とろふわミルキー花嫁修業
~ご主人様とメイド~
水島 忍 イラスト/三浦ひらく
両親を亡くし、叔父夫婦の元で厄介者扱いされてきたミルキーは、森の奥深くに住む侯爵のところへメイドとして追いやられる。城に向かう途中、男たちに襲われたミルキーを助けてくれたのは侯爵で…? 発売日:2014年2月4日
~ご主人様とメイド~
水島 忍 イラスト/三浦ひらく
両親を亡くし、叔父夫婦の元で厄介者扱いされてきたミルキーは、森の奥深くに住む侯爵のところへメイドとして追いやられる。城に向かう途中、男たちに襲われたミルキーを助けてくれたのは侯爵で…? 発売日:2014年2月4日
「ミルキー……」
リチャードはミルキーの肩をぐいと引き寄せた。彼の肩口に顔を埋める形となり、ミルキーはドキッとする。
結ばれない恋なら、報われない恋なら、そんな恋には落ちたくない。彼を好きになんかなりたくない。彼が本当は優しい人であってほしくなかった。
でも……。
彼の温もりを感じる。背中を撫でられて、優しくされたら、気持ちが揺らいでしまう。
ああ、彼のことが好き。
好きになりたくないのに、どうしてもその気持ちから逃れられない。
これ以上、優しくしないで。これ以上、好きになったら、傷ついてしまう。どうして、彼は噂どおりの極悪な侯爵ではないのだろう。最初の印象のように、冷たく意地悪なところがもっと見られれば、こんなに好きにならずに済んだのに。
「ミルキー……」
彼の声が甘く掠れている。彼の唇がミルキーの耳の傍にあった。ミルキーは彼に囁かれて、身体をビクンと震わせた。
何故だか判らない。そんな衝動に見舞われてしまったのだ。
そう……なんだかゾクゾクする。
彼はミルキーの耳朶にキスをしてきた。ミルキーははっとしたが、元より彼に触れられるのが嫌いではない。キスされると、とびっきりの器量よしの娘に変身できたような気がした。
そんなわけはないのに。
わたしは……わたしよ。ミルキーよ。
彼がメイドなんか相手にするはずがないじゃないの。
そう戒めながらも、ミルキーは耳朶を唇に含まれて、思わず声が出そうになった。
これは慰めのキスよ……。これは……これは……。
耳へのキスは、やがて頬に移動した。だが、それだけでは止まらず、気がつけば、彼はミルキーの顔のあちこちにキスをしていた。
涙を溜めた目元にも、そして、涙を流した頬にも。
彼はミルキーの髪の中に手を差し込み、ゆっくりと梳いていく。ミルキーは頭がぼんやりしてくるのを感じた。
唇にキスしてほしい。
いつしか、ミルキーはそう願っていた。
だって、顔のあちこちにキスをするなら、唇にしてもいいはずだと思うからだ。それだけではなく、昼間にキスされたことを、どうしても思い出してしまうからだった。
あのときの感覚を、もう一度味わいたい。彼の唇や舌の柔らかさ、それから、身体が疼くような快感を、もう一度……。
リチャードは躊躇いがちに唇を重ねてきた。
ああ……。
ミルキーは誘うように唇を開いてしまった。彼の舌がするりと口の中に入ってくる。口腔内を愛撫され、ミルキーはたちまち陶然となってくる。
そう。ここにキスをしてもらいたかったの。
本当は、若い乙女は結婚する相手以外に、こんなことをしてはならない。いや、上流階級のお嬢様ならいざ知らず、メイドは人の目を盗んで、キスくらしている。オニール家の若いメイドが恋人と戯れているところを目撃したのは、一度や二度ではなかった。
ただ、ミルキーは結婚前に村の男と戯れるようなことはしたくなかった。ミルキーが好きになるような素敵な男性がいなかったこともあるが、自分自身を大事にしたいからだ。純潔を失って、その挙句に身ごもってしまい、泣きながらオニール家を出ていったメイドもいた。恋人には知らぬ顔をされてしまったからだ。
そんな娘達を見ていたミルキーは、結婚前に処女を失う羽目には陥りたくなかった。
でも……。
今、ミルキーは夢中でキスをしていた。リチャードが唇を貪り、ミルキーがそれに応えている。そこには、打算も何もなかった。ただ、本能のままに、ミルキーは突き進んでいた。恐らく、リチャードもそうだろう。
彼とキスしたい。キスをすれば、何かもっと他のこともしたくなってくる。
それがなんなのか、ミルキーはまだ知らなかった。男女の行為の結果は知っていても、具体的な行為そのものについては、何も知識がない。
ただ、キスをして……。
それから……。
彼の手がミルキーの胸をまさぐっている。男性に胸を触れられているというのに、なんの嫌悪感もなかった。それどころか、もっと触って欲しいなどと思ってしまう。相手がリチャードならいいのだ。他の男なら、絶対によくないが。
森の中で、男達に襲われたことが頭を過ぎる。彼らには許せないことでも、リチャードなら許せてしまう。
彼が唇を離し、メイド服の上から胸を大胆に触れてきた。
「君の胸が……見たい」
彼もまた同じことを思い出していたのだろうか。彼にそう言われると、とても拒めない。
リチャードはエプロンを取り去ると、メイド服の前にあるボタンを外していく。それをはだけていき、その下に着ているシュミーズの胸のリボンを解いた。
二つの胸が彼の前に晒される。彼はそれをうっとりと眺め、両手で包んだ。
ミルキーは甘い吐息を洩らす。自分の胸は身体が細いわりには少し大きいと思う。それを彼が愛おしそうに手で包んでいると、何故だか幸福感に満たされたような気がした。
「信じられないくらい綺麗な胸だ……。森の中でちらりと見たとき、そう思った。だから……どうしても、もう一度でいいから見てみたかった……」
それから、彼は両手で胸を揉んだ。彼の手の中で柔らかい乳房が形を変えている。ピンク色に色づいた頂が、ピンと勃っていて、まるで更なる愛撫を求めているようにも見えた。
リチャードはそっと顔を近づけ、乳首にキスをする。
「あ……ぁ」
小さな声がミルキーの口から出てきた。
とても恥ずかしいことをされている。もちろん、誰かにこんなことをされたのは、生まれて初めてだった。
リチャードはミルキーの肩をぐいと引き寄せた。彼の肩口に顔を埋める形となり、ミルキーはドキッとする。
結ばれない恋なら、報われない恋なら、そんな恋には落ちたくない。彼を好きになんかなりたくない。彼が本当は優しい人であってほしくなかった。
でも……。
彼の温もりを感じる。背中を撫でられて、優しくされたら、気持ちが揺らいでしまう。
ああ、彼のことが好き。
好きになりたくないのに、どうしてもその気持ちから逃れられない。
これ以上、優しくしないで。これ以上、好きになったら、傷ついてしまう。どうして、彼は噂どおりの極悪な侯爵ではないのだろう。最初の印象のように、冷たく意地悪なところがもっと見られれば、こんなに好きにならずに済んだのに。
「ミルキー……」
彼の声が甘く掠れている。彼の唇がミルキーの耳の傍にあった。ミルキーは彼に囁かれて、身体をビクンと震わせた。
何故だか判らない。そんな衝動に見舞われてしまったのだ。
そう……なんだかゾクゾクする。
彼はミルキーの耳朶にキスをしてきた。ミルキーははっとしたが、元より彼に触れられるのが嫌いではない。キスされると、とびっきりの器量よしの娘に変身できたような気がした。
そんなわけはないのに。
わたしは……わたしよ。ミルキーよ。
彼がメイドなんか相手にするはずがないじゃないの。
そう戒めながらも、ミルキーは耳朶を唇に含まれて、思わず声が出そうになった。
これは慰めのキスよ……。これは……これは……。
耳へのキスは、やがて頬に移動した。だが、それだけでは止まらず、気がつけば、彼はミルキーの顔のあちこちにキスをしていた。
涙を溜めた目元にも、そして、涙を流した頬にも。
彼はミルキーの髪の中に手を差し込み、ゆっくりと梳いていく。ミルキーは頭がぼんやりしてくるのを感じた。
唇にキスしてほしい。
いつしか、ミルキーはそう願っていた。
だって、顔のあちこちにキスをするなら、唇にしてもいいはずだと思うからだ。それだけではなく、昼間にキスされたことを、どうしても思い出してしまうからだった。
あのときの感覚を、もう一度味わいたい。彼の唇や舌の柔らかさ、それから、身体が疼くような快感を、もう一度……。
リチャードは躊躇いがちに唇を重ねてきた。
ああ……。
ミルキーは誘うように唇を開いてしまった。彼の舌がするりと口の中に入ってくる。口腔内を愛撫され、ミルキーはたちまち陶然となってくる。
そう。ここにキスをしてもらいたかったの。
本当は、若い乙女は結婚する相手以外に、こんなことをしてはならない。いや、上流階級のお嬢様ならいざ知らず、メイドは人の目を盗んで、キスくらしている。オニール家の若いメイドが恋人と戯れているところを目撃したのは、一度や二度ではなかった。
ただ、ミルキーは結婚前に村の男と戯れるようなことはしたくなかった。ミルキーが好きになるような素敵な男性がいなかったこともあるが、自分自身を大事にしたいからだ。純潔を失って、その挙句に身ごもってしまい、泣きながらオニール家を出ていったメイドもいた。恋人には知らぬ顔をされてしまったからだ。
そんな娘達を見ていたミルキーは、結婚前に処女を失う羽目には陥りたくなかった。
でも……。
今、ミルキーは夢中でキスをしていた。リチャードが唇を貪り、ミルキーがそれに応えている。そこには、打算も何もなかった。ただ、本能のままに、ミルキーは突き進んでいた。恐らく、リチャードもそうだろう。
彼とキスしたい。キスをすれば、何かもっと他のこともしたくなってくる。
それがなんなのか、ミルキーはまだ知らなかった。男女の行為の結果は知っていても、具体的な行為そのものについては、何も知識がない。
ただ、キスをして……。
それから……。
彼の手がミルキーの胸をまさぐっている。男性に胸を触れられているというのに、なんの嫌悪感もなかった。それどころか、もっと触って欲しいなどと思ってしまう。相手がリチャードならいいのだ。他の男なら、絶対によくないが。
森の中で、男達に襲われたことが頭を過ぎる。彼らには許せないことでも、リチャードなら許せてしまう。
彼が唇を離し、メイド服の上から胸を大胆に触れてきた。
「君の胸が……見たい」
彼もまた同じことを思い出していたのだろうか。彼にそう言われると、とても拒めない。
リチャードはエプロンを取り去ると、メイド服の前にあるボタンを外していく。それをはだけていき、その下に着ているシュミーズの胸のリボンを解いた。
二つの胸が彼の前に晒される。彼はそれをうっとりと眺め、両手で包んだ。
ミルキーは甘い吐息を洩らす。自分の胸は身体が細いわりには少し大きいと思う。それを彼が愛おしそうに手で包んでいると、何故だか幸福感に満たされたような気がした。
「信じられないくらい綺麗な胸だ……。森の中でちらりと見たとき、そう思った。だから……どうしても、もう一度でいいから見てみたかった……」
それから、彼は両手で胸を揉んだ。彼の手の中で柔らかい乳房が形を変えている。ピンク色に色づいた頂が、ピンと勃っていて、まるで更なる愛撫を求めているようにも見えた。
リチャードはそっと顔を近づけ、乳首にキスをする。
「あ……ぁ」
小さな声がミルキーの口から出てきた。
とても恥ずかしいことをされている。もちろん、誰かにこんなことをされたのは、生まれて初めてだった。