかなかったその名称。
だが、こうしてあられもない格好で源氏の君とむきあい、彼の愛撫で官能を引き出され、愉悦に震えているいま、そう呼ばれることを葵はこの上なくうれしく思った。
いま、まさしく夫婦と呼ぶにふさわしい行為を、葵と源氏の君はしているのだから。
「脚を開いて、上……」
うながされ、羞恥に顔をそむけながらも、葵がいわれるままに脚を開いていたのは、妻として夫の閨の言葉に従うべきだと、ごく自然に思えたからだった。
誰にも触れられたことのない秘密の場所にひやりとした軟膏と指の感触を覚え、葵は横になった畳の上で、びくっと身体を弾ませた。
「──上……」
源氏の君の声に、ほんの少しいじわるなひびきが混じる。
「すごい……女の蜜があふれているよ」
「あ……い、いや……」
「驚いたな。じかに触られる前から、こんなに濡らしていたなんて……」
源氏の君は指の腹で、泣き濡れた花びらをゆっくりとこする。
ぬるぬるした感触とともに、例えようもない快感が湧きあがり、葵は無意識に細い腰を浮かせ、源氏の君の指に濡れたひだをこすりつけていた。
「は、あッ……」
「こんなに淫らな処女がいるなんて聞いたことがないよ、上……まだなんの経験もないのに、少し触れられただけで、こんなふうに自分から腰を動かし始めるなんて」
「ち、違う……あ、あ……!」
「ほら、もうとろとろだよ。上のここは恥ずかしいくらい濡れているよ」
「い、いや……こ、こんな……わ、わたしの意志じゃないの……ち、違うの……し、息肌丸のせい……ん……んん……!」
「こんなに濡れていたんじゃ、歓喜膏が塗れない」
しとどに濡れそぼった花びらをくちゅくちゅとこすられ、快感が加速する。
「あああッ!」
「あふれてくる。恥ずかしいね、上。畳にまでしたたらせて……」
「いや、ああっ! ああ、んんッ……」
「どんどんあふれてくるこの蜜をなんとかしなくちゃいけないな……」
愛蜜をこぼす悦びの口にぬぷりと指を挿しこまれる。
敏感な入口を巧みにかき回される快感に、葵はそり返った。
「ンン……ッ! は、ああっ……!」
「こうやって……ね……? 中でたっぷり指を動かして……」
「だ、だめえ……あ、あぁ……!」
「上のいやらしい蜜を、かき出さないと……」
かぎ状に曲げた指をぐちゅぐちゅと出し入れされる。
同時に、親指の腹で、ひだの中心にある敏感な突起をこねられる。
とてつもない快感が葵を襲った。
あふれ出る蜜をたっぷりとこすりつけられ、ぬるつく淫水の中で、赤くふくらみきった花芽をねっとりといじられる。それとともに蜜源の内側を巧みにこすりあげられると、ほとばしるような疼きに腰の内側が爆ぜ、葵は泣きながら源氏の君にしがみついた。
「あ・あんッ! あああんっ! いや、ひ、光の君……!」
「ああ、またあふれてきた。これじゃ、きりがないな。ねえ、ここをきれいにしなくちゃいけなんだよ、上。きもちよくなっていてはいけないでしょう?」
「だめえ、光の君……そ、それ……だめなの……ぐちゅぐちゅしちゃ……だめなの……!」
「どうしてだめなの? ぼくは上の身体を思ってしているのに……」
「あ、あっ! ひ、ひどい……そんなふうにいじわるして……ふ……ん、うっ……き、嫌い……光の君なんて……嫌いよ……はあっ……はあっ……!」
言葉とはうらはらに、葵の身体は歓喜にうち震え、源氏の君の愛撫を夢中になって追いかけている。
──勃ちきった乳首と、ふくらんだ花芽と、濡れそぼった蜜口。
感じすぎる三点を同時に責められて、葵はあられもない嬌声と愉悦の涙が自分の中からあふれ出るのをとめることができなかった。
「はあっ……はあっ……光の君……あ、あ……! ああっ・ああんッ……!」
「塗っても塗っても、上の蜜があふれてくるから、貴重な歓喜膏がたくさん流れてしまった」
「だ、だって……」
「だってじゃないでしょう? いけないのは上なんだから、ちゃんとごめんなさいをして?」
「ふ、う……っ……ご……ごめんなさい……」
快感に翻弄され、ぽろぽろ泣きながら、葵はいわれるままに謝罪を口にする。
「何がごめんなさいなの?」
「あ、葵が……葵の身体が……い、いけないから……」
「どんなふうにいけないの」
「いや……」
「きちんとお口にしてごらん」
源氏の君の美しいおもてには、加虐のよろこびが浮かんでいる。
「上のいけないところはどこなの?」
(ひどい……光の君……い、いじわるして……)
涙に潤んだ目で懇願するようにみつめても、源氏の君は知らないふりをするばかりだ。
「あ……あ、葵の身体が……か、感じすぎて……た、たくさん……濡れてしまうから……」
淫らな言葉を強制され、葵はあまりの羞恥に泣き伏しそうになる。
「だから……お薬を塗れなくて……い、いけないの……」
「いやらしい身体だからいけないんだね」
「そ、そう……葵が、感じすぎて、はしたない身体だから、いけないの……あ、葵の身体が、いやらしいから、いけないの……ふ、うッ……ご、ごめんなさい……」
恥ずかしさに泣き出した葵を、源氏の君が抱きしめる。
「──ご褒美だよ、上。可愛い顔を見せてくれたお礼に、いかせてあげる」
長い指が薄い茂みをかきわけ、葵の泣きどころを巧みに責めたて始めてる。
大きく脚を開かされ、しとどに濡れた秘所を突き出させられ、花びらと花芽をぬちゅぬちゅとこすりあげられ、葵は泣きながら二度目の絶頂に達した。
何気なく用いたその言葉に、葵の胸はとくん、と弾んだ。
名前だけの妻、気の合わない妻、と、これまで、自虐的に用いるしかなかったその名称。
だが、こうしてあられもない格好で源氏の君とむきあい、彼の愛撫で官能を引き出され、愉悦に震えているいま、そう呼ばれることを葵はこの上なくうれしく思った。
いま、まさしく夫婦と呼ぶにふさわしい行為を、葵と源氏の君はしているのだから。
「脚を開いて、上……」
うながされ、羞恥に顔をそむけながらも、葵がいわれるままに脚を開いていたのは、妻として夫の閨の言葉に従うべきだと、ごく自然に思えたからだった。
誰にも触れられたことのない秘密の場所にひやりとした軟膏と指の感触を覚え、葵は横になった畳の上で、びくっと身体を弾ませた。
「──上……」
源氏の君の声に、ほんの少しいじわるなひびきが混じる。
「すごい……女の蜜があふれているよ」
「あ……い、いや……」
「驚いたな。じかに触られる前から、こんなに濡らしていたなんて……」
源氏の君は指の腹で、泣き濡れた花びらをゆっくりとこする。
ぬるぬるした感触とともに、例えようもない快感が湧きあがり、葵は無意識に細い腰を浮かせ、源氏の君の指に濡れたひだをこすりつけていた。
「は、あッ……」
「こんなに淫らな処女がいるなんて聞いたことがないよ、上……まだなんの経験もないのに、少し触れられただけで、こんなふうに自分から腰を動かし始めるなんて」
「ち、違う……あ、あ……!」
「ほら、もうとろとろだよ。上のここは恥ずかしいくらい濡れているよ」
「い、いや……こ、こんな……わ、わたしの意志じゃないの……ち、違うの……し、息肌丸のせい……ん……んん……!」
「こんなに濡れていたんじゃ、歓喜膏が塗れない」
しとどに濡れそぼった花びらをくちゅくちゅとこすられ、快感が加速する。
「あああッ!」
「あふれてくる。恥ずかしいね、上。畳にまでしたたらせて……」
「いや、ああっ! ああ、んんッ……」
「どんどんあふれてくるこの蜜をなんとかしなくちゃいけないな……」
愛蜜をこぼす悦びの口にぬぷりと指を挿しこまれる。
敏感な入口を巧みにかき回される快感に、葵はそり返った。
「ンン……ッ! は、ああっ……!」
「こうやって……ね……? 中でたっぷり指を動かして……」
「だ、だめえ……あ、あぁ……!」
「上のいやらしい蜜を、かき出さないと……」
かぎ状に曲げた指をぐちゅぐちゅと出し入れされる。
同時に、親指の腹で、ひだの中心にある敏感な突起をこねられる。
とてつもない快感が葵を襲った。
あふれ出る蜜をたっぷりとこすりつけられ、ぬるつく淫水の中で、赤くふくらみきった花芽をねっとりといじられる。それとともに蜜源の内側を巧みにこすりあげられると、ほとばしるような疼きに腰の内側が爆ぜ、葵は泣きながら源氏の君にしがみついた。
「あ・あんッ! あああんっ! いや、ひ、光の君……!」
「ああ、またあふれてきた。これじゃ、きりがないな。ねえ、ここをきれいにしなくちゃいけなんだよ、上。きもちよくなっていてはいけないでしょう?」
「だめえ、光の君……そ、それ……だめなの……ぐちゅぐちゅしちゃ……だめなの……!」
「どうしてだめなの? ぼくは上の身体を思ってしているのに……」
「あ、あっ! ひ、ひどい……そんなふうにいじわるして……ふ……ん、うっ……き、嫌い……光の君なんて……嫌いよ……はあっ……はあっ……!」
言葉とはうらはらに、葵の身体は歓喜にうち震え、源氏の君の愛撫を夢中になって追いかけている。
──勃ちきった乳首と、ふくらんだ花芽と、濡れそぼった蜜口。
感じすぎる三点を同時に責められて、葵はあられもない嬌声と愉悦の涙が自分の中からあふれ出るのをとめることができなかった。
「はあっ……はあっ……光の君……あ、あ……! ああっ・ああんッ……!」
「塗っても塗っても、上の蜜があふれてくるから、貴重な歓喜膏がたくさん流れてしまった」
「だ、だって……」
「だってじゃないでしょう? いけないのは上なんだから、ちゃんとごめんなさいをして?」
「ふ、う……っ……ご……ごめんなさい……」
快感に翻弄され、ぽろぽろ泣きながら、葵はいわれるままに謝罪を口にする。
「何がごめんなさいなの?」
「あ、葵が……葵の身体が……い、いけないから……」
「どんなふうにいけないの」
「いや……」
「きちんとお口にしてごらん」
源氏の君の美しいおもてには、加虐のよろこびが浮かんでいる。
「上のいけないところはどこなの?」
(ひどい……光の君……い、いじわるして……)
涙に潤んだ目で懇願するようにみつめても、源氏の君は知らないふりをするばかりだ。
「あ……あ、葵の身体が……か、感じすぎて……た、たくさん……濡れてしまうから……」
淫らな言葉を強制され、葵はあまりの羞恥に泣き伏しそうになる。
「だから……お薬を塗れなくて……い、いけないの……」
「いやらしい身体だからいけないんだね」
「そ、そう……葵が、感じすぎて、はしたない身体だから、いけないの……あ、葵の身体が、いやらしいから、いけないの……ふ、うッ……ご、ごめんなさい……」
恥ずかしさに泣き出した葵を、源氏の君が抱きしめる。
「──ご褒美だよ、上。可愛い顔を見せてくれたお礼に、いかせてあげる」
長い指が薄い茂みをかきわけ、葵の泣きどころを巧みに責めたて始めてる。
大きく脚を開かされ、しとどに濡れた秘所を突き出させられ、花びらと花芽をぬちゅぬちゅとこすりあげられ、葵は泣きながら二度目の絶頂に達した。