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恋ひ恋ひて
義兄に奪われた夜
杏奈 イラスト/キツヲ

キーワード: 平安 禁断の恋

撫子が一瞬にして心を奪われた少年は、父が連れてきた新しい兄・実光だった。 月日は流れ、美しく成長した撫子は宮中へ上がることに。
だが「誰にも奪われたくない」と実光に激しく求められ…?
発売日:2014年8月30日 


「やっ、そんなところ……だめっ、お兄様、あぁ、だめ……」
 羞恥と快感がごちゃ混ぜになり、撫子はぎゅっと目を閉じて実光の衣にしがみつく。だが、目を閉じるといっそう身体中の神経が実光の指の動きに集中し、ひどく感じてしまう。
「ああ、熱い蜜がどんどん溢れて」
 指を動かすたびに、くちゅくちゅと淫らな音が立つ。
「あぁ、あ、やあ、ぁあん……」
 はしたないと思いつつ、実光の指が生み出す愉悦に切ない喘ぎ声が止められない。
「気持ち好いか?」
 乳房から顏を上げて、実光が撫子の表情を窺う気配がする。
「……や……そんなこと」
 淫らな顏を見られていると思うと耳朶まで血が上り、心臓の動悸が早まる。
「素直に言ってごらん」
 実光は指の腹に溢れる愛蜜をたっぷり受けると、薄い和毛に覆われた陰唇の先に佇む秘玉にぬるりと触れた。
「ひぁっ……あぁ、あっ、な、に?」
 びりっと雷のような刺激が背中から脳天に突き抜け、撫子は大きく腰を跳ね上げた。
「ここが――撫子の一番感じやすい部分かな」
 実光は秘玉をころころと指で撫で擦り、さらに鋭敏になった乳首を口に含む。
「やぁ、あ、だめ……っ、そんな、しないで……あぁぁっ」
 びりびりと下肢が蕩けるほどの愉悦が幾度も走り、撫子はもはや抑えることもできず、甘い悲鳴を上げ続ける。秘部からは、自分でもはっきりわかるほどとろりとろりと熱い液体が溢れ、太腿まで濡れそぼる。
 さらに実光の指が秘玉の包皮を捲り上げ、剥き出しになった花芯を抉じると、胸苦しいほどの喜悦が湧き上がり、隘路の奥がひくんひくんと何かを欲するように痙攣する。胸を愛撫された時に感じた甘い疼きがどこから生まれたのか、はっきりと自覚した。
「あぁ、あ、も、……お兄……さ……だめ、あぁあ」
 逃げたいほど熱い悦びが、どんどん高まってくる。
 快感に脳裏が真っ白に染まり、気が遠くなりそうだ。
「気持ち、好い?」
 実光は乳首を弄っていた舌を、つつーっと胸もとからうなじに上げていく。
「あ、あふぅ、ん……くぅ……」
 その舌の動きにもぞくぞくと身震いしてしまい、撫子は生まれて初めての快感に陶酔する。
「言って、撫子。楽にしてあげる」
 最後に耳朶の後ろへたどり着いた舌は、執拗に敏感な部分を舐り、指はじんじん膨れ上がった秘玉を押しつぶすように揉み扱く。
 なにか熱いものが身体の奥底から湧き上り、大波のように迫ってくる。どこかに魂が飛ばされそうな、恐怖。もはやこの愉悦から逃れるには、恥ずかしい言葉を口にするしかない。
「あ、い……き、気持ち……好い……」
 ふしだらな台詞を口にすると、全身がかあっと羞恥で燃え上がり、ますますどこもかしこも感じやすい淫らな器官になってしまう。
「いい子だ、撫子。今、達かせてあげる」
 実光は凝った秘玉を親指で緩急を付けて小刻みに揺さぶりながら、残った指を陰唇に滑らせた。揃えた指がほころびきった花唇の中にぐぐっと押し入ってきた。
「あーっ、あっ……あぁあっ!」
 あまりの衝撃に、撫子は弓なりに仰け反って淫らな悲鳴を上げた。
 何かを求めて蠢動していた隘路をきつく一気に満たされ、脳芯が愉悦で焼き切れたように熱くなり、意識が飛びそうになる。
「――撫子、撫子」
 実光は愛おしげに名前を呼びながら、くちゅくちゅと愛蜜を弾かせて指を抜き差しした。
「やぁ、あ、きつい……動かしちゃ……だ、め、あぁ、だめぇ……っ」
 撫子は腰をがくがくと震わせながら、甘く悶えた。
 自分の内壁がきつく収縮を繰り返し、兄の指を嬉しげ締めつけるのがわかる。そして、そのたびに全身に甘やかな快感が駆け巡る。
 実光の指に、舌に自分が知らない身体に変えられてしまう。
「あぁ? あっ、そこっ……っ」
 指が秘玉の真後ろの内壁を突ついたとたん、堪らないほどの喜悦がせり上がり、息をひっと呑んだ。
「――ここ?」
 実光は撫子の顕著な反応を見せる部分を、ぐいぐいと擦り上げた。
 先ほどまできついほどだった男の指が、今では溢れる愛蜜のせいか滑らかに律動し、撫子をどんどん愉悦の崖っぷちへ追い詰めていく。
「んあぁ、あ、だめ、そこだめ、あぁあ、だめぇ……」
 実光の衣をきつく握りしめ、くるおしいまでの快感に耐える。
「んぅ、はあぁ、あっ、はぁ、はぁっ」
 腰は熱く溶けていくのに、全身はどんどん強ばっていく。
 意識がどこかに飛んで行きそうで、撫子は実光にすがりつきながら長い黒髪を振り乱して、喘いだ。
「も……あ、怖い……お兄様……私、も……もうっ」
「大丈夫、撫子。私につかまって。いくよ」
 実光の指の抽送が一気に速まる。ぐちゅぐちゅと派手な水音が上がったが、もはや恥ずかしがる余裕は無かった。全身が大げさなほど震え、媚悦の大波がどっと押し寄せた。
「……っ、はあぁっ、あぁあああ、ぁああぁ……っ」
 身体がぴーんと硬直し、一瞬意識が真っ白に染まる。
 そして次の瞬間、詰めていた息を大きく吐くと、全身がぐったりと弛緩した。
「はぁ……はっ……はぁ……っ」
 崩れ落ちそうになる撫子の身体を、実光がぎゅっと抱きしめた。
「可愛い撫子――達したんだね、初めて――」
 実光は汗ばんだ額に口づけを繰り返しながら、優しく乱れた黒髪を撫で付ける。
「ぁ……あ、お兄様……私……こんな……に……」
 まだ法悦の余韻にぼんやりしたまま、撫子は実光の胸に顏を埋める。
 自分の心臓の音がどきどきうるさいほど鼓膜に響く。
 そして自分と同じくらい早い動悸を打つ、彼の鼓動も感じる。
 甘い白檀の香り。
 愛しい実光の香り。
 初めて教えられた肉体の悦び。
罪悪感に怯えつつも、愛し愛される悦びに溺れていく。
(お兄様なら、なにをされてもいい……全てを奪われてもかまわない)
 撫子は切ないほど胸を突き上げる恋情に酔いしれた。