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太陽の王と契約の花嫁
蜜に濡れる純潔の皇女
立夏さとみ イラスト/椎名咲月

キーワード: アラブ風 西洋

ある理由から幽閉されていた皇女アデリアは、皇帝である父が暗殺され、追われる身になってしまう。 助けてくれた異民族の族長サハーラから、結婚するか奴隷になるかの選択を迫られたアデリアは…!? 発売日:2014年5月2日 


「……ッ……、や、うんっ……!」
 褐色の胸のしたで、初めて男の愛撫を知った娘が怯えていることを知りながらも、サハーラは弄るのをやめようとはしない。それどころか、強引な力でもってアデリアの両脚を割りひらき、彼女の片足を担ぐようにして、濡れはじめた秘部を露わにする。
(ああっ……! ど、どうして、こんなこと……?)
 たとえ夫であろうと、男の目に女の秘所をさらけだすのが、恥ずかしくないわけがない。
「ほうー、淡い茂りも金髪か。それに、どこもかしこもまだきれいな桃色だな。小さな粒は、本当にまだ固い花の芽のようだ」
 なのにサハーラは、聞くのさえ恥ずかしい言葉を、平然と口の端に乗せる。
 いつも望まれる男ゆえの驕慢さを漆黒の双眸に宿して、軽蔑の笑みを口角に刻んで、剥きだしにされたアデリアの花芯や蜜口を、楽しげに覗きこんでくる。
 不躾な視線が、この体勢では、どうやってもアデリア自身は目にすることのできない場所を、興味津々に凝視している。
(――ああ、あんなところを……!)
 直截な接触よりも、さらに痛いほどの視線を感じる。
 それがアデリアのどこに注がれているかまで、わかる気がする。
 見られているだけなのに羞恥に肌が汗ばみ、胸がひどく乱れて高鳴ってくる。
 喉がひりついて、唇が渇く。空気に含まれた潮の香のせいだろうか、と知らずに唇を嘗める所作はひどく淫靡で、男心を煽ることなど、まだアデリアは知らない。
 じょじょに身を堅くしていく花芽を、指の腹で押し潰すようにしながら、こねまわされるたびに、痺れるような疼きが肌をさざめかせながら駆けぬけて、アデリアは白い喉をのけ反らせて喘ぐ。
「あっ? ふうぅ……んっ……!」
 たまらず唇を噛みしめた瞬間、無理に閉じようとした両脚のあいだ、太腿の付け根あたりに奇妙な緊張感が走り、じゅるっと何かが身のうちから滲みでたような気がした。
 それは、どこか経験のある感覚だ。月のものがくるたびに、下腹部の鈍痛といっしょにやってくる不快な感触に似ている。それでいて、ひどく違うような気がする。
 下腹部にわだかまっているのは、ぐじぐじとした不快感ではない。むしろ、何か肌触りのいい羽毛で内側から撫でられてでもいるような、掻痒感に近い。
 サハーラが胸を弄りはじめたあたりから――それとももっと前、いきなり深い口づけをされたときだろうか。
 身のうちに、ぽっと何かが生まれた。いや、目覚めたのだ。
 それはずっとそこにあって、ただひたすら惰眠を貪っていただけ。
 いつか誰かが扉を叩いて、楽しいことをしよう、と誘ってくれるときを、ただ待ちながら微睡んでいただけ。
 それをいま、強引に目覚めさせていくのは、サハーラの指だ。
 太陽に灼かれた褐色の肌が物語るとおりの熱を持ったそれが、アデリアの敏感な部分に、燃えるような官能をもたらしていく。
「あ、やっ! う……ふうっ……!」
 萎縮していた花芽を赤く熟すまでじゅうぶんに堪能し、アデリアをさんざんに喘がせた男が、くっと意味深に笑む。次は何が? と不安におののくアデリアの、うっすらと潤んできた場所をたどって、もっとも危うい場所へと指を滑らせていく。
「……ッ……、あうっ……!?」
 瞬間、ひくりと身体を震わせたのは、明らかな怯えだった。
 そこはいけない。どうしてもそこだけは……。
「は、ああっ……!? だ、だめぇ……!」
 懇願とは裏腹に、声音には媚びたような甘さが含まれている。
 それを楽しげに聞く男の手が、まだ慎ましく閉ざされたままの花芯に、そっと触れてくる。
 指先一本、蜜口をゆるやかにくすぐられただけなのに、アデリアはすさまじい驚愕に、ひくっと背をしならせる。
 のけ反った喉に、悲鳴は絡んで消える。
 大きく瞠った両眼を閉じることができない。
(な、なんなの、これは……?)
 自分のなかで、何かが身を捩っている。
 サハーラの指が淫靡な音を立てながら、執拗な愛撫でゆるゆると開いていく陰唇のあたりに、知らずに力がこもっていく。無理やり開かれようとすればするほどに、股間や内腿が緊張して、そこを弄る指ごと締めつけていく。
 何より屈辱なのは、それが嫌悪からの反応ではないことだ。身体は決していやがってはいない。ただ湧きあがる官能をこらえようとして、無駄に力が入っているだけ。
「ふっ……。いい反応だ。初めてらしい物慣れなさが、おれの好みだ」
 アデリアの戸惑いも、興奮も、失望も、期待も、すっかり知りつくした経験豊富な男が、むやみに力の入ってしまう下肢をなだめるように、いまはプッチリと身を堅くしたアデリアの陰核に唇を寄せる。
「ああっ……、な、何をっ……!?」
 ちろり、と舌先で撫でられた瞬間、アデリアは驚愕に声を荒げた。
 手淫までは想像ができた。だが、まさか口であんなところを嘗めるなんて、と自分の両脚のあいだで蠢く黒髪に唖然と見入るアデリアは、しょせん深窓の姫なのだ。
「はぁっ……、や、やめっ、それ……あ、くっ……!」
「なぜ? いい味だぞ。まだ誰も触れてないだけあって、新鮮だし、可愛い」
 敏感な場所に触れたままの唇が、とんでもない言葉を紡ぐと、それさえも刺激になってアデリアは濡れた嬌声を放った。
「ふ、あっ…? やっ……やあっ――…!」
 ぴしゃぴしゃ、と秘部を嘗める淫靡な音。粘膜に直接与えられる強烈な感触。
 想像したことさえもない恥ずかしい行為の数々をこれ以上は耐えられないと、爪のさきほどになり果てていた理性のかけらが、瓦解していく。