皇太子の陰謀愛
―男装姫は策に溺れる―
涼原カンナ イラスト/アオイ冬子
亡き父王から娘と認められず、修道院で暮らすリアーヌ。ある日、現王である異母兄から「エルドベルク帝国へ行け」と命じられる。帝国との戦いに敗れ、異母弟ユーゴを人質として送ることになっていたが、彼は逃亡。母親同士が双子なため、ユーゴそっくりなリアーヌに身代わりをしろというのだ。王命を断れるはずがなく、ユーゴとして帝国に滞在するリアーヌ。酔った皇太子ラルフを介抱した際、女だとバレてしまい、淫らな罰を受けることに…? 配信日:2017年2月24日
―男装姫は策に溺れる―
涼原カンナ イラスト/アオイ冬子
亡き父王から娘と認められず、修道院で暮らすリアーヌ。ある日、現王である異母兄から「エルドベルク帝国へ行け」と命じられる。帝国との戦いに敗れ、異母弟ユーゴを人質として送ることになっていたが、彼は逃亡。母親同士が双子なため、ユーゴそっくりなリアーヌに身代わりをしろというのだ。王命を断れるはずがなく、ユーゴとして帝国に滞在するリアーヌ。酔った皇太子ラルフを介抱した際、女だとバレてしまい、淫らな罰を受けることに…? 配信日:2017年2月24日
「おまえたちの意図など関係ない。俺を騙したという事実は変わらないだろう?」
ぶっきらぼうに告げられて、リアーヌは落胆のあまり両肩を落とした。
(確かに、殿下の言うとおりだわ……)
友情を踏みにじる行為に違いない。
リアーヌはあぐらをかいた彼が膝の上に置いていたこぶしに手を重ねた。
「殿下……ユーゴはその……何か事情があって帝国に来られなくなったんです」
「事情?」
怪訝そうな彼にリアーヌは小さくうなずいた。
「そ、そうです。その事情があって……」
「和平のため帝国に滞在する……それ以上に重要な用でもあるというのか?」
ラルフの皮肉にリアーヌは唇を鎖すしかなかった。
確かに彼の言うとおりだ。和平の意志を示すためにユーゴは帝国に来るはずだった。それほど大切な役目を放棄したのだ。どんな言い訳だって、受けいれられないに違いない。
リアーヌは覚悟を決めた。
「……罰はわたしが受けます」
「は?」
「罰するなら、わたしだけにしてください。殿下を騙したのは、わたしです。悪いのも、わたしひとりです」
ラルフの怒りが王国に向くのはどうしても避けたかった。それくらいなら、自分ひとりが処罰されたほうがいい。
「へぇ、咎は自分にあると言いたいのか」
「はい。陛下を騙したのは、わたし。罰を与えるなら、わたしひとりにしてください――」
言いかけた言葉を息とともに呑み込んだ。ラルフがリアーヌの胸を無造作に摑んだのだ。そのまま押しまわされて、今まで感じたことのない怪しげな感覚が生まれる。
「な、何を……」
「罰を与えてるんだよ」
「ば、罰って、これですか⁉」
「ああ、これだ。男じゃなく女のおまえが受けるにふさわしい罰だろう?」
布できつく拘束しているのに、ふくらみに心地よい振動が伝わってくる。じっとしていられないような、むず痒いような、不思議な感覚だった。
「あの、い、痛くないのですが」
罰というにはやんわりとしすぎた感覚に深い当惑を覚えてしまう。
「なんだ、痛いほうが好みなのか?」
ラルフが力まかせに胸を握る。指でぎゅっと押しつぶされ、リアーヌは顔をしかめた。
「おい、どっちがいい?」
「……痛いのは嫌です」
観念してつぶやくと、ラルフは笑みをたたえてうなずいた。
「だろう? だから、気持ちよくしてやる」
ラルフはそう言うと、シャツを引きはがした。さらに胸を押さえる布の結び目をほどきだす。
「あっ、駄目です」
「直接さわったほうがもっと気持ちよくなるぞ」
「そ、それは罰なのですか?」
リアーヌが狼狽してたずねると、ラルフはニッと笑ってみせる。
「ああ、罰だ」
ラルフは結び目をほどいてしまうと、縛めにも似た布を手早く巻き取ってしまう。布の下からあらわれたのは、丸くふくらんだ双乳だ。リアーヌは思わず手で隠してしまう。
「おい、何をしている」
「あの、やっぱりやめましょう。他のことで償います」
ここにきて、ようやくラルフの要求が腹の底に収まった。彼の望みは、リアーヌと男女の仲になるということだ。
(まさか、そんなことできるはずがないわ)
リアーヌは本来なら修道院で一生を過ごす身だった。誰かに命令されたわけではないが、自然とそう考えていた。
(だって、他に行くべき場所がないのだから)
修道院で生きていくなら、当然、結婚や恋とは無縁の人生を送ることになる。
当たり前だが、男女の仲になる相手など存在しえないということだった。
リアーヌが胸を隠している手をラルフはそっと引き剥がす。白い乳房があらわになって、頬がかあっと熱くなった。
「他の償いなんて、俺はいらないな。このやわらかなふくらみをさわらせてくれ」
ラルフが両手でリアーヌの胸をすくうように持ち上げた。それから五指で胸を摑んで、ゆったりと揉みはじめる。
「あ……あ……」
リアーヌの鼓動がにわかに速くなる。ラルフの掌のかさついた感触がなめらかな胸とこすれあって、背筋にぞくぞくと寒気がのぼる。
だが、じきに悩ましげな感覚に支配されだした。ラルフの手が乳房を揺さぶるたびに心地よさがじわりと広がっていくのだ。
(これは本当に罰なのかしら……)
修道女にとって、男に身体を触れさせるなんて戒律違反に等しい。だから、これは罰なのだろうが、それにしては生ぬるすぎる。
「あ……あの……」
身体の底からむずむずと湧きあがる違和感に戸惑いの声を漏らす。向き合っているラルフは艶めいたまなざしで見つめてきた。
「わたし、罰を与えられているのですか?」
「ああ、とても手ひどい罰だぞ」
張りつめだした乳房に指をからめられ、大胆に揉まれて、こみ上げてきた息はひどく色づいていた。
「は……は……はぁ……」
やわやわと揉まれるのが快くて、全身が火照ってしまう。
(どうしたのかしら……)
ラルフの手がうごめくたびに、未知の快さが広がっていく。もしかして、これが快感というものなのだろうか。
(こんなことはよくないわ)
上半身を裸にされて、重量を増したようにさえ思われる双乳を揉みしだかれている。
「……気持ちいいみたいだな」
ラルフが満足そうに笑みを刷くから、リアーヌの顔が羞恥にかぁっと熱くなる。
「そんなことはない……」
反論しようとしたとたん、ラルフが両の乳首を親指の腹で押しつぶすようにこねまわす。リアーヌは眉を寄せて鋭敏な刺激に耐えた。
「そ……そこは……」
胸全体を揺すられるよりも格段に強い快さだった。根本をつんつんと押し上げられ、くねくねと回されて、身をよじりたくなってしまう。
「や、やめてください……」
「やめたら罰にならないだろう」
ラルフは喜々としてリアーヌの赤い尖りをつまんだ。親指と人差し指でつんと勃った頂をふにふにとねじる。
そうされると、息を荒げたくなるような快感に襲われる。
「いや、やめて……」
「いい顔だな、にせもの王子」
残酷なひやかしに、リアーヌはきつく瞼を閉じる。そんなふうに言われると、自分の罪を意識させられてしまうのだ。
(耐えないといけないのだわ……)
ラルフは信頼を裏切られたと感じたはずだ。
だから、リアーヌを辱めている。身体にいやらしく触れて、悩ましげな声をあげさせるのだ。
「あ……あ……ああ……」
ラルフは乳首の先端をつんつんとつつき、乳房を下から持ち上げるように愛撫する。甘い責め苦に眉が寄った。
「で、殿下……」
ぶっきらぼうに告げられて、リアーヌは落胆のあまり両肩を落とした。
(確かに、殿下の言うとおりだわ……)
友情を踏みにじる行為に違いない。
リアーヌはあぐらをかいた彼が膝の上に置いていたこぶしに手を重ねた。
「殿下……ユーゴはその……何か事情があって帝国に来られなくなったんです」
「事情?」
怪訝そうな彼にリアーヌは小さくうなずいた。
「そ、そうです。その事情があって……」
「和平のため帝国に滞在する……それ以上に重要な用でもあるというのか?」
ラルフの皮肉にリアーヌは唇を鎖すしかなかった。
確かに彼の言うとおりだ。和平の意志を示すためにユーゴは帝国に来るはずだった。それほど大切な役目を放棄したのだ。どんな言い訳だって、受けいれられないに違いない。
リアーヌは覚悟を決めた。
「……罰はわたしが受けます」
「は?」
「罰するなら、わたしだけにしてください。殿下を騙したのは、わたしです。悪いのも、わたしひとりです」
ラルフの怒りが王国に向くのはどうしても避けたかった。それくらいなら、自分ひとりが処罰されたほうがいい。
「へぇ、咎は自分にあると言いたいのか」
「はい。陛下を騙したのは、わたし。罰を与えるなら、わたしひとりにしてください――」
言いかけた言葉を息とともに呑み込んだ。ラルフがリアーヌの胸を無造作に摑んだのだ。そのまま押しまわされて、今まで感じたことのない怪しげな感覚が生まれる。
「な、何を……」
「罰を与えてるんだよ」
「ば、罰って、これですか⁉」
「ああ、これだ。男じゃなく女のおまえが受けるにふさわしい罰だろう?」
布できつく拘束しているのに、ふくらみに心地よい振動が伝わってくる。じっとしていられないような、むず痒いような、不思議な感覚だった。
「あの、い、痛くないのですが」
罰というにはやんわりとしすぎた感覚に深い当惑を覚えてしまう。
「なんだ、痛いほうが好みなのか?」
ラルフが力まかせに胸を握る。指でぎゅっと押しつぶされ、リアーヌは顔をしかめた。
「おい、どっちがいい?」
「……痛いのは嫌です」
観念してつぶやくと、ラルフは笑みをたたえてうなずいた。
「だろう? だから、気持ちよくしてやる」
ラルフはそう言うと、シャツを引きはがした。さらに胸を押さえる布の結び目をほどきだす。
「あっ、駄目です」
「直接さわったほうがもっと気持ちよくなるぞ」
「そ、それは罰なのですか?」
リアーヌが狼狽してたずねると、ラルフはニッと笑ってみせる。
「ああ、罰だ」
ラルフは結び目をほどいてしまうと、縛めにも似た布を手早く巻き取ってしまう。布の下からあらわれたのは、丸くふくらんだ双乳だ。リアーヌは思わず手で隠してしまう。
「おい、何をしている」
「あの、やっぱりやめましょう。他のことで償います」
ここにきて、ようやくラルフの要求が腹の底に収まった。彼の望みは、リアーヌと男女の仲になるということだ。
(まさか、そんなことできるはずがないわ)
リアーヌは本来なら修道院で一生を過ごす身だった。誰かに命令されたわけではないが、自然とそう考えていた。
(だって、他に行くべき場所がないのだから)
修道院で生きていくなら、当然、結婚や恋とは無縁の人生を送ることになる。
当たり前だが、男女の仲になる相手など存在しえないということだった。
リアーヌが胸を隠している手をラルフはそっと引き剥がす。白い乳房があらわになって、頬がかあっと熱くなった。
「他の償いなんて、俺はいらないな。このやわらかなふくらみをさわらせてくれ」
ラルフが両手でリアーヌの胸をすくうように持ち上げた。それから五指で胸を摑んで、ゆったりと揉みはじめる。
「あ……あ……」
リアーヌの鼓動がにわかに速くなる。ラルフの掌のかさついた感触がなめらかな胸とこすれあって、背筋にぞくぞくと寒気がのぼる。
だが、じきに悩ましげな感覚に支配されだした。ラルフの手が乳房を揺さぶるたびに心地よさがじわりと広がっていくのだ。
(これは本当に罰なのかしら……)
修道女にとって、男に身体を触れさせるなんて戒律違反に等しい。だから、これは罰なのだろうが、それにしては生ぬるすぎる。
「あ……あの……」
身体の底からむずむずと湧きあがる違和感に戸惑いの声を漏らす。向き合っているラルフは艶めいたまなざしで見つめてきた。
「わたし、罰を与えられているのですか?」
「ああ、とても手ひどい罰だぞ」
張りつめだした乳房に指をからめられ、大胆に揉まれて、こみ上げてきた息はひどく色づいていた。
「は……は……はぁ……」
やわやわと揉まれるのが快くて、全身が火照ってしまう。
(どうしたのかしら……)
ラルフの手がうごめくたびに、未知の快さが広がっていく。もしかして、これが快感というものなのだろうか。
(こんなことはよくないわ)
上半身を裸にされて、重量を増したようにさえ思われる双乳を揉みしだかれている。
「……気持ちいいみたいだな」
ラルフが満足そうに笑みを刷くから、リアーヌの顔が羞恥にかぁっと熱くなる。
「そんなことはない……」
反論しようとしたとたん、ラルフが両の乳首を親指の腹で押しつぶすようにこねまわす。リアーヌは眉を寄せて鋭敏な刺激に耐えた。
「そ……そこは……」
胸全体を揺すられるよりも格段に強い快さだった。根本をつんつんと押し上げられ、くねくねと回されて、身をよじりたくなってしまう。
「や、やめてください……」
「やめたら罰にならないだろう」
ラルフは喜々としてリアーヌの赤い尖りをつまんだ。親指と人差し指でつんと勃った頂をふにふにとねじる。
そうされると、息を荒げたくなるような快感に襲われる。
「いや、やめて……」
「いい顔だな、にせもの王子」
残酷なひやかしに、リアーヌはきつく瞼を閉じる。そんなふうに言われると、自分の罪を意識させられてしまうのだ。
(耐えないといけないのだわ……)
ラルフは信頼を裏切られたと感じたはずだ。
だから、リアーヌを辱めている。身体にいやらしく触れて、悩ましげな声をあげさせるのだ。
「あ……あ……ああ……」
ラルフは乳首の先端をつんつんとつつき、乳房を下から持ち上げるように愛撫する。甘い責め苦に眉が寄った。
「で、殿下……」