ロミオとジュリエット異聞
あまおう
ジュリエットは仇敵・モンターギュ家のロミオと出会い、両家のため彼との結婚を考える。だが、自分を守ってきてくれたティボルトに猛反対され、「恋をするなら俺にしておけ」と抱かれてしまい…? 発売日:2015年7月31日
「ふ……ぅ、……んっ――」
熱く硬い剛直に繊細な部位をこすりたてられ、ジュリエットはまたしても、こぼれる声を殺さなければならなくなった。
スカートの前の部分はすとんと下りたままである。庭園から見上げただけではバルコニーで何が行われているのか、すぐには判別がつかないだろう。
しかし腰砕けで手すりにしがみつくジュリエットの様子を見れば、スカートの中で何が起きているのか一目瞭然のはずだ。
「ん、ぅ……っ」
羞恥のあまり真っ赤になるジュリエットを、ティボルトが笑った。
「ロミオに声を聞かせてやれ。あいつがぐずぐずしている間に、おまえが誰のものになったのか、よく見せてやれ」
無情な言葉と共に、ティボルトは蜜口に怒張をあてがい、後ろからぐぷぐぷと押し挿れてくる。
「あぁ……っ」
熱いものにずぶずぶと拡張されていく感覚に、背を仰け反らせる。
「あ、……んっ、ぁ……ぁっ、ぁ……!」
「おまえは恋をすることに憧れているんだ。年頃だからな」
突き出すような形の腰を手で引き寄せられ、同時にずしりと重いもので奥の奥まで貫かれた。最奥をずん、と穿たれる感覚にぶるりと背筋がふるえる。
「は、ぁ……ぁ……っ」
根元まで埋め込んだところで、彼は蕩けた花筒を自らの剛直になじませるように、しばし動きを止めた。
「だから女みたいにきれいなあの顔で、少し甘い言葉をささやかれただけで、その気になったんだろう?」
「――……っ」
声が、熱く触れている下肢からも伝わってくることに息を詰める。ゆるく生じた快感の波にたゆたいながら、ジュリエットは力なく首をふった。
「ちが……ロミオとは、そんなんじゃ……っ」
「隠しても無駄だ。でなきゃ毎回毎回、なぜあいつをかばう?」
「――かばって、なんか……っ」
かすれた反論は、ずくずくと始まった突き上げにかき消される。熱塊が蜜壁をこすり、奥を抉るごとに、下腹の奥で甘苦しい官能の火がゆらめく。ずぶりと奥深くまで突き立てられ、さらにそこでぐりぐりと押しまわされると、淫靡な熱はいっそう燃え立った。
「や、あっ……ぁぁぁ……ン」
静かなバルコニーに響き渡る、ぐちゃぐちゃという淫らな水音に耐えられず、手すりをつかむ手に顔を伏せる。
快楽と非難とを同時に与えてくる彼の仕打ちに、泣きたい思いで首を横に振った。
「……彼は、悪い人じゃない、わ……!」
モンタギュー家の跡取りであるロミオがジュリエットに接触してきたのは、キャピュレット家との不毛な争いに何とか終止符を打ちたいと、相談するためだった。
それはみんなにとっていいことのはず。そう思ったからこそ、だからできる限り力になりたいと考えただけだ。
……その結果、「明日結婚しよう」という話になったのは、確かに少々突飛すぎたかもしれないが。
「あいつはキャピュレット家の当主の娘を落としたと、世間に触れまわりたいだけだ」
腰をつかまれ、ずくずくと小刻みに奥を突かれ、次第に脚から力が抜けていく。腰をつかむティボルトの手に支えられる形で、突き出した秘部をじゅくじゅくと抉られる。
「――――、っ……!」
弱点を知りつくした剛直に、奥の感じやすいところを的確に穿られ、言葉もなく感じ入った。すっかり蕩けたジュリエットのそこは、うれしそうに蠢いて彼のものにからみつく。
きゅうきゅうと雄茎を吸い上げる自らの反応がせつなく、官能だけではない涙がこみ上げてきた。
「そんなんじゃ、ない……っ」
愉悦にうわずった声を張り上げると、彼はふと腰の動きを止めた。
「――すっかりのぼせているようだな……」
欲望にかすれたつぶやきに、首を横に振る。
「ティボルト――……っ」
ふいに途切れた律動を乞うように蜜口がわなないた。
ジンジンと痺れる蜜洞の奥から、喜悦の余韻がさざ波のように生じる。ジュリエットは手すりにしがみついて唾を飲み込み、必死にそれをこらえた
「も、もういいっ。……ほっとい、て……っ」
ロミオにのぼせているだなんて、見当ちがいもいいところだ。
ジュリエットに初めて快感を教えたのはティボルト。処女(おとめ)を奪ったのも、彼だというのに。
「わたしが、誰を好きでも……ティボルトには、……関係、ない……!」
彼はいつだってひどく情熱的に、優しくふれてきた。そうやって、それまで家族のようにしか思っていなかった彼が男だということを、ジュリエットに気づかせていった。
そんなことをされて、彼以外の人が目に入るはずもない。
しかしティボルトは苦い顔で頭をひとつ振り、いつもの残酷な言葉を口にした。
「恋をしたいのなら俺にしておけ」
腰を支えていた手が、するりと前に潜り込んできた。淫靡な指が突起をいじり始める。包皮を剥き、頭を出した芯を指の腹でぬるりぬるりとなでられ、がくん、と脚がくずれ落ちた。
そのとたん、剛直の切っ先を、ずぅん! と最奥で受け止めるはめになり、堪える間もなく高々と嬌声を迸らせる。
「い、あぁぁぁ……っ」
「おまえにとって一番安全な男だぞ」
彼は力の入らないジュリエットの片ひざを、折ったままバルコニーの手すりに乗せた。同時に両胸をつかむようにして上半身を抱き起こす。
「やぁ、ティボルト……っ」
「昼間は恋人気分を味わせてやるし、夜は気絶するまで愛してやるし、身を引く時は身を引く」
言葉と共に、ずん、と突かれて背をしならせた。
「んぁぁ……っ」
脚を大きく開き、背後から貫く彼のもので体重を支える形である。
「おまえの評判を傷つけるようなことは、決してしない」
「やぁっ、あっ……あぁっ、……はぁぁ、ン……!」
上下に身体を揺さぶるようにしてじゅくじゅくと突き上げた後、片方の手がふたたび、愛液にまみれた花芽をぬるりぬるりと刺激してきた。
「そんな、……ぁあぁ、いっぺんに……んぁっ、や、……あ、ぁぁ……っ」
次から次へと与えられる刺激に、ぎゅぅぎゅぅと彼のものを締めつけて、身も世もなく啼きあえぐ。
逃げているのか、それとも快感を追っているのか。自分でも判別がつかないまま、抽送の動きに合わせて大きく腰がうねった。
「そら、好きなだけ達け――」
絶頂の予感にびくびくとわななく淫路に、彼はひときわ強く屹立をねじ込んでくる。
「や、あぁぁぁ――……!」
ずっしりとした熱塊に奥まで暴かれ、目眩がするほどの愉悦が全身を走り抜けた。官能があふれ出し、ジュリエットの意識を甘く激しく翻弄する。
頂を越えてからもなお、細く続く恍惚がぞくぞくと背を這う。その余韻にひたっていたジュリエットを、彼は背後から抱きしめ、低くつぶやいた。
「おまえが結婚するまで、この快楽はおまえだけのものだ――」
(ひどい――……)
朦朧とする意識の中で、じくじくと胸が痛む。
ロミオを好きになるくらいなら自分を見ろと言い、にもかかわらず、それはあくまで遊びであり本物の愛ではないなどと、臆面もなく言い放つ。
しかるべき時が来たら家のための結婚を受け入れろと――そう言いながら、ジュリエットの身も心も、こんなにも虜にしてしまうだなんて。
(ティボルト――ティボルト……!)
ジュリエットのことが大切だと事あるごとに言う。自分が守ると、何度も誓ってくれた。
それなら。
(どうかわたしを愛して……)
心の声がぽつりとこぼれる。
それこそがまごうことなき自分の本心だと気づきながら――ジュリエットは望みのない希望を退けるかのように、菫色の瞳を閉ざした。
熱く硬い剛直に繊細な部位をこすりたてられ、ジュリエットはまたしても、こぼれる声を殺さなければならなくなった。
スカートの前の部分はすとんと下りたままである。庭園から見上げただけではバルコニーで何が行われているのか、すぐには判別がつかないだろう。
しかし腰砕けで手すりにしがみつくジュリエットの様子を見れば、スカートの中で何が起きているのか一目瞭然のはずだ。
「ん、ぅ……っ」
羞恥のあまり真っ赤になるジュリエットを、ティボルトが笑った。
「ロミオに声を聞かせてやれ。あいつがぐずぐずしている間に、おまえが誰のものになったのか、よく見せてやれ」
無情な言葉と共に、ティボルトは蜜口に怒張をあてがい、後ろからぐぷぐぷと押し挿れてくる。
「あぁ……っ」
熱いものにずぶずぶと拡張されていく感覚に、背を仰け反らせる。
「あ、……んっ、ぁ……ぁっ、ぁ……!」
「おまえは恋をすることに憧れているんだ。年頃だからな」
突き出すような形の腰を手で引き寄せられ、同時にずしりと重いもので奥の奥まで貫かれた。最奥をずん、と穿たれる感覚にぶるりと背筋がふるえる。
「は、ぁ……ぁ……っ」
根元まで埋め込んだところで、彼は蕩けた花筒を自らの剛直になじませるように、しばし動きを止めた。
「だから女みたいにきれいなあの顔で、少し甘い言葉をささやかれただけで、その気になったんだろう?」
「――……っ」
声が、熱く触れている下肢からも伝わってくることに息を詰める。ゆるく生じた快感の波にたゆたいながら、ジュリエットは力なく首をふった。
「ちが……ロミオとは、そんなんじゃ……っ」
「隠しても無駄だ。でなきゃ毎回毎回、なぜあいつをかばう?」
「――かばって、なんか……っ」
かすれた反論は、ずくずくと始まった突き上げにかき消される。熱塊が蜜壁をこすり、奥を抉るごとに、下腹の奥で甘苦しい官能の火がゆらめく。ずぶりと奥深くまで突き立てられ、さらにそこでぐりぐりと押しまわされると、淫靡な熱はいっそう燃え立った。
「や、あっ……ぁぁぁ……ン」
静かなバルコニーに響き渡る、ぐちゃぐちゃという淫らな水音に耐えられず、手すりをつかむ手に顔を伏せる。
快楽と非難とを同時に与えてくる彼の仕打ちに、泣きたい思いで首を横に振った。
「……彼は、悪い人じゃない、わ……!」
モンタギュー家の跡取りであるロミオがジュリエットに接触してきたのは、キャピュレット家との不毛な争いに何とか終止符を打ちたいと、相談するためだった。
それはみんなにとっていいことのはず。そう思ったからこそ、だからできる限り力になりたいと考えただけだ。
……その結果、「明日結婚しよう」という話になったのは、確かに少々突飛すぎたかもしれないが。
「あいつはキャピュレット家の当主の娘を落としたと、世間に触れまわりたいだけだ」
腰をつかまれ、ずくずくと小刻みに奥を突かれ、次第に脚から力が抜けていく。腰をつかむティボルトの手に支えられる形で、突き出した秘部をじゅくじゅくと抉られる。
「――――、っ……!」
弱点を知りつくした剛直に、奥の感じやすいところを的確に穿られ、言葉もなく感じ入った。すっかり蕩けたジュリエットのそこは、うれしそうに蠢いて彼のものにからみつく。
きゅうきゅうと雄茎を吸い上げる自らの反応がせつなく、官能だけではない涙がこみ上げてきた。
「そんなんじゃ、ない……っ」
愉悦にうわずった声を張り上げると、彼はふと腰の動きを止めた。
「――すっかりのぼせているようだな……」
欲望にかすれたつぶやきに、首を横に振る。
「ティボルト――……っ」
ふいに途切れた律動を乞うように蜜口がわなないた。
ジンジンと痺れる蜜洞の奥から、喜悦の余韻がさざ波のように生じる。ジュリエットは手すりにしがみついて唾を飲み込み、必死にそれをこらえた
「も、もういいっ。……ほっとい、て……っ」
ロミオにのぼせているだなんて、見当ちがいもいいところだ。
ジュリエットに初めて快感を教えたのはティボルト。処女(おとめ)を奪ったのも、彼だというのに。
「わたしが、誰を好きでも……ティボルトには、……関係、ない……!」
彼はいつだってひどく情熱的に、優しくふれてきた。そうやって、それまで家族のようにしか思っていなかった彼が男だということを、ジュリエットに気づかせていった。
そんなことをされて、彼以外の人が目に入るはずもない。
しかしティボルトは苦い顔で頭をひとつ振り、いつもの残酷な言葉を口にした。
「恋をしたいのなら俺にしておけ」
腰を支えていた手が、するりと前に潜り込んできた。淫靡な指が突起をいじり始める。包皮を剥き、頭を出した芯を指の腹でぬるりぬるりとなでられ、がくん、と脚がくずれ落ちた。
そのとたん、剛直の切っ先を、ずぅん! と最奥で受け止めるはめになり、堪える間もなく高々と嬌声を迸らせる。
「い、あぁぁぁ……っ」
「おまえにとって一番安全な男だぞ」
彼は力の入らないジュリエットの片ひざを、折ったままバルコニーの手すりに乗せた。同時に両胸をつかむようにして上半身を抱き起こす。
「やぁ、ティボルト……っ」
「昼間は恋人気分を味わせてやるし、夜は気絶するまで愛してやるし、身を引く時は身を引く」
言葉と共に、ずん、と突かれて背をしならせた。
「んぁぁ……っ」
脚を大きく開き、背後から貫く彼のもので体重を支える形である。
「おまえの評判を傷つけるようなことは、決してしない」
「やぁっ、あっ……あぁっ、……はぁぁ、ン……!」
上下に身体を揺さぶるようにしてじゅくじゅくと突き上げた後、片方の手がふたたび、愛液にまみれた花芽をぬるりぬるりと刺激してきた。
「そんな、……ぁあぁ、いっぺんに……んぁっ、や、……あ、ぁぁ……っ」
次から次へと与えられる刺激に、ぎゅぅぎゅぅと彼のものを締めつけて、身も世もなく啼きあえぐ。
逃げているのか、それとも快感を追っているのか。自分でも判別がつかないまま、抽送の動きに合わせて大きく腰がうねった。
「そら、好きなだけ達け――」
絶頂の予感にびくびくとわななく淫路に、彼はひときわ強く屹立をねじ込んでくる。
「や、あぁぁぁ――……!」
ずっしりとした熱塊に奥まで暴かれ、目眩がするほどの愉悦が全身を走り抜けた。官能があふれ出し、ジュリエットの意識を甘く激しく翻弄する。
頂を越えてからもなお、細く続く恍惚がぞくぞくと背を這う。その余韻にひたっていたジュリエットを、彼は背後から抱きしめ、低くつぶやいた。
「おまえが結婚するまで、この快楽はおまえだけのものだ――」
(ひどい――……)
朦朧とする意識の中で、じくじくと胸が痛む。
ロミオを好きになるくらいなら自分を見ろと言い、にもかかわらず、それはあくまで遊びであり本物の愛ではないなどと、臆面もなく言い放つ。
しかるべき時が来たら家のための結婚を受け入れろと――そう言いながら、ジュリエットの身も心も、こんなにも虜にしてしまうだなんて。
(ティボルト――ティボルト……!)
ジュリエットのことが大切だと事あるごとに言う。自分が守ると、何度も誓ってくれた。
それなら。
(どうかわたしを愛して……)
心の声がぽつりとこぼれる。
それこそがまごうことなき自分の本心だと気づきながら――ジュリエットは望みのない希望を退けるかのように、菫色の瞳を閉ざした。